フロントライン⑳③~メトロの亡霊~
私は緊張したまま。手動発電機を回して電気を充電させる。充電中は落ち着けるので非常にいい気分変えになる。燃えて死んだ兵士の体から奪った携帯食糧を食べながら歩を進め、地下鉄の駅にある村に到着する。サイト⑦に入ったばっかりで村は何処にも属さない村である。ウォーカーの隠れ家としての駅で、私はそこで商人に
荷物を渡した。
「おお、これは医療物資か。ありがたい……ありがとう。お代の弾丸だ」
「お代いらないです。あと、亡霊に殺された兵士から奪った弾薬と食糧です。置いておきます」
「おお、ありがとう。で、何か他に欲しいんだろ? なんだい?」
「サイト①へいきたい。②③のどちらかでいい道を知らない?」
「ああ、サイト③は封鎖されて管理されてる。サイト②は魔物や……サイト①の亡霊がわんさかいる魔窟だが……そっちしかいけないな。マップをやろう……なぁに2年前のだ役にたつ」
「どうも、古くていい事は男だけよ」
「はははは、別嬪さん。わかってるね。そうだ、これを持っていけ。閃光手榴弾だ。もしも、亡霊に出会ったらこれで逃げれる。光に非常に弱い」
「わかったありがとう」
私は駅の中にある駅員室から出てホームを眺める。多くの毛布や簡素なベットが並び、暖を取れるように簡素な焚き火をする人々が生気のない表情で生活していた。食糧は偏って病気になって死んでいくだけのさみしい場所である。商人はまだ、元気な方だが……こんな所では不健康になるだろう。
「……はぁ」
救わない。人類。戦いに明け暮れる人類。滅んで当然と私は考えていく。親友マナを今では良くやったと褒めてあげたい。そんなにもひどい有り様だった。
「お嬢ちゃん。まだ出発しねぇのか?」
「ええ、ちょっと休んで行こうかなと」
「なら、手伝ってくれないか? 緑のもん集めに」
「緑のもん?」
「ああ。肉ばかりでは人は生きられない」
「野菜なんて……どこに?」
「光が差す場所に」
「……わかったついて行きましょう」
私は商人の男性についていく。ゆっくりとついていった先で私は小さな農場を見つけた。ただ食用と言われるような物はない。葉っぱみたいなのをつける苔ばかりである。
「えっと苔?」
「苔です。強く勝手に増える生命力の強さ。それを熱して柔らかくして乾燥させて粉にするまで砕き。何かと一緒に食べる。または粉に混ぜて水で固めた錠剤にします。そして、そこの奥にサイト①へ向かう道があります」
「……ああ。教えてくれるんですね。行き先を」
「はい。休むならその先に私の隠れ家がありますので、そこでどうぞ」
「ありがとう。優しいわね。すごく」
「優しいのはお互い様さ。いい取引だったよ」
私が持ってきた物は凄くありがたかったのだろう。私はお礼を言って苔農場を進んだ先の通路に入り、脇道の中にある。連絡通路用のマンホームから地表に出る。眩しいそこは部屋になっており、ソファーのベットに冷蔵庫と中々充実していた。
私にはそれが不思議な光景に思うほどメトロに馴染んでおり、大きくため息を吐いた。
「全く異世界に来たようなものね……ありがたく使わせて貰うわ」
私は商人の秘密基地のような場所で一泊を過ごし、お礼として弾薬を置きそのまま先へ急ぐのだった。
*
私は挿弾子が吐き出される音を聞きながら、新しい挿弾子を入れて装填して通路の先に居る敵と戦う。落ちた挿弾子を弾倉に入れて深呼吸をする。
「ああ、面倒な」
「イケイケ!! 弾幕がない!!」
「弾幕張れるほど弾も銃も違うの」
私は文句を垂れながら銃剣を銃に着けて待ち構え、私のいる場所に恐る恐る銃を向けた男の銃を銃剣で弾き、そのまま喉に突き刺した。
「畜生!! 撃て」
至近距離用のサブマシンガンが発泡されて私は痛み耐えながら銃を槍のようにして刺し。倒れた遺体の銃をパクり生存している敵兵に撃ち込んだ。もちろん当たらないが身を隠させる事は出来た。
「ああ、9mmいらない」
弾が合わないため、私は拾わずに銃を構える。顔を様子で出したのを撃ち、仕留め顔を出させないように気を配りながら銃剣を外して、それを持って隠れている敵兵を斬っていく。
気付けば数十人を殺り、そして……血によって集まってくる獣の気配に私は先を急ぐ。生き残りも多かったが、途中で獣が現れての混戦となり。そして私は……と言うと。
ボゥ
「ひゃい」
