フロントライン⑳~逃亡~
サイト⑨からサイト①まで私たちは逃げる事にした。追撃など待ち伏せなどがあり、私は頭を抱える。
「いつから私が狙われる立場になったのよ」
「すいません。私があなたを表へ引きずりだしてしまいました。サイト①への道を母親へ送付します」
「もらった。ネフィア、ナビゲートします。ガレージに接敵予定時間30分。すぐに出発してください。サイト⑨は隔壁が下ろされております。旧道、使用されていないメトロトンネルを抜けて脱出しましょう」
私は端末から声をもらい。自分の用意して貰った隠しガレージで装備を整えた。機体は出さずに20式装甲車と言う中古のオフロードに積み、運転する。もちろん喜ぶべきことに無免許だ。だが、アーマードウェポンよりも遥かに運転は簡単だった。
ガレージの機体はなんとカスミが乗り込んで戦うらしい。赤い機体と普通のカラーリングの2機と予備パーツで組む機体がガレージに出て囮となる。自動制御でガレージは動作し、爆薬をロボットが用意して待ち構える。
「カスミ、大丈夫なの?」
「私を誰だと思いますか? 並列処理なんてお茶の子さいさいよ。お茶の子とはお茶にお出しするお菓子の事です」
どうでもいい情報を聞きながら余裕のある声に私は安心するが。
「あっ、強い。あああ、強い」
「負けてるの?」
「くぅ、私では相手にならないようです。何故?」
「お母さん。バージョンが古いこと、通信速度の関係でもっさりすること。感覚が鈍いこと。直感などがなく、生きてる方々の『なにか』に敵わないのが見れます。肉体もってダイレクトに操作した方がいいです。『なにか
』に勝つには『なにか』を手にする必要がございます。また、母上は旧式。父上のように戦闘特化ではないのです。父上は並列処理に遊びがございます。無駄が多く、しかし、緊急時に無駄が動くのでキャパを越えないのです」
「無駄じゃない? 平時で無駄が多いのはよろしくない。有事を普通とすると費用も高くなる」
「父上は有事に身を置きつづけてます。簡単な話をしましょう。芝とダートの違いです」
「適正が違うのね。いや、カラスは改造を己に施したのかしらね?」
「そうだと思います」
「ごめん、二人とも。話し込むのはデータのやり取りにして。今は私が逃げるの手伝って」
「片手間でやってるわ。レーダーに敵影なし……」
「母上、通信を切ってください」
「どうして?」
「逆探知されました。今から妨害電波を打ち込まれます。対ECM性能なんて乗ってないでしょう?」
「もちろん……」
私は大きくため息を吐き、向かう先だけを見つめて連絡が途絶える。勘を頼りにすると、機体のブースター音が聞こえ慌てて車を養林所に止めてリュックと銃を持って移動する。
車はエンジンをかけたままにして、徒歩で向かう。端末には地図がまだ表示されており。そのまま移動先を端末が計算して導いてくれる。高性能端末買っておいて良かった。
車から離れると車に銃撃が行われ爆発する。私はそれに「嘘でしょ」と呟いた。殺す気に攻撃だった。そのまま、待つ事数分。機体から数人の男たちか降りてくる。機体には乗員用にバックパックが装備されており、そこから展開されるのを見ると特殊な訓練をされた隊員だとわかる。
だからこそ、私は先に降りて距離を取っていた。それも相手の武器が届かない場所で構え、引き金をゆっくり引く。弾はシューティンググラスを割り、しっかりと脳髄にダメージを与えている。致命傷だろう彼に驚いた隊員たちは規則正しい植えられた木に隠れる。もちろん私はみられているので……機体が迫ってくる。そのまま機体だけが近づき、木をなぎ倒して視界を確保に動く。私はその機体に飛び乗った。
そのまま、取っ手に手をつけて緊急ハッチ解除を押し、ハッチを爆発させてそのまま中に入ると男が驚いた表情をする。短時間で何が起きたかを理解するにはこの世界の人には難しいだろう。私は45口径のデリンジャーを撃ち込み。殺し、そのまま端末操作で乗っ取りを計画する。汚れたコックピットの死体を退かし、機体の操作系統を見て高級機体なのがわかった。
「カスミ聞こえる?」
「ECM機能が生きてるので」
「乗っ取れる?」
「………鍵かかってないかも」
「まぁ、乗ってるからかけないわね」
「おい、応答しろ!?」
「ああ、通信残ってるね」
「もう切ったわ」
私はそのまま操縦する。この機体は両腕が最初から武器であり、マシンガンが装備されている。肩には兵員が乗れるコンテナがついていた。私はコンテナをパージし、身軽になったこの機体でブースターを吹かした。機体に乗って初めてわかるのは、他にも多くの機体が見えた。武器は同じではない。
「この機体、運悪い。これ兵員輸送用だ」
「そうですね。気をつけて、スナイパーキャノン装備機体が狙ってます」
身軽になった機体で左右に飛び、後方から撃たれている高速弾を避ける。機体構成はマシンガンを装備とスナイパーキャノンの装備の援護機体らしく。近付いてこない。
「このまま、逃げれそうね」
「ネフィア。敵影、加速」
「この機体にはないの?」
「あります。オーバーブースター発動」
私は強い重量を感じながら林を突き抜ける。後方に追いかける機体がいるが、エネルギーの関係と重量差で距離がどんどん離れる。機体にエラー音が鳴り響くが、リミッター解除を行い。炉が融解するまで使っていく。
「………切り抜けたかな?」
「前方に大型機。あれは………!?」
「な、なに!?」
「アーマードウェポンのプロトタイプです」
「旧式でしょ。何を驚くような事が……」
大きい機体らしいのがレーダーに見えるが、私は気にせず進む。
「アーマードウェポンの前、昔は大型化が基本だったのが小型化に軸を移すため作られた実験機です。強力な急加速の限界を目指してます」
「それって乗り手死なない?」
「………乗り手がいない場合は関係ないです」
「!?」
私は慌てて、右に避ける。右に避けた瞬間に目の前の機体から極太の粒子砲が飛んでくる。膨大なエネルギーの砲に大型の機体の全貌が映像によってわかる。
固定された粒子砲を扱う。大型なアーマードウェポンに私は背筋が冷える。
「抹消させる気ね」
「ネフィア、モテモテね」
「軽口はやめて。どうする?」
「………全弾よけて。蹴れ」
「言ってくれるわね!!」
無茶振りにわかった頷き、高速弾の先読みで避けて行く。そのまま、近づき。高速の機体で蹴りを入れて機体の足が砕け、敵の大型な機体にも大きい凹みを作った。そのまま、素早く脱出を行う。
蹴り飛ばした結果は両機体破損で終わり、広大な牧草地に一人で立つ。
「はぁ、足がなくなった」
「歩きで行きましょう」
「追手は?」
「ありますが、見つからずにゆっくり隠れながら行きましょう」
「………私、過労死するわよ」
「この世界に労働者護る物はないですよ」
「故郷が恋しいわ」
そう言いながら、人工の草原を歩く。空は真っ白にライトアップされており。時刻は夜なのに明るく、歪な地下を進み、私は閉鎖された地下鉄を見つけたのだった。




