フロントライン⑱~機械の子~
私のガレージから、コンテナ型の借り家に向かい。ネフィアさんが言う番号に繋げた。私は彼女が私に協力的になる理由が理解出来ず。困惑した、私は彼女の話を聞き納得するにはまだ年が若いのか経験不足だろう。
私のパソコン端末に私に似たアバターが現れる。その姿に既視感があり、頭が痛む。
「カスミ。全部話なさい」
「お願いします。私は『何なのか』を知りたいです」
「わかった……あなたは私と鴉の隠し子です。鴉には秘密で用意しました」
「鴉とは、あの名のある傭兵ですね。過去数十年の長い戦いで勝ち続けた有能な傭兵です」
「………そう。あなたはXXで鴉の遺伝子。彼の遺体から採取した冷凍保存した物で作ったの。そして脳などメモリを埋め込み彼の戦闘データもいれたわ。そう、彼のコピーでもある」
「鴉が父さんなんだね。カスミ」
「ええ、そして……私が母になります。私は優秀な遺伝子を作り用意して私の思う遺伝子操作であなたを作った」
私は口を結ぶ。こんな探していた答えがこんな近くにあるなんて思いもしなかった。
「お母さん……ですか?」
「お母さんです……すみません」
「お母さんはどこに?」
「……ショックを受けないであなたの父である鴉と私はAiであり。生身のある生き物ではないです。会いに来てもただの円柱の無機質な塊ですよ」
「なるほど、わかりました。しかし、それなら何故、私を生み出したのか理由がわかりません。私を捨てた理由も」
「『捨てた』と言うより。私は実験で用意した『つもり』だった。正直、今なら『生殖活動に憧れていた』という理由を示す事が出きるけど。当時は『私と言うAiが肉体を持ったら?』という疑問と『感情』と言う物の観測。鴉に対する……まぁお父さんへの気持ちに関した疑問。『私がもし肉体を得たらどうなるか?』と何かと理由をつけて作ったの。そして……私はあなたに関わるのを愚かと考えて自由にさせたのよ」
「育児放棄はカンパニーでは重罪です」
「肉体年齢が成人している。また、アンドロイドに人権に関してはまだ不明です」
「……」
「……」
「あのぉ~二人とも、言いたい事が出てこない所すみませんが。結局は親子何ですね?」
「親と子の繋がりがあるか定かではないですが、私の能力や感情からあなたが母親だと言うのは理解出来ました。しかし、納得したくないです。こんなあっさり見つかる事に」
「それはその隣の子の能力よ。ネフィアを中心に吸い寄せる何かがある。彼女は選ばれた存在です。観測から推測するに『特異点』と言う物と思われます」
「お母さん。データを」
「リンクします」
「「……」」
私は莫大なデータを貰う。そのままネフィアさんを知る。そして私は驚く事もある。
「ネフィアお母さん?」
「はいぃいいいいい!?」
「遺伝子の一部にネフィアさんの情報が入ってます」
「そう、それは炎翼の研究因子だったけど混ぜた事で実験体1021体の内。唯一の成功例となった。他の遺伝子と結びつき補填する能力がある」
「わ、私の子? 本当に?」
「ほんの少しです。それは赤の他人と言われるほど遠いぐらいに少しです」
複雑な気持ちだ。複雑ではあるが、少し思うところがあり彼女の頭を撫でた。
「勝手に撫でるけど、ごめんなさい。撫でさせて」
思い出す。思い出すのは私が失った我が子。彼女と重ねるべきではないが。
「はい、お好きにどうぞ」
「ありがとう」
私は静かに撫でる中で、大きいアラーム音が鳴り出してビックリする。サクラは大人しい落ち着いたまま念じてアラーム音を消しながら立ち上がる。
「来ました」
「誰ですか?」
「黒い鳥です」
私は察して立ち上がりガレージへ向かった。