目の前で燃える男に見つかった。炎の形が人の顔であり、苦しそうな表情で悶えている。熟成された呪いのような呪縛霊に私はションベンをチビりそうになる。
「やっぱいやああああああああ」
ロックオンされたのを感じとり、銃を向けるが全く効かず。逃げることを選ぶ。私は聖職者なため「救い」を求められて悪霊が集まってきていた。青白い敵が多く。私は嫌になる。用意していた魔石を砕き剣に塗り、魔力を流して炎を生み出し切り払い浄化させる。
それを何回も行い、気付けば……周りに動くものはおらず私だけになり沈黙だけが支配した。灯りとなった炎は消えていき、私はあわててカンテラをつける。
そのまま、周りを見て落ちてる指輪を見つけ。それが婚約指輪なのだと気付き。そのままその場に捨てる。
「本当にここ、胸糞悪い」
私は文句を垂れながら進む。地下の淀みを一身に流れ込むメトロを。
*
サイト①の駅へついた。サイト①の駅は驚くぐらいに発達しており、治安維持部隊のような者もいた。防弾チョッキに身を包んだ彼らを見て安心する日が来るとは思わなかった。
「止まれ、手を上げて証明出来る物は!!」
「えっと、右ポケットに傭兵証明」
「わかった……ふむ。なんで高級傭兵がメトロに? それもサイト①にだ」
「私の隠しガレージがある。アーマードウェポンなくてどうやって稼ぐ?」
「……なるほどな。しかし、駅には入れないぞ。その階段から上がれ。わかったな」
「ありがとう。階段上がると何処に出るかマップが欲しい。あとこの鞄の物と交換だ」
「………おい。マップを彼女に」
私はくすんだマップを見せてもらう。過去のパンフレットだろう。きらびやかなデパートの広告が入っている。
「デパートはミュータントの巣だ。気をつけろ、名のある傭兵がガレージを持ってるのは知っている。しかし、ここはミュータントの縄張りだからな。それを探すのも大変だぞ」
「大丈夫……たぶん道はわかる」
私はパンフレットを見終わり、そのままサイト①の街に上がった。真っ暗なサイト①は静かで風ひとつない。だが、私の端末は反応した。
「数日ぶりね。カスミ」
「ごめんなさいサクラです」
「あら、母親はどうしたの?」
「母親はウィルスで風邪をひきました。私がオペレーターとして導きます」
「ありがとう」
端末にマップが映る。そして、ガレージへの道がひかれて私はその案内の元、向かった。
カスミと違い、サクラは丁寧でしっかりとした道を教えてくれる。機械の駆動音が響き近付き、目の前に作業用の機体が出迎えてくれる。特徴な黄色と黒のカラーリングにハロゲンランプを照らした小型の工事用ロボットのむき出しのコックピットに私は乗る。
「お迎えなんてありがとう」
「はい、そして。このまま迎撃します。気を付けてください。ミュータントが来ます」
「……なるほどね。ミュータントがいるから慌てて用意してくれたのね」
「はい」
出来る。いい子だと考えながらシートベルトをつけて取り付けられていた。ニードルポンプガンを構える。機体はサクラの自動制御だから私はポンプガンで迫りくる人の姿をした白い肌の生き物と対峙する。のっぺりした顔の人間である。ただ、人間の姿をした化物だが。
ガシャンガシャンと音を立てて、ガレージへ向かう。飛び付くミュータントに私はニードルガンを打って引き剥がし、機体についているビームカッターが青い血を滴らせる生き物を狩り続けた。そして、驚く事が起きる。
バシュン!!
私は勘で顔をよけた横に鉄の矢が刺さる。ミュータントが一斉に弓をつがえる。知恵を少し持ち道具を使う。その矢を機体は腕で私を護るが。
「うぐく!?」
腕と腕の隙間を射られ、私のお腹に刺さる。痛みに驚く以上に刺さった事に驚き。抜くとそのまま傷口はふさがり、矢に魔力の残滓が見てとれた。
「大丈夫!?」
「大丈夫。慣れっこよ……それより。これ魔法よ」
「ミュータントは不思議な力を持ってます」
「そうみたいね」
荒削りな原石のような魔法エンチャント矢に懐かしい気持ちになる。帰ってきた私の世界の理のような状況の中で大きい駆動音とブースター音が暗闇で聞こえる。そして、そのまま黄金のような黄色い重量機体が現れてミュータントをひき殺す。
「……やっと来ました。お迎えです」
「いい金額払ったのでしょう?」
「ネフィアさんのお金です」
「………」
私は目の前の傭兵。ゴルディーゴードンの機体を見ながら、ため息を吐くのだった。




