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玩具の拳銃


 夫婦生活にも喧嘩はある。そう……例えば。


「外へ遊びに出掛けたい!!」


「だめだ!!」


「なんでよ!!」


「迷惑かける!!」


「かけない!!」


「いいや!! 絶対問題起こす!!」


 そう、トキヤに外出する旨を伝えたが止められたのだ。空の檻では流石に飽きる。故に散歩しようとしたが……


「だめだ」


「……力づくで」


「しょうがない……」


「はいはい、お待ちください……お二人とも」


「「……?」」


 拳で喧嘩一歩手前、腕を組んだフワフワな髪の持ち主が笑みを溢して部屋に訪れていた。


「……トキヤ……侵入者」


「誰だ……お前は」


「えっ、ネフィア!? トキヤさん!?」


 狼狽えだす彼女に私は笑う。悪い笑みで。


「誰だったかしら?」


「誰だったかなぁ……」


「わ、忘れたの!? 女神よ!?」


「……ええっと。女神ならアンジュちゃんいるし」


「こんな女神いたっけ?」


「エメリアです!! エメリア!!」


「「ああ……そうそう。そんな名前」」


 実は名前を忘れていたのだ。


「エメリア姉さん。お久しぶり」


「うぅうう。お久しぶり……」


 泣き出しただらしなそうな人に私は毒気を抜かれ、喧嘩を棚に上げる。あとで棚から下ろそう。


「でっ……久しぶりだけどよろしくやってる?」


「やってます。やってます。ただ……あなたのせいで力が弱まり、また……力が変わって、強くなってる感じです」


「弱まり、強くなる?」


「神の根本原理は知ってるよね」


「信仰で強弱」


「それに事象……でねぇ……」


「うん」


「愛の女神剥奪された」


「「ぶはぁ」」


 私とトキヤが笑って机をたたく。これは失笑。


「笑い事じゃない!! ネフィア!! あんたに奪われたの!!」


「ははははは、変なの~」


「くぅ……まぁ……その。確かにあなたは愛に貪欲だから。皆が皆……私に疑問に思い。願うなら女王陛下かなとなったわけですよ」


「へぇ~、そうなんだ。でっ……文句を言いに? 子供手伝ってくれるの?」


「それは難しくなってる……今の私は『裁き』を持ってるの……そう『裁き』」


「「は?」」


「……罪人の留置場でね色々あったの。罪人の裁きを下す者。姉である女神を裁いた者。罪人を許すことの出来る者としてね新たな信仰をね……手にした」


「あっ……それで私たちの喧嘩を仲裁に来たわけね」


「そそ、平等に『裁く』神に私はなってしまった……罪人が信仰する神でもあって……荒れくれとか言われて……」


「不本意?」


「うーん。信仰あるので……昔の自分捨てるのが悲しいかなぐらいかしら。では『審判』します。はい、これでちゃちゃっと決めて。使い方はわかるでしょ」


 エメリアが机に魔法銃を置く。それは筒に弾を込める片手で打てる魔法銃であり……非常にこの世にあっていいものではなかった。異世界の異物である。


「け、拳銃……」


「異世界の異物じゃんか……エメリア……」


「異世界の異物じゃない。この世界に確かにあった事がある物。で、これに一発だけ……入れてある」


「あっわかった。当たらないように……」


「一発を当てたら、その人の勝ち」


「「!?」」


 トキヤと私は驚いた表情でエメリアを見る。


「あのね……死なないので。気絶するぐらい痛いだけ。だけど痛みを我慢し、勇気をもって引き金を引けるものだけが審判に参加できる。荒れくれ者を納得させるため『運』を用意した。傾かない天秤は『ある』から」


「当たらないようにするじゃ……」


「その知識があるのはあなたとトキヤさんと一部の人だけでしょ。これが常識。勝つけど痛みもある。負ければ無傷。ロシアンルーレット。死ぬほど痛いよする?」


 私は悩ましたあと、頷き。エメリアが弾を込めてシリンダーを回す。そして受け取り眉間を撃ち抜く。


 バァアアン!!


 そして激痛が頭に走ったあと、目の前に星が散らばり……悶絶。床に倒れて頭を押さえた。


「めっちゃくちゃいたあああああい!?」


「一撃なの凄い運いいね……まぁ痛いのはね。緩和できないようになってるよ」


「……あっ……しまった。ネフィア外出」


「ああああああああああ。めっちゃいたいいいい」


 私は毒のように痛む頭のせいで外出どころじゃない。激痛。


「エメリア、ネフィアでこれなら死ぬんじゃ?」


「使い手次第?」


「うぐく………」


 私はそのままトキヤに介抱され、外出は別の日になったのだった。


 

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