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転送術士候補生III  作者: よのもり せいう
11/22

その11 B49F(Part. H)

進んで、進んで、進んで、進んで…。


私達はやっと地下書庫のB49Fに辿り着いた。

次の階には安全な最後の常設の休憩場所があり、その先からはついに禁書架となる。

昼夜の隔てのない館内で、私達はそこで一旦仮眠を取ることにしていた。


ディアス先生にそこで追いつければ嬉しいけれど、きっともういない気がする。

休まず進みたいのは山々だったけれど、流石にずっと歩き続けて疲れていた。


この階の意匠は鎧の間で、一本道に知らない国々の甲冑達が本を持って並んでいる。

ちらりと見れば、『アザラーク王国史』『ヴェイド精霊界見聞録』『七泉境奇譚』といった本が並んでいた。


さっぱり聞いたことのない名前ばかりだし、読めない文字のものもある。

と、視界が突然生えた幹に遮られた。

この樹木は…先生が魔術で生やしたのかな?


「ほう…これは珍しい紋章を見た。アステリア王国、だったか…。」「―?」


隣から顔を出せば、そこには全身に白い甲冑を纏った騎士が立っている。

そして、表側の木の幹には、深く斧の刃先が食い込んでいた。

私達…襲われたのか(๑°ㅁ°๑)!!;


「こうじゃったかな…ふふ、26代のトゥール王は偉大な人物であった―。」

見たこともない仕草でポーズを取る老人に、沈黙の後、騎士も同じポーズを取る。

そのまま、すぅっと騎士は姿を消した。


「…やはり次の階で一度休息を取ってから進んだ方が良さそうじゃな。」

ハーヴィー先生が、ぽつりとそう言った。


歩きながら聞いた話では、今の騎士はシャドーという魔物の一種だそうで、

亡国の史書に宿った騎士の無念を媒介に、館内の魔力が固まったものだという。

もし私にアステリアを滅ぼした国の血が流れていたら、もっと大勢に襲われていたかもらしい。


リブラ・リンデの危険さを改めて思い知らされて、ぞっとした。




その11 終

ひとこと事項


リブラ・リンデの配置

◎一般地下書庫-------------------

・B01~B09:希少価値の高い魔術書

・B10~B19:希少価値の高い歴史書

・B20~B29:偽書と疑われているもののうち、写本

・B30~B39:現存する王国に関する歴史・政治書類

・B40~B49:滅亡した王国に関する歴史・政治書類

◎禁書架---------------------------

・B50~B59:生命を扱った外道的な魔術体系が記された本

・B60~B69:外界の科学という述理体系が記された本

・B70~B79:偽書と疑われているもののうち、原本

・B80~B89:真偽の程が確かめがたい魔術体系が記された本

・B90~B99:禁呪と認定された危険な魔術体系が記載された本

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