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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
エンシェントマキナ・モダンメカニカルフロンティッドライン『古代の機械に現代の機械と未来の最前線』
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フロントライン⑳②~鋼鉄製マンホール~


 最初は私の領民の探索から始まった。寒い世界の事だ。そして、その領民は拐われ。それを追って私は寒い世界から地下に逃げ込んだ古い世界へと堕ちた。そしてそこで私が『外から来た人類』とバレてしまい。今度はもっと深く。廃線の地下鉄に身を隠し、サイト①へ向かっている。


 通信さえない。地熱のみの暖房だが、それでも肌寒い暗い地下鉄で私は歩く。紙の路線地図を頼りに歩み、そして私はそこで行き交う行商人と会話しながらも進んだ。そして、サイト⑨は⑧⑨⑩⑪に囲まれており。①へ向かうには⑧→②→①か⑦→②→①もしくは⑦→③→①のルートしかない。そして、地下鉄だけで行こうとするとそのサイトのメトロ街へ行き、また地図をもらわないと無理だった。


 なので、私は行商の任務も受けている。旅にはついでと言うのがあり、食糧と水を手に入れるためだ。私は見習いの『歩む者』となって道を進む。


 廃線の単線に敷き詰められた砂利だけが音を出す世界で私は黙々と進み。そしてたまに錆びた配管に耳を当てる。配管からは動く音と激しい金属音が響いた。木を引き締めて私は行くと。地図で赤い範囲に入り息を潜めた。


 『トリグラフ』の領地に入った。『トリグラフ』は私が乗っていた格安機体の製造元企業。特徴は赤いマークで強い思想的な人が多いと聞く。そんなのがなぜメトロにも幅を効かせているかと言うと。それはメトロ出身者が興した企業だかららしい。終末をメトロで生き残った思想家たちの避難先でそして故郷なのだそうだ。メトロも重要な制圧場所としているらしい。


 そんな勢力と戦うには極力避けたかったが……情けない話で焚き火をしている所を見つけて、そこの奥のマンホールに用事があった。そこから下がり、連絡通路から移動する予定だったのだが。それを押さえているらしい。身ぐるみ剥ぐためだろう。そして……その思想家たちの最下兵だろう彼らは愚痴りながら話をする。


「上の奴らはぬくぬくしたベットで暖炉使って暖まって寝てるんだろうなぁ」


「仕方ねぇ。『カンパニー』がメトロ使って攻めて来るかもしれねぇからな」


「そうだ。上は皆がビビってる。過去の亡霊、過去に世界を滅ぼした元凶だってな。本当かね」


「本当だろう。私利私欲。資本にまみれた奴らがその力で世界に力をばらまいたそうじゃないか。で、世界は荒廃した。だから俺達は『地下』に世界を作って避難したんだ。住めない地表から」


「それさぁ……何千年前の話だろ? 俺達の祖先みたいに地下鉄に逃げて生きてるんじゃないか?」


「ニュータントにやられてると言ってたな。俺、色々調べたんだけど。やっぱ地表は汚染された冷たい大地で草木一本も生えてないらしい。そこで生きるには熱ボイラーを焚き続けないと無理だってさ。それも防護衣着てな。一応、地表には生きてる奴らが居るってさ。俺達が粛清した奴らがさ」


「それ、たまに確認に行ってるんだろ。死んだかどうか」


「ああ、しかし。傭兵を雇って反抗してるらしいぜ。いつか復讐されるんじゃないかびくびくしてるんだって。『カンパニー』もさ」


「そうなんか。おめぇ詳しいな」


「そりゃ、最近まで上級階層民だったからな。まぁ、今の方がいい暮らしだぜ。アーマードウェポンの傭兵や、アーマードマシンナリーを相手にしなくちゃいけない。それも生身で。命がいくつあっても足りないぜ。勝てない戦争をずっと続けてる。俺は部下に『死んでこい』なんてもう……言う気力は無かったな」


「そうか……でも、今は停戦なんだろ? なんかすごい事が起きてるって」


「そうそう、俺もそれは知ってる。だから反抗して堕ちた。『⑨のマークの傭兵』を捕まえろ。それも『カンパニー』より先にだ。無理、無理。『死神相手』だ」


「そのマークの傭兵はそんなに強いのか?」


「強いってもんじゃない。殺しに行った手練れの傭兵が数人がかりでやっと仕留めた。結果、次の日にはケロッとして戦場に現れる。死なないんだ。だから余計に不気味だった。倒しても倒しても沸いて出てくる。終わらないんだ。結果は停戦だ。活躍し過ぎたんだ奴は」


「それでも活躍する前から情報出てたんだろう? 何でだ?」


「ここからは妄想みたいな話だが、俺らが知らない世界があるらしい。その世界から俺らを見に来た奴らがいて潜入している。俺達が生きていけない外の世界にいるニュータントたちがどうやら俺らと姿形が変わらず。そして……ニュータントらしい。死なない理由は死なないほど頑丈だって話だ。地上人だよ」


「へぇ、地上人ねぇ。そんなの眉唾だろ。確かにニュータントは汚染に強いが人間みたいな奴は居ない」


「そう、だから。重要事項なんだろう。おれ、調べたらさぁ……実験されてる人間のデータや録画みたいんだよ。それでさ『⑨機体を見せる』と反応をしたんだ。驚いた表情と実験されまくってもう言葉もまともに喋れねぇ奴がさ『ジョウオウ』って口にした。それで大問題になったな」


