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エルフ族長とダークエルフ族長


 深夜、二人の族長は密会をする。密会と言いながらもお金を払えば映像の魔石も買え、多くの寄付金集めのための例として、首都にいる族長のみでの夜の晩酌風景である。


「今回、これで4回目か……」


「続くの危険だよな」


「……本当にな」


 神妙な顔つきの二人に一人のオーク族が声をかける。


「では、オーク族のウィスキー『モルト1000ポンド』で乾杯どうぞ」


「ロックシングル」


「ダークエルフ族長に同じ、まぁ量的にダブルが出るんだろうなぁ」


 大きい氷を綺麗にカットしたグラスに麦色の綺麗な水を注ぐ。グラスに氷が当たると綺麗な響きが空間に生まれる。それを出された二人の後にオーク族とは別のエルフ族の男性が喋り出す。


「今回は居酒屋『オークの酔いつぶれ』から来ていただきました店主のグリーン・オークさんです。『美味しい酒を樽で飲みまくりたい』と言う発想で多量生産多量消費で味に似合わない値段を実現したお酒を用意していただきました。オーク族のベストセラーなのですが……その値段に似合わない樽熟成の独特な風味はオーク族の力強さを感じさせます。燻製された品々と共にどうぞ」


 エルフ族がそのまま住所と営業時間を言い。下がっていく。そのままオークの店主は吊るしベーコンをそのままにフライパンで焼き、岩塩だけをつけて用意する。エルフ族長とダークエルフ族長はそれをいただきながら会話をする。


「豪快なおつまみとお酒だな」


「グラスでけぇ……」


「そりゃ、オーク相手に商売してるからな。まぁ今はあんたら小型人種系の場所も用意した。エルフ族長さんよ」


「ははは、あんま宣伝するなよ。リピーターが行きにくくなる」


「それは困るな、はははは」


 エルフ族長がベーコンをかぶり付き、ウィスキーで流す。味を楽しむと言うより捕食のような荒々しい喰いかたが合う。晩酌と言うよりも夜食に近い。


「にしても、経費で飲めるタダ酒にしては今日は控えめだな」


 ダークエルフ族長もそう言いつつしっかりとベーコンを噛みきる。


「控えめでも、『うまいおつまみ、酒』を出す店紹介だからな。間違ってないし……タダで飲めるのは良いことだ」


「提供はこの店の店主です。ありがとうな~」


「おうよ、じゃぁ喋りながら合間合間におつまみ出すからな」


 店主はその場から離れて隠れた場所の調理場へいく。そう、この場は居酒屋の広報であり。選ばれるにはなかなか大変な状況なのだ。


「で……今日は? エルフの義兄さん」


「今日もな……質問に応えていくんだ」


「は~なんでもか」


「透明性が必要だから。まぁ~資料公開日は数十年後だが……当たりさわりないこと駄弁ろうな」


「まぁ、ダメな物は音が切れるから大丈夫だろう」


 二人はそうそうとお酒をおかわりをしてハガキを持って現れた悪魔の女性からそれを受けとる。エルフ族長はその子をまじまじと見て質問する。


「君、名前は?」


「申し訳ないですが、今日はお教えできません」


「そうかぁ」


 そそくさと逃げるように離れ、エルフ族長がハガキを読む。


「『なんで女王陛下は四天王を選らばないのですか?

 またなんで四天王が居たんでしょうか?』だそうだ」


「………」


「いや、バルバトス。何か答えろよ」


「元、四天王の義兄さんのが詳しくないか?」


「まぁ、そうだな。正直な所……四天王制度は前魔王、前々魔王の制度で……『族長ではなく、個人的な私兵』としての側面が強い。魔王は元々が『簒奪』が多く。それは『兵力を預けた大将が反転』なども多かった。だから、『少数精鋭で圧制政治』になったんだ」


「まぁ、衛兵の目の上のたん瘤だったな……じゃぁ、女王陛下は四天王を倒し、弱体化させ、乗っ取りを行った『簒奪』になるんか?」


「そこ、驚くな。前回魔王が『簒奪者』であり、女王陛下は前々の魔王の血筋だから『後継者、復讐者』としてそんなに条件は悪くなかったんだ」


「そういえばそうだな。二代前の魔王のご子息か」


「流れから見ると『側近と四天王はグルで父親殺したのを復讐』した感じにも見える。なお、真実は『女王陛下は父親と母親に情も糞もない』と言うだろう。なので答えは『四天王は必要ない』が正解だ。圧制のせいでイメージも悪いしな。ただ、野球では違う。『四天王賞』があるから……皆の衆、期待してな」


「ああ、『九大族長賞』もあるな」


「そうだな。うちのエルフホワイトスワローズのチームからは四天王賞でるだろうなぁ……打者、投手、守備で3人。最後の一人は走攻守の選手で選出だから。ウィンディーネ嬢が該当しそうだ」


「俺のエルフダークドラゴンズは……たぶん、スタメンの女王蜂クイーンが守備で受賞かな」


「まぁ、まだわからないしな」


ピィイイイイイ


 二人の会話が笛によって遮られる。脱線した話をすると笛で止められるようになっているのだ。


「次の質問者です」


 今度はダークエルフの女の子が顔を出して手紙を渡した。それをダークエルフ族長が読む。


「『最近、勉強勉強とよく言われます。なぜ勉強が必要なんですか?』っと言う。子供からの話だな……」


「これ、子供じゃないぞ……たぶん」


「ああ、そうか。子供じゃないのか」


「子供なら、今はそういうの教えて貰えるからな……」


「確かに。じゃぁ、聞くけどなんで必要なんだ?」


「メリットが多い。そうだなぁ聖書が読める。『魔王冒険譚』が読めるぞ。昔は紙が高価だったが今では大量に生産出来るようになり、高価だった本が10分の1にまで安くなった。安くなった本のお求めはギルド、本屋で発売中。さぁ、聖書を皆で読もう」


「待った!! あれは偽書だ。エルフ族長グレデンデ著者の本の嘘。そして、全て本当に何があったかを正しく書かれた真の悪書。魔王となる女王陛下を正しい視点で嘘と本当を書いた本、『ネフィアのつるぎ』。真っ直ぐな直剣のように真っ直ぐ真実を書かれた本を読もう」


「本当にそれでいいんですか? 族長」


「勉強する具体的な案でいいじゃないか」


「では、族長。女王陛下からです」


 二人が本を出して広報する中で、ハガキが机の中からニョッキっと出る。二人は同時にそのままそれを掴み。破れる。そのままくっ付けて読み始めた。


「ええと、『夢魔四天王』と言われる最初の4人について知りたいと……」


「義兄さんの義娘、ワン、ニィ、サン、シィの4人の事だな。ワン、ニィは精鋭部隊長。サンは黒衛兵で有名人。シィはこの前……黒衛兵に編入された子だな」


「娘の二人が……お前の元に……」


「活躍してる。なるほどな……女王陛下に報告してないのか?」


「元々は『秘密』だったからな。これは『秘匿』するが……女王陛下には後日、4人を向かわせよう」


「そうだな。女王陛下は知るべきだ。暗部に近いな」


「ああ」


 二人はそう答え、次の質問へと話を変えた。そして、後日。『実験結果』としての報告に4人が王宮のある天楽街へと足を運ぶのだった。



 



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