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本の大図書館


 決闘石が話題になる中。王宮の部屋で私にお声がかかり、背筋が冷える。トキヤがある書類を持って現れたのだ。


「ネフィア……ラインゼロが族長で承認された」


「な、なに!? 死にたくないよ!! この子をまた失いたくない!! 私に頼らないとダメな基準? そんなのアホなのやめよう!!」


「わかってる。……入って良いぞ」


 トキヤが促して現れたのは一人の女性。四肢は黒い義手で武装された綺麗な金髪の大人しい私に似た顔の衛兵制服を着た女性が現れる。私は彼女の瞳から私の顔が見え、そして驚いた表情の私はこんどは眉を寄せる。


「黒衛兵の報告ですか?」


「………はい。3レベルの現象だったのですか。一瞬に上がり、緊急性の事件へと発展しました」


「複数の上位衛兵レベルで解決できなかったわけですね。何があったんです?」


「順を追って説明します」


 私は頷き話を折らないように口を固く閉じた。


「最初は夢魔が倒れている所で見つかった書の確認でした。我々は夢魔の力で過去に潜れる力を行使して書を調べることになりました。そして、その部隊にエルフ族長の聖歌隊。魔法使いの精鋭部隊が選ばれ書に潜った結果。誰一人も意識が回復してません。そして、それは日に日に犠牲者を出すようになりました。夢魔でない方々が夢から覚めない状況になっています」


 話が終わった雰囲気がし、私は口を開く。


「え、え、え? それ、けっこう……大問題では?」


「はい、書を冒険した事のある女王陛下に話が上がったのです。『本の世界』に囚われている人の救出。エルフ族長含めた方々の手では無理な世界の話なのです。しかし、日に日に犠牲者は増える。故にお願いします女王陛下……妹を救ってください」


 私はその「妹」と言う言葉で察する。


「サンライト。妹とは……シィ魔法大隊長どのですか?」


 エルフ族長の夢魔の義理娘の最初の4人の一人である。実験的な夢魔の成長を促した結果。想像を越えた4人の一人である。サンライトはその一人であり。そして……それは最初の姉妹だった故に絆は深い。


「はい」


「わかった。その子を越える……夢見出来る子は数える子しかいないのね」


「はい」


「そこまで、大変なことに……」


「女王陛下。こちらをどうぞ」


 サンライトが黒い鞄を持ってくる。いつもは義手、武器などをいれている鞄を開けた。中には革の背表紙に無題な本が保管されており、物々しい雰囲気を醸し出す。敵意を感じる本に私は首をかしげた。


「敵意がある」


「敵意ですか?」


「敵意の次は驚いてる」


「驚いてる?」


「ネフィア……何が見えてるんだ?」


「トキヤ……魂見えない?」


「魂? ああ、本に封じられているかもしれないのか」


 トキヤが近づき本を見つめる。すると腕を組んで首を傾げた。


「混ざってない。一個だけだ」


「………本の著者かな?」


「わからない。わからない事がわかったなネフィア」


 私は本に「意識」があるのを勘で感じ、そのまま覚悟を決める。


「サンライト……行くんでしょ? 一緒に潜りましょう」


「はい、女王陛下……よろしくお願いします」


「ネフィア、気を付けてな」


 私は本を取り、勢いよく本を開き。その中身を見るよりも前の一瞬で夢に落ちた。深い深い夢の海に落ちてついた所はあまりにも高い高い本棚の壁が砦のようになっている世界。その世界で隣に義手の子が声を漏らす。


「ライブラリー」


「図書館と言う名前の本なのね」


 本の中には本の世界があった。そして、私はその本の世界に敵意を向けられ続け、大きいため息を吐く。


「禁書指定確定ですね」


「はい」


 こんな本の量を一生をかけて読める訳がない。そして、きっと。そこに捕まった理由がありそうだ。


「女王陛下……本の世界はこんなにも無機質なんですね」


「いいえ。こんな場所ばっかじゃない。綺麗な桜が満開な綺麗な世界もある」


 何が出るか。私はまだわからない。


 


 



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