フロントライン⑮~ホテル~
サイト⑩で私はトキヤと待ち合わせの部屋で顔を合わせる。大仕事を終えた私たちは下着だけを着て、グラスに注がれた純水を飲み、流した汗をシャワーで洗い流した。そのまま、机と椅子に座って笑みを溢す。時間にして2時間ぐらいの仕事だった。
「ネフィア、最近新しい勢力と親身になってるらしいな」
「そう、誰も受けたがらないし。オープン側には傭兵の新人を当てて不公平な事をしてたらしい。だから私が受けていたんだけど。慌てたお偉いさんが嵌めようとして、それをこの前撃退した。このまま行けばオープン側の傭兵になれるかもね」
「運がいいのか悪いのか。オープン側の傭兵になれるのか。お前、すごいな。その縁を寄せる運。オープンの依頼者襲撃事件もお前が助けたんだろ?」
「ええ、彼のお陰でガレージもいいのを用意するから今さっきのメールで『専属にならないか』て言われてる。オープンが多めになるけど、仲介者を噛ませるからたまに違う所いくかもね」
「オープンは金払い。いいのか……何処か支援してるのか?」
「バルムンクが出資してるらしい……カスミから聞いた?」
「ブラックボックスが魔法だったらしいな」
「そう、粒子技術の高さは逆に言えば汚染する毒素を研究が凄いから。もしかしたら……そういうのを見つけてるのかも」
ホテルの窓に寄り添い、下のビル群を見る。下は下で爆発があり、アーマードウェポンの姿が見えた。流れ弾が飛んで来るかもしれない。だからサイト⑩は今は安いのだろう。
「ネフィア、フリーランスで入ってくる仕事はオープン以外になりつつある。皇国のも受けたが……オープンを中心に多くの勢力が跋扈してる」
「ええ、そうね。どうするんでしょうね。あとボール名の傭兵と一緒に仕事した」
「うん。それで?」
「『強化』された人間だった。カスミに判断させたけど非常に高い戦闘能力とG耐性を持ってるからアーマードウェポンも瞬間的な移動が出来るから非常に強い高機動戦闘が出来るんだって。一般人だと、体が厳しくて気絶するらしいね。変わりにフロートタイプのすい~とする機体でゆっくりと加速するのが多いね」
「フラワーズと言う部隊か、あれは厄介だけどな」
「足を狙えばいい。それに……機動力を落とさないために重装備がないからね」
数を揃える事が出来るのが厄介だ。カンパニーとトリグラフの傭兵は腕の差が大きい理由は一般人を乗せているからだろう。逆に成果が上がっている。1対10で成果が出ているのだ。逆に腕が良いのしか乗せないのは皇国とバルムンク。人間の中の強い種が乗っている。
「ネフィア、ここからは敵同士になるかもなぁ。メールも控えるよ」
「うん、わかった。今日、もう一回しよ」
「おいおい、俺はもう歳だぞ」
「そう言って、薬あるでしょ」
私は彼を押し倒す。最近非常に体が疼くのだ。
*
私はサイト⑨の新しい私用に用意されたガレージに顔を出す。仲介者の紹介でオープンが用意してくれた。オープン相手以外の依頼なら受けてもいいと言う契約でだ。そして、ある話が来る。
Message:「君に提案が届いてる」
Message:「提案?」
Message:「手術を受ける気はないかと先方から話があった」
Message:「『強化』されるのですね。残念ながら『間に合ってます』」
Message:「確かに、先方にはそれとなく伝えるよ。必要がないと。電極を刺すなんて怖いですからね」
Message:「直接操縦ですね。確かにダイレクトに動けるかもしれまんが……今でも十分ですからね」
Message:「ええ、それにその技術はまだ発展途上です。しかし、ワンボールと言う借金傭兵はその手術後にワンボールと言う傭兵になりましたから、バカには出来ませんね。オープンに与する場合は『ナインボール』のロゴを用意してますので偽装にお使いください。ガレージには2機ございます。片方はカラーリングもお変えください」
Message:「ありがとう。ありがたく使わせて貰うわ」
私は端末を閉じて、ガレージの機体を見る。茶色い塗装の機体と赤をメイン配色にした機体であり、装備は違う。赤い機体と茶色の機体にはリアクターに直接マナの剣を差し込めるようにバルムンク製にしており、赤い機体は元々トリグラフの機体を使う。トリグラフは赤い機体が多く最初から赤い配色なのだ。
そして、トリグラフは軽量から中量機体が多く。装甲の薄さをバリアで補いつつ。量産している人命軽視の部品が多い。機動力は高いが乗り手を殺めやすい。そして、実弾武器が非常に作りが優秀でコピー品が多く安価なのだ。故障にも強い。しかし、射撃精度は悪い。
だから、武器はマシンガンを両肩に装備させ。右腕に粒子ブレード。左腕にバルムンク製の17ポンド砲を乗せる。長大な砲身がアンバランスに見え、ランスを持ってるような武器になる。総弾数は少ないが徹甲弾故に的確に当てれば一撃で仕留められるだろう。
機体の血色が違う理由は私の腕が上がった故に高機動戦闘を行えるようになったからだ。ブースターは皇国製品の「ABREUMA」と言う。一瞬の出力だけを求めた重量級向けのブースターを使っている。そして、なんと肩に数発だけ小型のミサイルを装備した。ミサイルはバリアに触れて爆発するとダメージとバリア量を減らすため有能だ。
まぁ、近付いて斬るや。徹甲弾で貫通させる武器セットだが。
プルルル
私は端末を開き、仲介者の声を聞く。仕事だろう。カスミが機体を稼働させる。仲介者へ私から一言。
「ナインボール出るわ」
企業傭兵として発仕事である。




