けもののうた
獣は吠える 俺を見ろと
獣は壊す 気に入らぬと
獣は造る 自分だけの城を
獣は進む 踏み潰しながら
だがある日ふと獣は気付く
周りに誰もいないことを
そうなってから初めて
獣は僅かに狼狽える
獣は叫んだ
俺は間違っていない
俺は正しい
俺が一番だ
だがその声は誰にも届かない
それもそのはずだ
獣は一人なのだから
それでも獣は獣であることをやめない
まるでそれだけが存在意義であるとでもいうように
そして長い夜が明ける頃
獣は一人 そっとうずくまる
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