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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
後日談~神を倒し、魔族統一を成した夢魔であり女体化の最強最悪トラブルメーカーの英魔族の魔王様。何故か世界を救う勇者兼白翼の天使と勘違いされて異世界転移してしまう……
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土海竜と大剣の女神


 上空にダンゴムシが飛んでいる。何を言っているかわからないだろうが本当に飛び出したのだ。ダンゴムシの甲殻から木の枝のような物が両脇に生え、丸い丸い魔力の白い球体が2つ。目のように黒い点を持ち、それを枝が包み、浮遊しだしたのだ。浮いているだけの状態だが。確かにダンゴムシが空を飛んでいる。そんな中で、光の球から魔力の奔流が私達を狙い撃ち込まれる。


ビューーーーン!! ビュンビュンビュン!!


バン!! バアアアアン!!


バシュン!!


 目玉のような両脇から放たれる直線する魔力の放出とともにバラバラと小型の目玉みたいな魔法球が放出された。それは近くまでくると魔力での爆発炎を生み出す。そんな物を地面にいるダンゴムシからも放ち、ネフィア姉ちゃんを焼こうと弾幕を張り続ける。


 遠慮なく、躊躇もせずに倒せとばかりに激しい攻撃が続けられた。ネフィア姉さんは多くの弾幕の中を白い翼を盾にしながら、私の前でずっと猛攻を凌いでくれる。その背中は全く攻撃に揺るがず。真正面から空を飛んでいるダンゴムシに近付き。延長したような炎の刃で枝のような翼を切り落とし叩き落とす。落ちたダンゴムシは自身の高まった魔力で殻の内側から爆発し、絶命していく。私も同じように枝を切り落とし落として地面にダンゴムシを落としていく。


ビョン!! バシュン!!


「うぐぅつ!!」


 地上のダンゴムシの対空放火を姉さんが作った鉄の剣で受け止める。その場で止まっていると光の線が集まり魔力圧力が強まり後ろに引き戻されていく。


「太陽のような火を扱った魔法ですね。アンジュちゃん?」


 私はネフィア姉さんから引き剥がされそうになる。


(アンジュちゃんが!! 後ろに押し戻されてます!!)


「背中を向けないわ。背後を撃たれる。なら……アンジュちゃん!! 何してるの!! とっととこっちに来なさい!!」


「は、はい!!」


 無茶苦茶言うが。私は手に力を加えて光線を弾き、避けてネフィア姉さんを追う。そのまま、地上から大声が響く。


「アンジュ!! 行って!! 切り開く!!」


 地上から大きな声でウィンディーネが叫んだ。私に攻撃を集中しているダンゴムシの群れにウィンディーネはジャンプして突っ込み。バットで大きく縦回転しながら地面を叩いた。衝撃が地面を走り、膨れ上がって爆発して大地ごとダンゴムシを押し上げる。


ゴバァアアアアアアアン!!


 そして……ウィンディーネはバットに魔力を込める。


「浮き上がった!! なら、そのまま星になれえええ!!」


 浮き上がったダンゴムシが落ちてくるよりも速く、ウィンディーネはバットを戻し、腰を使って大きく振りかぶり。その衝撃波でダンゴムシたちを大空にぶっ飛ばす。割れた殻が散弾のようになって他のダンゴムシにバシバシと当たっては弾かれ。壮絶な光景を生み出した。


「アンジュ!! 行けぇ!!」


「ウィン!! ありがとう!!」


 私は遅れを取り戻すように目の前にいる姉さんの背中を追って光線を防御せず避け続ける。何度も何枚も防壁のように立ちはだかる。空飛ぶダンゴムシを潜り抜け……追い付いていく。


「ん!?」


 その瞬間に殺気が、手に取るように体に触れる。その殺気は光線が来る場所にあり……体を捻りながら殺気をかわすと光線が楽に避けられるようになった。偏差射撃をフェイクを混ぜてジクザクに飛んで光線を避け、目の前の6枚の女神が何故避け続けれたか理解をする。そう、殺意を感じとり避けていたのだ。


 そう、それがやっと私にも出来るようになり。追いかけるために、最小限の回避だけ、一瞬の殺気を感じて弾幕を抜ける。


コォオオオオオオオオオオオオオオオ!!


