表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
エンシェントマキナ・モダンメカニカルフロンティッドライン『古代の機械に現代の機械と未来の最前線』
654/732

ブレイズライン⑳⑱~氷解の宮~


 事件は終息した後に残るのは。生き残った物たちによる後始末である。同盟は目標を達して解散。無事に「企業同士の抗争が激化」する。何故なら公開されたサイトが膨大な土地であり、そこを占拠するために戦い出したのだ。「バルムンク」さえ、陣取り合戦を初めており。十分箱庭で満足する人類に溜め息も出ない。なので一応「バルムンク」には同盟調書ぐらい調印するため、エルフ族長土地に向かってくれている。


 昔ほど酷く魔法が使えないと言うことはなく。英魔族も逐次増えて、英魔国の北方の進出が決まり。沈黙の不可侵だった。静かなる線引きは雪解けのように消えて「英魔族長による。陣取り合戦」が始まった。


 未開拓の土地に眠る「過去の遺物」を求める冒険者たち。法も届かない未開拓の場所はきっと新たな熱を帯びるだろう。


 ダークエルフ族長含め、少し魔法が使えるようになったのを良いことに私は会議を開く。私の夢に入れ、多くの方々をお呼びしての会議である。姿に関しては純白なドレスに有翼を持ち、ショートソードを帯剣する。各々の服装はバラバラであり。そして、私の夢を見た初めての方々は驚きを示す。


 椅子を用意し、自己紹介はさせた後に私は名乗りを上げて「バルムンク」の姫共々と面会する。もちろん、これからの事を話すために。


「氷が溶けました。では満場一致で『バルムンク』を私が国として認め、国交を開く手続きを行います。『蒸気街』含め、北側を英魔国内とし。『蒸気街』に新たな管理者として『サクラ監督官』を任命します。10人目の新たな領主として『北側の所有権』を持つ事になります。これで族長同士が領土争いはできなくなりましたね」


 釘を刺す議決に皆が納得を無理やりしてくれる。そして……新たに加わったサクラ族長は挨拶後に宣言する。


「領土開拓事業相談窓口を用意します。『借用地』として解放するので申請後……そうですね。『開拓者優先権』を発行します。これで、競争はありますが。不公平な奪い合いは出来なくなりました。『裁判所』は英魔国内最高裁判所遵守します」


 事務的な話をいくつもし、具体的な開拓案などを出してサクラの仕事ぶりに驚かされる面々。私はそんな無表情の彼女に「張り切ってる」事が伺えた。


「蒸気街を拠点化するための大工事も含め、首都への直通便を用意します。列車の制作にかかりますので支援お願いします」


 色々な情報が彼女から提示される。族長たちは必死なって聞くが……頭を悩ます。難しい話ばかりなのだ。なので私は手を叩き。「お開きにします。各自、忙しいでしょうが調整よろしくお願いします」と言い。解散の流れとなった。


 そして、その日の昼。エルフ族長が蒸気街に顔を出した。もちろん、紙を持ち。筆を持ってである。魔法による濃縮された紙は鉄のように固く、燃えない。筆のインクは特殊な調合による劣化しないインクであり、それは「悪魔の契約書」に用いられる。私はそれを預かり、条項を記入。サインをし、そのまま複数のサインを行わせる。


 サクラ曰く「古くさいやり方だけど、何よりも証拠として強い。偽装出来ないもの」と納得し、バルムンクの姫は素直にサインして、急いで国へ帰った。なんとか数日で決めた事なので齟齬などが多いだろうがそこは調整してくれると期待する。その先の仕事は……彼らの仕事である。エルフ族長は満足した表情で立つ。


「女王陛下、大変お疲れ様でした。何かあると思ってましたが……とんだ大冒険でしたでしょう」


「そうですね。金輪際、お断りしようと思います」


「それがいいかと思います。トキヤ殿もそれでいいですね?」


「ああ」


 トキヤが私の背後から現れる。隠れていたようで、魔法を解き姿を見せる。


「お忍びで複数の顔を見に行ったが、まぁ……そう悪いことはしていない。いまの所はな……」


「冒険者も顔を出してくるでしょう。トキヤ殿……これからですよ治安悪化は」


「一応注意はしておこう。で、無事任務達成の報酬はあるんだろ?」


「ええ、もちろん。既にトキヤ殿の口座には入ってます。いやぁ……女王陛下。素晴らしい成果です」


「………一人亡くなってるわ」


「ご家族に逢えただけ奇跡です。無事、葬式も終わり……道を切り開いた英雄として名を残すでしょう」


「ドライですね」


「元々、全滅を覚悟してましたから」


 そう、私もそれは考えていた。結果を求めすぎと思う。


「それで……女王陛下。『彼』との話はどうしましょうか?」


 彼とは「リューク・ハーピー」の事だろう。私は首を振り「急がず、情報をまとめて落ち着いてから話しましょう」と先延ばしした。話すのは確実だが。もう少し、ゆっくりしたい。


「働きつめだったからゆっくりしたいわ」


「そうだな、傭兵は引退だな」


「お二方。それはいい提案です。無事に『姫』さま誕生まで気をつけてお過ごしください」


「姫の誕生ねぇ……私はまで姫で通るのね?」


「ネフィアは女王だ。姫と言うのはな……高い身分の女子や貴人の娘。また、婦人に対する美称とするから。合ってるわ。美称としてならな」


「なるほどねぇ。私はバルムンクの姫のように美称で呼ばれるのかな?」


「女王陛下、王配殿。『姫』ですよ? いや、『王子』かもしれませんね」


「「………」」


 私は話がかみあわない事に違和感を感じ、トキヤも同じような違和感を持っていた。そして、それは次第に鮮明になり、慌てたトキヤが私のお腹に触れる。


「ネフィア!! 居る!! 微かに魂が!!」


「え、えええええええええええええええええええええ」


 驚く私たちにエルフ族長は笑みを溢して祝福する。


「後継者の誕生ですね。発表は控えます。ゆっくりと浸透させます。暗殺の危険がありますので」


 私はお腹を擦り、そのままその場に崩れるのだった。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