表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転送術士候補生III  作者: よのもり せいう
4/22

その4 決意(Part. H)

全く落ち着かない先生の研究室に残されて、独り、静かに時間を過ごした。

鞄からは、もぞもぞと大きな呼吸で寝息を立てる、イヌウサギ。

その膨らみと温かさを実感したとき、私はやっと決意した。


「(私も先生を追いかけてみよう…!!)」


水筒から一口、お気に入りのお茶を飲む。

今から頑張ったって、何にもならないかもしれない。


でも…それでも、私だってライ君や…ポケット先生を助けたい!

そしてポケット先生に会って、どうして私を置いて“勇者の揺り籠”に行ってしまったのか、ちょっと怒って問いただしたい!!


きっと途中でディアス先生は何食わぬ顔で帰ってきてくれて、ライ君も元通り。

信頼できる人だから、きっとそうなる。


でも、だからこそ私が、先生に育ててもらった力でどこまで追いつけたのか、その成果を見せたいのだ。


分かっている。本当の本心は、独り残されて寂しいんだってことにも。


よし―!


そうと決まれば、と研究室を出ようとする。

するとそこには、先生お気に入りのインテリアである龍のはく製。

説明書きには“グリムバースのはく製”とある。


「本当に本人の許可が下りてたっ―(・ㅂ・)!!」


自分のはく製を置いておくなんて、なんて…。

思わず声に出てしまったつっこみに、独り笑ってしまった。




その4 終

ひとこと事項


・研究室の標本

ディアスが死霊術資料室(現・ディアスの研究室)に置いていた資料。「転送術士候補生I その2」参照。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