「……来るよアンジュ!!」


 ネフィア姉さんの注意喚起と同時に空飛ぶダンゴムシが穴を陣形に開ける。真ん中を避けるように避けたダンゴムシのその場所に膨大な六芒星の魔法陣を描いたダンゴムシ達から奥に化け物が見える。そう、その中心に……まるでワームのような、ダンゴムシがいる。正面はダンゴムシ……それが繋がって一本のようなワーム。ムカデやヤスデに近い姿であり、それが魔法を放った。極太光線の膨大な砲撃。それを私は避けようがないことはわかってしまう。


 空を焼く。そんな表現が生まれるほどの膨大な光線である。


「竜とはよく言いましたね。確かに昔に倒した青龍などに似ているでしょうね」


 余裕を見せるネフィア姉さんにこの人はと震える。こんな世界を焼く攻撃を見たことがあるのだ。


(来ます!! 速い!! 緊急回避無理です!! 私が出ます!! ネフィアさん!!)


「大丈夫……剣は納めてる」


チャキ!!


 ネフィア姉さんが剣を鞘に納めて変わった構えをする。


「刀じゃないですが、この剣で行くわ!! 土海竜!! あなただけがそうやって魔力を貯めていたわけじゃない!! アンジュ、私の後ろへ!! 合図する!!」


「はい!!」


 姉ちゃんの後ろを飛ぶ。姉ちゃんは腰につけた剣の鞘と剣に深く深く魔力を込めていく。白い翼が炎へと変わり。膨大な魔力が鞘に吸い込まれていく。そう、エンチャント。剣に魔法を付与しているのだ。そして……私は姉さんを信じた。


 道を切り開き照らすだろうことを。


(居合い……ですね)


「行け!! フェニックス!!」


ズバァアアアアアアアアアアアン!!


 光線に正面から、ネフィア姉ちゃんは勢いよく剣を引き抜き逆袈裟切りを行う。剣の先から勢いよく業火の鳥が放たれ居合いの勢いをそのままに光線に当たり、光線を四方八方に散らして防ぎ。光線を泳ぐように押し込む。土海竜はたまらず光線をやめて……顔を下に避けた。そのまま光線の力を越えた火の鳥が通り抜けて土海竜の上をすぎ空へ舞い上がり。雲を蹴散らして膨大な光球になって爆発し、閃光が大空を走る。あまりの眩しさに皆が動きを止めた瞬間、耳元に『今!!』と声が入り。急いで閃光の中を飛ぶ。


(……アンジュちゃん。到着しましたね)


 皆が目をやられている隙に私は火の鳥の開けた空の道抜けて土海竜に近づいた。相手の攻撃を利用し穴を抜けて活路が開いたのだ。土海竜の正面から剣を大きく振り下ろし私は背中の甲殻を叩く。


ガッキャアアアアアアアアアア!!


 腕に金属を叩いたように響き。大きく弾かれて私はたまらず地面に転がる。反動で腕が切り刻まれており反射魔法のダメージだとその瞬間に理解した。ズタズタになった腕から赤色の血が流れ、そのあとに魔力が漏れて傷を塞ぐ。


「……剣の女神。昔と同じように剣は通らんぞ」


「昔?」


「……覚えておらぬか。なら、遠慮はいらんな」


 グバァア!!


 長蛇ダンゴムシの土海竜が甲殻を武器に突進を仕掛ける。城を巻き付けるような巨体の体当たりを大剣を構えて防御し、魔力の障壁のような物が剣との間で火花を散らす。甲殻の表面に潤沢の防御魔法がぎっしり練られており、それがジリジリと肌を焼き私の皮膚を赤く染める。


「なに? 剣の女神……お主、血が流れておるのか」


「……ふぅふぅ。そうなんです。痛いです。痛いですよ!! ああああああああ!!」


 防御した剣を押し込み、土海竜の突進を相手の防御力魔法の反発を利用し押し返す。ずっしりと体が重くなった私の耳にヴァルキュリアの声が届いた。


(硬いものと打撃は相性がいいんです。何故なら斬る必要がない。私が教えたこと……思い出してください)


 私は夢でみた、ヴァルキュリア姉さんの技を思い出す。硬い相手には姉さんは得意なのだ。何故なら。


「叩き潰す!!」


 力強く殴って鎧を砕くのだから。


「おりゃあああああ!!」


 剣を両手で持ち。その頼りがいのある重さを全身で感じ、地面を蹴って地面を吹き飛ばし走り出す。痛みやそんなのは訓練よりも特訓よりも苦しくない!! 空よりもしっかりした地面の蹴る力が速さを生む。


「はああああああああ!!」


ガァアアアアアン!!


