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私たちは姉妹⑤


 ワン姉様とニィ姉様は最近、距離が縮まったような気がする。べったりと言うよりもニィ姉様が「監視」しており、それを私たちは快く思う。お陰で私への過剰とも言えた心配は無くなった。


 だが、今度はシィが悩んでいた。一人でいつもいつも何処かへ消えるのだ。「一人にして」と言い残して。だからこそ私たちは……気になり、つけてしまい。怒られてしまった。


 それはもう、泣きながら怒った。そして、部屋に閉じ籠ったシィに対して、緊急会議である。


「議題、何故泣いたかに関してですが、私は心当たりが……ないです。ついていったのが原因ではないでしょう」


 私は私の意見を言う。それに姉様は二人で悩む。


「年頃の女の子だしなぁ……」


「ワン姉様、私たちも年頃ですが?」


「いや、一応。シィより年上だし」


 そう、シィは一回り幼い。幼いが、お義母様の教育でしっかりと文字も読めるし物事はしっかりと言う子になった。来た時は何も喋る事さえ困難だった。感情さえ、うまく発しない。死んでいる目と言うのはああいう目なのだろう。


 そして、私たちは悩む。悩んだ結果……私たちは決定を下し、行動に移した。


「お義母様」「お母さん」「ママ」


「なんですか?」


 母親の仕事場へ向かったのだ。母親は席に座り、夢をみていた。それを中断させてしまい。私たちは謝ると同時に話を聞いて貰った。話を聞き終えたお義母様は答える。


「特訓してますね」


「特訓ですか?」


「はい、秘密の特訓です」


 私はたちは顔を見合わせる。


「一人で訓練は効率が悪いのでは?」


「サン、一人で基礎訓練なら変わらないわ」


「ええ、俺っちを誘ってくれればいいのに」


「3人とも……あの子は焦ってる。だけど、頑張ってるの。あなたたちは『最初から基礎基本の戦い方』をしっている。でもあの子は『何も知らなかった』のよ」


 お義母様の言葉に私は納得した。しかし、わからない事がある。何故、一人なのか。


「なんで一人でなのですか?」


「知られたくないから。『甘えさせてもらえるから』離れるの。あなた方はシィに甘い。だけど、今は成長したい。だから、邪魔におもってるの」


「わかった!! ママ!! あれだよな!! 反抗期」


「ちょっと違うと思うよワン姉さん」


 お義母様は笑みを溢し、語る。


「皆、成長度は違う。それに『最初のスタートから出遅れてる』ことをプレッシャーに感じてると思うわ。だから、優しく優しく見守って、オーバーワークにならないように調整して、同じ戦場に立てるその日まで待ってあげなさい」


 私たちは頷き、そして……部屋を出た。納得した事もだがお義母様に話を聞いて貰えた事が何よりも嬉しく思う。お義母様の部屋から廊下へ歩いてると、シィが一人で魔導書を持って走っていた。向こうも気付き気まずい表情をする。


 私は廊下の向こうへ逃げそうなシィに叫ぶ。


「シィ!! 頑張ってね!! 私は待ってる!! ずっと待ってるから!! きっと強くなれる!! だから、頑張ってね!!」


 私の大声にワン姉様とニィ姉様が驚く。シィはそれに満面の笑みで親指を立てた。まるで話を盗み聞いていたような早さで事を理解していた。


「サン、安心できるかな?」


「ニィ姉様。もちろんです」


 私は彼女の成長はきっと身になると思う。なぜなら私は彼女の魔法で「見られている」と感じた。それは、姉様には黙っておく。姉様が気付くその日まで。






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