 私は驚いた。ここで情報を手に出来るなんて。盗み聞きはいい。それも運がいい。


「実験体は『カンパニー』に売って、今はその『女王様を探してる』てわけだ。大変だったぜ、『女王直々に復讐に来た。我々は己の悪行を精算しなければ許されない』『地上から我々を倒しにきた』『地上の生き残った人類が我々を救いに』『新たなる王国の女王陛下を仲間に』等々。上でも下でも大騒ぎ。信仰深い信者が懺悔の日が近いなんて騒ぐから射殺されてるよ。宗教禁止なのにな」


「それで暴動多発ってわけか」


「『カンパニー』でも同様。実験体を取り戻そうとする勢力は地上人側だと見られてる。それと『バルムンク』がずっと動いている。『カンパニー』への大攻勢を仕掛けるつもりらしい」


「怖い怖い。メトロの方が平和じゃないか?」


「……そう。平和なんだけど。噂じゃぁ『女王』がメトロに潜伏してるって話だ」


「それでお前、『ここに展開しろ』て言われてたのか」


「主要な場所は全部封じてる。相手はニュータント。正規品の弾丸使っていいらしい」


「正規品だって言っても……粗悪品だがな」


「ちがいねぇ……ははは」


 焚き火の男たちの会話を聞き終わり。私は石を投げる。「なんだ?」と反応を示した男が銃を構えて近付くそれを私は素早い動作で背後に回り、首に剣を突き立てる。私に向かって銃を構える男たちに私は笑みを向けた。


「だ、だれだ!? お、おんな!?」


「『ウォーカー見習い』そこを進みたい。退いてくれない?」


「てめぇ、ここがどこの領地か知ってるのか!!」


「交渉なの。『全員死ぬか』or『上に何も来ませんでしたで全員生きるか』の2択。簡単でしょ?」


 私のただらなぬ雰囲気に彼らは銃を下ろす。一人の詳しい男が驚いた声を出す。フードを外して顔と髪を見せた。


「女王……」


「ここでそう呼ばれるとは思わなかったわ。ごめんなさい先を急いでる。真実は全く知らない所で世界が動くわ」


ガシャガシャガシャ


「驚いた。本当に人間のニュータントか。しかも、美形だ」


「ありがとう、信じてくれて」


 私は拘束を解放し、フードを被り直す。


「くぅ、本当にこいつがお尋ね者なのか?」


「ああ、お尋ね者だ。通信や映像は全て消されてるが。『噂の人物の姿』に合致してる。人は消してないから言伝でわかる」


「まぁ、もう。隠すのが無理なほど。顔もバレてるからあなたたちに教える。地表で生きてる我々がいる。それだけよ」


「す、救いは……」


「あると思う? 実験体にした仲間の世界を……そして残念だけど。あなた方は地表では汚染で生きられない。私はニュータントだから生きられる。それを信じるかどうかは任せるけど……メトロの生活も悪くないわ」


 私はマンホールの蓋を開けて眺められる中で降りる。マンホールに覗き込む姿はなくただただ。胸を撫で下ろす彼らだけがいた。


 運良く戦闘は避けられた事に今回はよかったが。次はそう上手くいかないと思う。何故なら末端兵士ではなくなるためだ。


 命令批判は末端。中央はリーダーが仕切ってるから交渉前に判断されて「撃ての命令が下る」だろう。


 次に会った人はもれなく倒さないといけないようになる。銃を握る手が少し強くなった。


「はぁ……どこ行っても戦い。争いは絶えない」


 だけどそれが成長になっている。個人でも全体でも。そして……目の前のニュータントでも。


「キィキィ!!」


 私は粗悪品のホームメイドの弾を挿弾子で銃に込める。そのままライトをテープで巻いた銃で照らしながら連絡通路の奥を狙い引き金を引く。ニュータントの赤い血が通路を彩る中で私は狙い続け進む。


 魔物の腹のような腸のような深淵をただひたすらに歩く。そして私は背筋を冷やす。


 撃ち込んだ筈の弾、血濡らしたと思った筈の連絡通路には全くそれらしい物がないのだ。目を擦り、良くみても何もいない。死体すらない。


「見間違い?」


 幻影のような夢のような状況に冷や汗が出る。そして、その現象は続いた。違和感は次第に恐怖となり、今度は燃えた人が進路上に立っており私は涙目になる。理解してしまった結果、私は慌てる。そう、私にはわかったのだ。


 淀んだ場所には霊が集まり、そして……人に認識してもらえば現世へ影響を出せる。それは何処でも関係ない。古くから伝わる。我々の遺伝が知っている。


「ゆ、幽霊じゃんかぁああああああああ」


 銃は効かない。魔法も使えない。そう、私は思い出す。手の出せない最悪な悪霊たちを。そして私は走り出した。追いかけられる火の男に逃げるように。


 駅を見つけて、職員用の部屋に逃げ込みロッカーに隠れる。燃える男は追うが、どうやら物理的な箱には手が出せないようでロッカーの私を見失ったようだった。視覚に頼っている幽霊に「生前の感覚」を持っている事が伺えれた。すると「ヒートマン!?」と言う男たちの叫び声に燃える男は向かい銃声と燃える断末魔の悲鳴が駅に木霊する。


 私はロッカーから出て頭を抱える。暗闇が続く地下鉄に私は足がすくんでくる。汚染によって幽霊が具現化している。


「私……気付いちゃった」


 メトロに来るのは生き物だけではない事を考える。私のいる世界でも問題になっていた幽霊、亡霊、呪縛霊が居ることを察して震えるのだった。














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