 土海竜が地面を這いながら頭盾、ヘッドショルダーと言われる部分を前に出し、突っ込んでくる。それに合わせて剣を振り上げて私は勢いよく叩きつける。剣激は防御魔法で反射し体に返ってくるが……それを越えた衝撃は相手に通った手応えが確かに腕にあった。


「ごば、ぐはああああ。剣の女神……お主!? 誰に師事を受けた!!」


「押し込む!! 私がその防御魔法で倒れるか!! お前が倒れるか!! 根比べよ!!」


 土海竜の殻の継ぎ目から青い血が滴る。怯んだ土海竜の質問に答えず。私は大剣を振り回す。上下左右に一発一発、衝撃を入れ込むように、釘を差すように、腕に金属を強く叩いた鈍い震える痛みを。帰ってくる剣の切られていく痛みを。全て噛み締めて。地面を蹴り、殻に打ち込んでいく。


「アンジュちゃあああああん!! そのまままいけええええええ!!」


「アンジュ!! ぶっ飛ばせえええ!!」


「はぁああああああああああああああああああ!!」


 背中の声援にいっそう力が入り、痛みを忘れて打ち込み。土海竜の巨体を押し込む。すると、土海竜も頭部に当たる部分にヒビが入っていき。大きく割れ、青い血を吹き出した。


「ぐおおおおおおおおお!!」


「……」


 青い返り血を体に浴び、私は無言で大きく大剣をその割れた場所に突きこんだ。深く深く突きこみ、力いっぱいに魔力を流す。


「があああああああああ!!」


 頭を刺され、暴れる土海竜に剣でしがみつき。地面に叩かれても離さずに眼を見開きずっと肉に魔力を流して中身から剣撃を打ち込ぬ。するとそのまま土海竜が上に反らし……足も動かずにドチャッっと音を立てて倒れ。その瞬間に剣が抜けて私は振り落とされた。


 慌てて、転がったのを立ち上がり。次の攻撃の準備をしたあと。ネフィア姉の背中と制止する手を見て、土海竜の様子見るぐらいに落ち着く。もう、一切動かない土海竜にネフィア姉は言った。


「決着……」


 そう、終わりと。


「……」


 周りのダンゴムシが一切動かず様子を見続ける。近くにウィンディーネが近づき水に魔法で私の青い返り血を洗う。そして、大きく叫んだ。


「すごいじゃない!! アンジュ!! こんなに強かったの!?」


「才能だったんでしょうね。いえ、元から強かったのに機会に恵まれなかったのかも」


(うぅ、うぅ。アンジュちゃんが、一人前に……ああああ)


「……これ、私が?」


 鼓動がする。体が熱い。まるで夢の中のように現実身が薄くなった私にネフィア姉が笑顔で頭を撫でてくれる。その掌の暖かさで私は現実を理解する。


「ええ、そうよ。女神アンジュ。だけど……まだ残ってるわ」


「……」


 そう、安心できない。囲まれたダンゴムシはまだまだ多い。終わっていない。


(その必要はない。降参じゃよ……ワシらの負けじゃ)


「「「(生きてる!?)」」」


 驚き全員が身を引き締める。だが……殺意は全く感じれなくなった。そう、本当に降参と言ったのだ。


(いいや、ワシは死んだ。じゃがな……我々は最初に言ったじゃろ。一は全であり、全もまた一である。故に我々は一つであり。そして……新たに輪廻する)


 モゾモゾ……


 私たちはダンゴムシの中から本当に小さなダンゴムシを見る。拳大より小さい。真っ白で赤目のダンゴムシ。


「白い……」


「目が赤い……」


「目立つ……」


(あっ白化現象の個体ですね。アルビノですね。希少で珍しいですねぇ)


 死闘の後の緩やかなヴァルキュリア姉さんの声におとなしくそれを見つめた。


(生まれる個体なぞ選べんよ……たまたまじゃ。それよりも命乞いをさせてくれ。この度……ワシらは戦ったが、勝てぬことを知り。敗けを認めるのぉ)


