フロントライン⑯
私は「ナインボール」で出撃依頼をこなしていく。そして、だいたい私の前にはカンパニーの傭兵など多くの敵と戦い負けたり勝ったりしていた。
そんな中で信頼を得た私は声がかかる。
「ルーキー通信開いてるな。エイトボールだ」
「なんなの? 今、シャワーなの」
「よし、ガレージから機体を出してくれ、すぐに仕事向かえるように手配した」
「なによ?」
「ルーキーすまない。同僚が困ってる助けに行ってくれないか? 俺の変わりに」
「わかった。わかった」
「場所はデータを送った。以上」
急遽の依頼に私は服を着て、機体に乗りガレージに出ると目の前にロケットがあり、それを準備する人達が忙しくしていた。私はそのまま進むとロケットに機体の背面につけるので慌てて機体から降りて話を聞いた。
「あ、ナインボールさん。今、取り付け作業終わるんで発射準備お願いします」
「ま、まって。何これ?」
「使い捨ての移動ロケットになります。緊急なのでこれで向かうようになっていると思います」
私は「はぁ……」とため息をついてコックピットに戻る。そして、先輩が声をかける。
「初めてか? サイト⑨は広いから移動方法にロケットでの移動がある。『強化』された人間でも強いGがかかるから。ルーキーはどうかわからないけど頑張ってくれ」
「ちょっと!? 未強化ですけど!?」
「なに、ルーキーは強い。コックピット直撃しても生きてる運の良さがある。向かった場所はサイト⑨での敵基地だ。オープンの杜撰な情報網で攻撃がバレて向かい打たれたらしい。『ツーとスリー』が居るから、挨拶がてら向かってくれ」
「わ、わかった。何も聞かずに受けたのが悪かった」
「ルーキー来てくれて助かってるよ」
軽い口調で新人を戦場へ向かわせる気持ちを知りたいが、今は任務が先である。仲介者から依頼内容が届けられ私は「発射」された。赤い機体がそのまま全力で打ち出されて悲鳴のようなエラー音を響かせる。
いい仕事しているとは言い難く乗り心地は最悪だった。ぶれる機体に今日な圧力で圧迫される。肺の空気が全部押し出されるんじゃないかと思う勢いに思い出すのはデラスティの全力で飛んだときに乗せて貰ったあの日の事だった。
とにかく、速い。速さに慣れたときに地図を開くとカンパニーの基地に味方のアイコンが写し出される。カスミのオペレーター能力の高さを思い知りながら背中のロケットをボタン一つで外し、降下するなかでブースターを吹かして体勢を整える。そのまま滑るように両腕のマシンガンを構え敵をロックオンし、連射しながら移動する。
通信傍受すると敵の慌てふためいた声が聞こえた。特に傭兵らしきアーマードウェポンに乗っている声が聞こえ私はレーダーでその敵を見つけた。機体はタンクの脚部に重装備の機体で、マシンガンでのダメージが期待出来ず。武器を変える。17ポンド砲とブレードに持ち変えてタンクの弱点である移動の弱さを漬け込み。砲の牽制で上からブレードを突き刺す。
シールド同士の反発でシールドが消え、粒子ブレードはビームのようにコックピットごと貫く。そのまま、生きている別の傭兵を見つけて高機動を生かし接近する。カンパニーらしい重工な機体は逃げるには遅く。今度は重量二脚であり、重火気のガトリングが肩に背負っているので私は察する。
私が使っている機体に似ているのでそのまま狙いを決める。背面への周り込みを狙った。タンク型はその場で回転や局地旋回による固定砲台のような運用でなら旋回は全ての機体を越える。だが、2脚は最大仰角が決まっているため足による旋回とブースターによる強制旋回を狙わないといけない。
高機動による旋回と機動による撹乱。正面に捉え続けられない結果。Aiに照準を任せた方がいいがそれをするにはその頭部パーツはできないだろう。
そのまま私は17ポンド砲を至近距離から撃ち込み跳弾させずにコックピットに撃ち込む。巨大な弾は装甲を貫き誘爆させる。
そのまま、主力を倒したあと。自立兵機郡をマシンガンで丁寧に始末し基地の残戦力を削りきった時。通信が入る。同僚達だ。
