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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
後日談~神を倒し、魔族統一を成した夢魔であり女体化の最強最悪トラブルメーカーの英魔族の魔王様。何故か世界を救う勇者兼白翼の天使と勘違いされて異世界転移してしまう……
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四天王接敵


 ネフィアが走る。右手に火剣を左手に緑剣を構え大地をかける。月明かりの下を彼女は走る。陣地へ向けて。


「展開してるのは槍兵……後方に弓、もしくは援護魔法兵かしら。騎兵隊もいたし……立派な軍団ですね」


「!?」


 スケルトンの群れが起き上がり、丸い盾と長い重槍を持ち上げる。金属の擦れる音に蹄の音がネフィアの耳に入る。槍ぶすまが遮る壁のよう彼女を通さんとする。


「……魔法の詠唱は邪魔される。だけど……私の翼は『在る』!!」


 槍ぶすまの前でネフィアは少ししゃがみ、力強く足を踏みしめ大地を蹴り。直角に斜めに飛び上がる。槍ぶすまの槍がネフィアを追って振り上げるが……彼女はその槍を全く気にせず槍兵の頭上を越え背後を取る。


「長手の武器は取り回し……聞きませんよね。幽霊は嫌いです。消えてください」


 そのまま、背後を取ったネフィアはそのまま走る。今度は弓を持った兵がネフィアに向けて放つ。それにネフィアは翼を前面に出して盾とし槍を正面から受け止め進んでは、弓兵の陣へ入り。スケルトンの体に火剣を入れ、燃やして灯りをつけた。


 弓兵は散り、その隙間道を進み。そして……咆哮が夜空に響いた。ネフィアは足を止めるその正面に二足歩行する竜が空に描かれた魔法陣を壊しながら降り立ち地面に火の筋を生み出す。


 当たりは一瞬で炎が舞い。スケルトンも巻き込まれる中で竜が口を開いた。


「がははは……異世界の者よ。久しいな」


「……」


「おっと驚かないのか?」


「土海竜を見てる。この世界の竜は記憶を引き継いだまま転生するようね。そのトップがあなたと土海竜だったと聞いてるわ」


「ベラベラ喋りおって。土海竜、忠虫め」


「あなたは違うの? 炎帝」


「ワシはワシのために戦うまでよ!! さぁ!! ユウコ!! スケルトンを下げろ!! ワシがやる」


 炎帝は背中の大太刀を外し、鞘を掴み腰だめに構える。その姿にネフィアは驚き……左手の剣を上へ投げ。火剣を納める。同じように腰に構え魔力を鞘に満たす。


「その技……覚えがあるか異世界の魔王」


「大切な相手の忘れ片身です。竜が人の真似事なんてね」


「ああ、真似事だ。だが託された太刀を上手く使わないといけない」


「……私は死ねません。故に手加減出来ません」


「きやがれ!!」


 ネフィアの投げた緑の剣が落ち、地面に刺さった瞬間。竜と魔王が鞘から炎を抜き放ち。炎の軌跡がぶつかり辺り一面を爆音とともに焦がしたのだった。







「やりだしたか……」


「……ネフィア姉さん」


 左側、ネフィアが夜空を駆け抜け多くのスケルトンを炎に寄っていく虫のようの集めた結果。難なく城の壁までたどり着いたアンジュは刀を抜いた男と対峙していた。若い男は炎が舞う戦場を見つめ、竜と打ち合い。動き回るネフィアに決着がどうなるかを予見す。


「ふむ、向こうは堅な直剣の両使い。ひらりひらりと炎の如く舞い。だが荒々しく猛る炎として斬る。なるほど……相手を間違えたか」


「……ん」


 アンジュは大剣を構え身構える。旧き強者と考えて身を引き締める。男は刀を抜いたまま、アンジュに名を告げる。


「我は長船……名を聞こうか」


「アンジュと言います」


「お主が女神、実は名も知っておった。マオウが会いたがっているが。すまぬ……ここで果ててくれ」


「……何故ですか?」


「答えは勝ってから聞いてくれ」


 若い黒髪の男はゆらゆらと身を揺らしながら刀を片手で持つ。気の抜けた持ち方にアンジュは身を引き締め直した。


「……若いのお堅いぞ」


「お堅いですよ!! 色々!!」


 逃げる事も出来ないと考えたアンジュが近付き大剣を振るう。すると男はスッとジャンプし後方に避け。それを追いすがるようの剣を持ってアンジュは振り回す。


「重たい物をそれだけ振り回せる力があるが……斬れぬぞ。遅い」


「はぁあああああ!!」


「ふん」


 男は大剣を避けて懐に入り刀を振るう。その刀に斬られたアンジュが後ろに下がり……傷口から光が漏れた。


「ふむ。お主も不死か……いいや。漏れが無くなれば消えるか」


「つぅつ……」


 アンジュは痛みと目の前の玄人に困惑しながら、唇を噛み。地面を踏み固めた。ズシンと重い音が響き……アンジュは長船を睨む。


「……なるほど」


 長船がアンジュと目線が合い。猛獣のような目付きに少しほくそ笑み刀を上段に構えなおし、アンジュは大剣で体を隠すように盾の構えをし、身を屈めたのだった。










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