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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
後日談~神を倒し、魔族統一を成した夢魔であり女体化の最強最悪トラブルメーカーの英魔族の魔王様。何故か世界を救う勇者兼白翼の天使と勘違いされて異世界転移してしまう……
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土海竜と少女


 土海竜はだんごむしの姿で少女に会うため部屋に忍び込む。彼女を慰めるために近くにより、椅子に座って窓の外を見ているその目の前。窓に張り付く。


「わっ!? 虫!? キモチ悪い!!」


「ワシじゃよ。土海竜じゃ」


「えっ……土海竜」


「転生したんじゃ。今は女神のペットじゃ」


「知ってる。虫になったんだね」


「昔も同じじゃったが?」


「……そうだね」


 ネクロマンサーは笑みを溢す。外を見ながら土海竜を掴んだ。


「ぼっちゃんの魂、どっか行っちゃた……」


「奴の魂なら、長船とともに何処かへ行き。生まれ変わった筈だ。すまんな場所はわからん。会うことは出来ない」


「うん。わかった。そうだよね……迷いなくなったんだね」


「奴は居なくなるべきと思っておったからな。甘えられてしまうと……なに、奴はお主の事を安心したから、いなくなったんだ」


「……わかってるよ。うん」


「まぁ、別れは辛い。だが、前を進めネクロマンサー。魔王の時代は終わる。鍛えるのだ」


「そうだね。私たちを越える強い人が来たんだもんね」


 ネクロマンサーはそのまま土海竜を机に置く。そして……その瞳を見つめた。


「この生活も終わるのかな」


「始まりがあれば終わりもある。終わりたい奴もいる。だが、世界は続いている。続くしかない。新たに始まるさ。君は強い。新たな世界でも生きていけるだろう」


「……わかった。私さ、あの泉の女神さんと友達になったんだ。ぼっちゃんより強くて鍛えてもらえるの」


「………死ぬぞ」


「ほぇ!?」


「死ぬほどキツいぞ」


「………んんんんんんんんん」


「………まぁ、キツくないと強くならんからちょうどいいか。頑張れ。わし、女神の元へ帰る」


 土海竜はネクロマンサーが不安な顔をするなかで逃げていく、女神の元へと。





 そこは草原だった。流れる風が女神の金髪を流す。魔王と違った髪を撫でるトキヤはアンジュと向き合う。


「ネフィアに悪夢を組んでもらった」


「………はい」


 アンジュは剣を構える。トキヤの背後から、一人の青年が現れてアンジュを睨んだ。言葉は発しない。


「アンジュさん。マオウのナイトメアだ。悪夢の職工ネフィアが作った紛い物だが。この悪夢に勝てなければ本人にも勝てない……では、遠くで見ておく」


「ネフィアさんは?」


「遠くで見てるさ。これはネフィアの夢なんだからな」


「……わかった」


 アンジュは大きく剣を振り上げて、幻想のマオウに近づき振り下ろす。試しに切り払った瞬間にマオウは消えていく。


「ネフィア姉さん……うまく出来てな……」


バウィン!!


「えっ?」


 アンジュの右手に黒い球体が産み出され、それに切り離されたように片手を失う。剣を落とし、左手で肩を抑えて振り向くが、何もいない。そして……気付いた時には両足を失い。


「つっ!?」


 草原の上に転がった。血は出ず、痛みもないアンジュは綺麗な月明かりの下でマオウの顔を見る。


「ネフィア姉さん。ちょっとおかしくない?」


バウィン!!


 特徴的な音を出してアンジュはえぐられてしまう。彼女には何が起きたかを理解するまえに決着がついた。


「ネフィア、次」


 トキヤの声が響き。マオウとアンジュは相対する。そして……アンジュに身が入る。


「賭け事しよう。ネフィア……何回で勝てる? イチゴジャムたらふく喰っていいぞ」


「私、当てるよ。100回かな」


「キリがいい。いい数字だ。ネフィアがそうらしい」


「……ちょっと弱くしてくださいよ」


「夢はいい。ネフィアの回数……頑張れ」


 トキヤは振り向いた瞬間に黒い球体がマオウの周りを周回し、アンジュの体を穿つ。





「ネフィアおはよう。今日も綺麗だ」


「おはよう。ありがとう、トキヤ。うれしい」


「でっ、ぐっすり眠れたアンジュちゃんはまだかい?」


「ごめんね。賭け事数字変えていい?」


「……最初の数字言ってみろ。変える前だ」


「千回ね」


「全く。優しくて涙が出るな」


「ふふ、起きてくる。きっと酷い面よ」


「………マオウを起こしてくる」


「はい」


 トキヤはそのまま、寝室を部屋を出たのだった。




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