「こちら、ツーとスリー。基地内部制圧これからリアクターを暴走させて数分後爆発させる。汚染が始まるが浄化機器がオープンにバルムンクから届いている」
「えっと、こちらナイン。外の部隊はあらかた排除し占領した。脱出支援する」
「敵影確認、傭兵のようです」
「新手のようね。逐次投入をするからここは重要なのね」
私は空っぽの武器を捨てて17ポンド砲とブレードを構える。17ポンド砲の弾が少ないため、肩に敵のガトリング砲を装備する。サブアームが機体に武器をくっ付ける。そして、私は驚いた。
「よぉ、ナイン。まぁまぁやってるな」
「トキヤ!?」
「おっと、俺を知っているな。誰だ?」
私の声は伝える時に変声させているためわからないのだろう。しかし、どう戦おうか悩んだ。トキヤの機体は最新鋭2脚機体で黒塗り。武器も両手にアサルトライフルと小型のブレード装備。肩に長砲身グレネード砲とレーザー砲が積まれた重装備。しかし、重量向き中型機体で機動力も高くチューンされている。
傭兵ランクも高く。ランキングに乗っているのだ。
「1機だけ貰っていくぞ」
「トキヤ!?」
「お前、いや。今は……」
気付いたトキヤ。そして私は猛攻を受ける。トキヤの機体は連射力が高いアサルトライフの弾幕にグレネード砲とレーザー砲も構えて4門による同時攻撃を狙い。小型のナイフのようなブレードも最初から装備し、ライフルを腰にセットして近距離戦もこなすオールラウンドの器用貧乏機だが。4門の攻撃は瞬間火力が高いため、ライフルでシールドを削られて的確にグレネードやレーザーキャノンにいぬかれる。
アーマードウェポンでありながら、企画外の運用で「鴉」の相方として戦場を転々としている。
「くぅ」
「動きが良くなったようだな」
そんな猛攻を私は避けていく。だが、アサルトライフルの射撃がシールドを削り、装甲を叩き地味にアーマー値を削っていく。17ポンド砲を打つがトキヤはしっかりとクイックし避けていく。マシンガンを打ちつくした私には中距離戦は向かない。そのまま私はジリ貧で近距離に近付こう物なら距離を取られていたぶられる。距離に入れるがアサルトライフルの弾が痛く。弾薬の良さに舌をまく。
近付いてもそのまま相手も近付いてそのまま私の下を抜ける瞬間、また距離を取るなど翻弄される。
「引き撃ち……」
「向かってくるだけなら分かりやすい。終わりだ」
「えっ」
トキヤも近距離になるが私はびっくりし、そして反応が遅れた。両肩の砲が私を撃ち抜く。グレネードの爆発に腕がもげコックピットは圧迫し、私を潰す。レーザーキャノンで脚部が壊れ機体は沈黙した。
ただ無線は生きていた。
「ナイン撃破、帰投する」
「……」
「じゃぁな」
そのままトキヤは消えたのだろう。私はコックピット内の爆薬を起動させて無理やり出た。そして……壊れてない無線機に声を出す。
「ツーとサン、お願いがある。私を連れ帰ってくれないか?」
「何があった? ナイン」
「『黒』にあった。負けて機体はお釈迦様だ」
「なるほど。ナインの姿を拝ませてもらおう」
「ええ、好きに見るといいわ」
私は基地から出てくる重量2脚と中級2脚機体に拾われて離れる。そして、基地が爆発し汚染の炎が大地を揺らした。
*
news:オープン傭兵「ナイン」撃破
Contents:サイト⑨で赤い悪魔と言われていた傭兵「ナイン」を撃破したとカンパニーから発表された。撃破した傭兵はフリーランスらしく、撃破した傭兵は不明です。
Message:「お疲れ様、災難だったが先輩方に恩が売れてよかったな」
Message:「まぁ安い機体構成だったから。また同じで出るよ。それにしてもあなたには一言ある」
Message:「おお怖い怖い、ルーキーどうする?」
Message:「なにが?」
Message:「カンパニーが大体的に発表してるんだ。御礼しに行かないか?」
Message:「どこに?」
Message:「カンパニーのサイトにだよ。オープンから依頼が来てる」
Message:「予約するわ」
Message:「おっけーわかった」
私は誘いを受ける。オープンに信用されようと思うために。




