表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転送術士候補生III  作者: よのもり せいう
16/22

その16 反撃(Part. H)

「魔族は、ワシにここにいられては非常にまずかったらしい。」


「先生、傷を―!!」


ポケット先生は傷を負っていたので、ハーヴィー先生と一緒に戦場から離れて転移をし、すぐに薬草を飲んでもらう。

ポケット先生がウゲっと苦い顔をすると、親友はそれを見てにっかり笑った。


遠くを見れば、本気を出した巨大な龍に、魔族の人たちが翻弄されていく。

倒されれば倒される程、魔族が先生の僕になっていくのが本当に怖い…;


「でもそれがバレてしまっての。慌てて逃げておったら、ディアスが察知して来てくれたというわけじゃ。ただね、ワシを守りながら戦うのが中々大変だったみたいでね。」


先生なら転移で学校あたりまで飛んで来ちゃえば良いのに、と思いつつも、周囲を包む異世界感に、それも色々難しかったのかな、と察する。


と、目の前に魔族が一人転移してきて、私達に思い切り槍を突き出す!

けれども私の転移の方が早かったので、その槍はただ虚空を掠める。


そんな気配みえみえの転移じゃ、全然予想が付くんだから!

なんて思っても、相手はもう一突き、もう一突きと槍を突き出す。


連唱するうちに、この人達にライ君(中身)が傷つけられた事実が頭に込上げてきた。

こんなに避けてもまだライ君を狙おうとしてくる姿が、正直、許せない―。

そう思った時には、私はありったけの力を天球儀石の杖に込めていた。


「お返しだよっ!!」 「時間差転送術っ!?」


ここへ来るときのとっておきとして、支部長が私に教えてくれた戦い方。

周囲に落ちている小石を飛礫の魔術で飛ばしつつ、時間差をつけて相手の方へ転送する。

それを実践してみれば、相手の魔族の人は両手で頭を庇ったものの、後頭部に投石を受けて気を失った。




その16 終

ひとこと事項


・時間差転送術

時間差で転送を行うことで、ランダムなオールレンジ攻撃を可能とする方法。石を弾き飛ばす飛礫の魔術と組み合わせるというアイデアを、ハーミアは支部長に教わった。「転送術士候補生I その8参照」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