女王陛下汚職疑惑
私は椅子に座りながら。家宅操作をされている。罪状は「汚職」と言うと事になっており。そして、関係各所では……私の妊娠中の体を労る方が大事で喧嘩していた。
確かに私は少し。調子は良くなかったが、一人でいるより誰かが来てくれた方が良かったので私は喜んで自宅に招いた。
汚職とは、衛兵職務、ギルド職員、軍関係者にある者が自らの地位や職権、裁量権を利用して横領や不作為、収賄や天下りをしたり、またその見返りに特定の事業者等に対し優遇措置をとることなどの不法行為をいう。
私の場合は「天楽街」の事を調べられていた。実際、女王陛下の地位を使い。優遇措置を行ったと思われての事である。なお、書類等々をしっかり吟味して血印なども調べる。表向き、事なきを得る方法として色々悪さをしている。
夢魔の裁判員数人が資料をみて判断する。複数の多種多様な種族がまとめる。
「書類完備、偽装跡もない。正式に認可した書類ですね。また、彼らに優遇措置と言う事はなく。場所の貸し借り。賃金も不当、優遇しているような、他の方々に対して不平等な金額ではない……」
「ただ、収益をあげてるので寄付金はいりますね」
「天楽街に寄付金徴収と女王陛下に寄付金徴収でいいですね」
「じゃぁ……ギルドに報告しますね。寄付金、お布施徴収の件」
色々と話し込み、私にお布施未納の通知を残す。お布施、寄付金といっているが「税金」である。言い方が嫌われるため、そう言う呼び方をする。私は胸を撫で下ろし、彼らに問う。
「どうして汚職疑惑が?」
「エルフ族長等々の告げ口です。要は出し抜かれた腹いせに通報されたわけですね。まぁ、思った以上に普通な状況で汚職とはほど遠いです。妊娠中に申し訳ないんですが……」
「それこそ、エルフ族長の汚職では?」
「うーん、汚職の基準もあやふやなんですよね。だから裁判。私たちがいるんです。ご安心ください。なお、ギルドからお布施請求が来ますのでよろしくお願いします」
「はーい」
私はそう言いながら。手を振って彼らを見送る。汚職と言うのは何処まで指すのか難しいと考えた。故に、間違った判決がないことを願うばかりである。
「ネフィア……大丈夫だったか?」
私は耳にトキヤの声が響く。お仕事中の彼から不安だったのか連絡が来た。
「問題なかった」
「そうか。最近、賄賂の汚職が酷くてな。グレーゾーンな部分を何処まで踏み込むか……難しい話になってるんだ。お金を貰って優遇する。賄賂は一発でアウトだけど。それ以外は難しい判断になる。俺も気が気でないが……いままで『無視』されてた事がダメになってる」
「それで色々と言ってるんですねぇ」
「裁判の強権に異義を申し立てる事もしてる。まぁ半々で裁判所側も悪いと認めて謝罪もあるし……酷いレベルでバランスは取れてるな。体は大丈夫か?」
「大丈夫。つまりもない。元気」
「わかった。最近、怪盗なんてのもいるし……世間は騒がしいよ」
「トキヤはどこ?」
「今は……スパルタ国内」
「なんで?」
「諜報活動だ。まぁ……色々とな。スパルタ国内の『反政府側』と話し合いだ」
「………」
「危ないと思うが。ネフィア……これが国家だ」
「わかってる」
私は大きい大きいため息と共に、そんな生き方しか出来ない彼に惚れたのだから諦める。
「トキヤ。一言」
「なんだ」
「殺しはほどほどに」
「お前、荒事になると思ってるんだなぁ……」
トキヤの苦笑いが思い浮かぶ。戦場慣れると日常が物足りなくなるのだろう。
「まぁ、そんな日常。来ませんけどね」
「女王陛下、緊急な案件です。海の向こうに大陸があるとの情報です」
部屋にノックと共に入ってくるのは天使族の娘。私は彼女から紙を受けとる。
「族長の支持に任せます。判を押しましょう」
私の部屋に衛兵が一人で来る。私は彼が持つ紙にサインをする。「全権の支持を委託する旨」の書面である。
「ペンは剣より強し」
「ありがとうございます」
私は波乱の時代を感じ続ける。平穏はきっと訪れない。
「エルフ族長から、言伝です。『しっかり寄付金払える地盤できましたでしょ』との事です」
「エルフ族長……やったわね。元々、法が及びにくい場所に入れたわけね……それと……族長領内での寄付金未払いは不公平だからね」
「そうですね。では、失礼します」
部屋を出る彼女を見ながら、私は窓の外を見る。最近、窓の外に小型な船が見えるようになった。
「そろそろ、トキヤも船を持つのかな?」
私はそう思いながら、荷物を運ぶ船が通りすがるのを眺め続けるのだった。