 ネフィア姉は剣を納める。私は姉さんを見て同じように剣を手放して話を聞く素振りを見せた。手打ちと言うことである。


(いままで水を流せと虫のいい話じゃが……お願いいたす)


「虫だけにね、なんちゃって。あれ? アンジュ? 姉さん?」


 ボコォ、グキィ


 ウィンディーネを私たち二人で殴った。


「どうぞ続きを。黙らせたので……」


(お、おう……)


 私と姉さんは空気読めと拳で言った。流石に私も読めたよ今の。


(まぁ、そなたらをワシらはもう止めぬ。好きにしてかまわん。じゃが、ワシの死。いや、ワシと言う存在を消し去り消滅する代わりに皆を見逃して貰いたいの)


「……あなたが犠牲に?」


(そうじゃよ。もう、土海竜は生まれぬ。ワシ一人では足りぬと言うのなら……仕方ないがの)


 それは……輪廻さえもなくなると言う事だろう。ダンゴムシ達は既に逃げており、どんどん数が減っていった。時間稼ぎである。


「ふぅ。なら……何故戦ったか理由を聞かせてください」


 姉さんが理由を訪ねる。ダンゴムシは私たちに映像を流し込んだ。一匹の貝の生き物が写る。


(ワシらの生息域に不明な生き物が流れ着いた。外来種たるこいつは増え続け、生存競争の戦いが行われておる。そして……こいつは自身は大いなる女神によって生を受け。女神に自由を貰い生きているといっておっての……)


 一匹のあの、創造した生き物が……この土海竜のダンゴムシの棲みかを奪っていると言う。姉さんは大きく大きく汗を流し、私も汗を流す。


 悪いの私たちもじゃん!? それも姉さん!! いや、そっぽ向いてる!?


「お、おほん。その、創造を止めに来たのですね」


(そうじゃ、これ以上……我々の棲みかを脅かす生命をみだりに生まぬようにな)


「も、申し訳ありませんでした。私たちがその安易に生んでしまい。本当に申し訳ありませんでした」


(あ、謝ってもらえるとおもわんかったのぉ……なんじゃ。話がわかるじゃないか。すまぬのぉ。早とちりじゃったか)


「いえいえ。最初のきっかけは私です。本当に本当にすいません」


(……いやいやこちらこそ)


「いえいえ……」


 姉さんとダンゴムシが謝り合戦が始まり。結局、変な方向で話がまとまるのだった。原因はあの一匹の貝のせいだったのだ。あれが……土海竜に決意させるなんて……


(……ネフィアさん。世界に迷惑かけると言う悪行を……勇者に怒られそう)


「……言わないで」


 姉さんの約束は早くも守られなかったらしい。





 酒場の一角、戦いの後に私たちは皿の上にのったピンク色のホクホクした四角いブロックが乗っていた。


「お姉さんそれ本当に食べるんです?」


「……しょうがないじゃない」


(……グロ)


「姉ちゃん。匂いはいいから目を閉じれば……」


 そう、このブロックは土海竜の肉片である。何故食べる事になったかと言うと……


(うむ。しっかりと出来ている。これに、この卵で作ったソースをかけて食うと美味で人でも食える)


「ソースは美味しそうですよね。姉ちゃんの作った奴」


(うむ。炎の女神は料理もうまい。しっかりと調理ができている。では、我を倒した者たちを食し、世界の理を頼むの)


 そう。弱肉強食の世界。それのよって食べてほしいと言われたのだ。罪の意識から断れず。ダンゴムシの言う調理方法で調理した。何を言ってるんだろう私は……


(覚悟はいいですね。手を合わせて)


「「「……いただきます」」」


 私たちは手を合わせてブロックをとりわけ。そのまま玉ねぎと卵、酢などなどで作ったダンゴムシ秘伝の美味しいソースをかける。皆がそれをフォークで差して口の前に持っていく。


(行くよみんな。いっせーのーで。はい!!)


「「「ぱく」」」


 私たちは目を閉じて口に入れて租借した。すると……


「……え!?」


「……!?」


「……あれ!?」


(どうじゃ? ワシ、うまかろう)


 そう海老の濃厚な味。美味。そう、本当に海老の味であり、難なく完食することが出来たのだった。ダンゴムシ美味しい……

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