女王の瞳②
無事、英魔国内最大の行商公益都市へ到着した。行き交う多種多様の種族が物を買いに来る。売りに来る許可無しの自由商売が許される土地で地方族長の領土で商売許可を持ってる方々が買いに集まる。大きな大きな鉄の倉庫が連なり、英魔国内の台所と言われるほどに食材も集まる。人が集まるため料理人やそう、首都よりも活気が強くそして暑い気候な場となっている。
そして……帝国に近く。帝国の行商も来ると言う、ちょっと不思議な場所となっている。
そんな場所で私は目的地へ向かう。綺麗な舗装された土地土地と迷路のような好き勝手に開発した土地の地図を見ながら苦心の中で道を行く。中央道は下は歩道、上は馬車などの交易路として2階道として開発され、鉄板の屋根には都市インバスの魔力カンテラがつき、昼間なのに薄暗く。店々のカンテラの淡い灯りと伴って都市インバスの夜街みたいな幻想的に見える。
温度は高く、鉄板が熱されており……熱を溜め込んで夜中の冷える気候に備えている。灯りも熱から魔力に変化させて魔力から光にすると言う手順で輝かしている。
そんな気候等々に苦しみながら人混みに流れが出来ておりそれに乗りながら、目的地近くに来ると路地裏へと流れ……迷う迷路のような所でそして私は死体に出会う。そう、迷い中で事件に出くわす。
「これは!?」
私は一応、生きているかどうかを確認するために近付き触れるが冷たい。財布、身分を示すギルドカードなどを見て角などは折られずにいる所から……悪魔の角を狙ったり、強盗の犯行では無いことが伺える。しかし、私は私で……死体の違和感を感じる。
「目が………ない」
そう、綺麗に目がないのだ。傷も綺麗にされており……外科的摘出がされているのがわかる。ここまで情報を手に入れた私は立ち上がり、耳に当てて眼を閉じる。すると夢魔の世界へと繋がり……ここの都市の夢魔につながった。と言うより……私の妹に繋がった。夢魔には姉妹文化宗教が生まれている。長姉をネフィア女王陛下とし、分姉の階級社会のようにして意志疎通の迅速化が行われた。結果、どれだけ多くの妹を要するかが夢魔の力量とも言われだして喧嘩も始まっている。
しかし、喧嘩はするが……ルールはしっかりと決めており。夢の中だけの話なので迷惑はかかっていないと思う。
「お姉ちゃああああああああああああん!! ようこそ都市ねふぃいいいいいいああああああへぇえええ!!」
「はい、久しぶりね。ビックアーム……」
「おねえええちゃあああああん………戦おう?」
「ごめんなさい、それどころじゃないの」
「はい? 関係ないどこ? いくいく」
「……えっと。どこだろうここ」
「ははーん、おねえええちゃあああああん、まいごおおおおおお」
「……うん」
情けない。精鋭の黒衛兵、精鋭の夢魔の兵士である私が………迷子である。
「おもしろ、で……目をお借りしてるけど。あらあら……死んでる。ギルドカード見せて」
「わかりました。どうですか?」
私は妹の言うとおりに目に入れる。すると……妹は唸り笑う。
「ははは、あーあ、魔眼持ちの冒険者。目を盗まれて殺されてるねぇ。最近多いんだぁ~その場所はわかったからリザード軍が向かうよぉ」
「軍ですか?」
「そうだよぉ~この都市はリザード族長軍の管轄だよぉ。裏の管轄は昔ながらの影有る存在たちだよぉ」
「マフィア……ヤクザ……どっちですか?」
「両方、喧嘩して殺し合いして、そして軍に反抗も従順も示す……ぐちゃぐちゃだよ。でも、ネフィア姉さんはそれをグレーゾーンとして見過ごしてくれてるんだけどねぇ」
グレーゾーン。白黒とつけにくい。つけられない世界がそこにある。私は知っている事で汚職の衛兵も居ることがわかっていた。黒衛兵の一人で情報屋として活躍する危険人物で、黒い服装で武器を隠して持ち黒衛兵であることを隠している。だが、私達は彼を『絶対な信頼のおける仲間』であることは疑わない。
彼は絶対に女王陛下を裏切らない首輪を自分ではめて喜んでいる。だから、情報屋をやっている。
「……お姉さん? なにボーっと他人を思い出してるの? その人と繋ごうか? んんん?」
「あとで繋ぎます。えっと……魔眼ですか?」
「そう、魔眼。魔法使いは一瞬で唱える魔法はレベルの高い魔導師しか使えないと定義し。それを助けになる魔眼や元からやばい呪いのような魔眼とかを重要視してる。アーティファクトの一つかなぁ?」
この妹は支離滅裂な子だが、頭は物覚えが良い子である。まぁ、殺す相手の顔を覚えるために用意された頭のいい子だ。
「なるほどです。それを売るのですね」
「そうそう~魔眼って格好いいとか思う人多いし……私たちも女王陛下は実は魔眼持ちじゃないかとか噂立つし、それに魔眼は……戦いでも何にしても有能な道具にも自分の強さの誇示、自己承認にもなるからね。オッドアイなんて格好いいよねぇ」
「ファッションですか?」
「女王陛下のようにねぇへへへへ」
変な需要があるものだと思うが私のお義父さんを見ていると『女王陛下と同じ物』をするために目を変える事さえしそうな気持ちになる。まだ、思い付いてないだけかもしれない。
「ありがとう。私は無罪です」
「大丈夫大丈夫~軍団にもう報告してるからぁ~犯人捜し始めるよぉ~まぁ証拠になるような追憶は出来ないかも」
「……同じ夢魔でしょうか?」
「わかんない、わかんないから……ずっと魔眼持ちは殺される。でもわかってる。相手も魔眼持ちだって事をねぇ」
「……」
夢魔の追憶を振り切れる実力者の犯人。私は何故か……出会いそうなそんな気がするのだった。




