完成された剣..
彼の両手剣が出来たときに彼は頭角を示した。アクアマリンのおみやげを団員に渡し、アクアマリン内部を騎士団長に報告を終えた日から数日。
3番隊員トラビスともう一度の決闘を申し込まれた。しかし、却下される。何故なら1番隊長が彼と決闘を行った。結果はトキヤの敗北。力負けしたのだ。
しかし、その一戦で1番隊に配属。偵察、隠密、黒い仕事もこなし気付けば黒騎士団同期を越えて中核の人物まで上がった。だがまだ、彼は力が弱いと痛感している。
すべての障壁は彼女を護るためにっという信念だけで。彼は障害を越える。だから、だろうか戦争で彼女に出会った。
記憶の時間が早まる。次の記憶は戦争の記憶だった。騎士団が集まり連合国へ出発した。連合国も出発し、国境付近の都市に集まり。両国は中立都市を一つ滅ぼした。
全ての生きているものはいないあの都市を作って開戦する。そう、捕虜や都市の民は都市外へ持って行き殺し埋めた。
トキヤもランスロットとこの戦いに参加し、ランスロットが虐殺を歯を食い縛って見ていたのをなだめていた。
「何で、こんなことを!!」
「ランスロット………」
「僕はこんなことをするために鍛えた訳じゃない訳じゃないんだ!!」
トキヤは何も感じなかった。感じる事を諦めた。彼女を護るために関係無いことと割りきって生きている。見る見る親友が病んでいくのを少しだけ気にしながらも、歩み進めた。
開戦結果は連合国側の思わぬ辛抱強さに帝国は苦戦を強いられた。騎士同士の決闘もチラホラ行われたが負けが多くなり。兵士の指揮を行う者も打ち取られていく。数で圧倒するが中々打開できない。帝国の高慢さが騎士の腕を鈍らせ、死にたくないからこそ逃げるのだ。
白騎士団は特に酷かった。プライドの高さも相まって、生け捕りを拷問する者も増える。
そんな中、1番隊長が「毒花」の香りを嗅いでしまったため斬られて戦死。黒騎士団長は武功を上げているトキヤに命じた。毒花を抑えろと。「喜んで相手をする」とトキヤは言った。強い者と戦える喜びと強くなるために戦いに身を置く。
隊長を討ち取った相手は綺麗な黒い長い髪の女性だった。両手はあり、鋭い瞳と凛とした美しい人だ。
トキヤは「確かに毒花だな」と思う。みとれたらやられてしまう。しかし、魅せられる美しさがあった。だから、本心混じりの挑発で誘った。紫蘭に対して。
「女は紅塗って、家で男を待っていればいい」
「貴様、死にたいらしいな」
「死なない。死ぬわけにはいかない」
「ふん、その剣は『魔物』か。死なないと思うか? 戦場で」
「死んだら。俺では『彼女』を護れないのだろうな。まぁ相手をしてほしい。女は家で待ってな」
「その首、貰いうける」
12回の戦闘でトキヤが越えていく。彼女の左腕を切り落とし。綺麗な彼女の幸せを願いながら戦線離脱させた。それからも帝国は苦戦するも物量で圧倒しだす。
そして、親友ランスロットは占領した都市で白騎士団の蛮行を咎めるために白騎士団の仲間を殺した。仲間殺しを黒騎士が咎めようとしたが、トキヤの功績と引き換えに彼を救った。
見ていると……歪んでいるようでトキヤは少し変に優しかった。親友はそのまま除隊、帝国外へ放逐となる。
*
グワン!!
「つっ!?」
私は頭の痛みと暗くなる目の前で記憶が見えなくなる。そして、次に真っ白の空間に切り替わった。周りが明るくなり驚いて私は口を押さえた。
現れたのは山羊の悪魔のデーモンと鋼鉄の鱗を持つドラゴン。2頭の大きな巨体。それは恐ろしい姿だった。
しかし、何故か安心できた。2頭とも目が優しいのだ。そう、彼の瞳によくにてる。
デーモンの大きなゴツゴツした手が差し出される。「記憶を案内してくれるのだろうか?」と思い手に触れる。
「あなたたちは………誰?」
椅子から立ち上がり問いかけた。ドラゴンが溶け、デーモンの影と混ざり合う。彼は喋らない。いや、手から伝わる。彼らはトキヤである。
「何処へ?」
ゆっくり歩きながら。彼らの記憶が見える。暗がりのダンジョン。魔力で照らされただけの通路にトキヤが立っている。そして、それに倒されたあとに魅せられた情景。宝護りのデーモンの魂はトキヤに喰われた。
次は滅ろぼした都市で住むドラゴンの魔物。小さい人間が愚かにも戦いを挑んできた。理由を聞くとお金がほしいとのこと。エルダードラゴンの自分に戦いを挑む愚物を倒そうとしたが、自分が地に縫い付けられ負けてしまった。その強さ、理由を最後に「殺せ」と言うが、魅せられる情景の後に魂を喰われる事を選んだ。
「え!?」
「我が名は鋼竜ウルツァイト。まぁトキヤの魂の一部だ。私たちを起こしに来たのだろう姫君。私たちが案内しよう。これ以上の記憶を見るべきじゃない。私たちが起きている時に聞いてくれ。盗み見るのはダメだろう。恥ずかしいし」
「あっはい………ごめんなさい」
すっごい紳士だった。いや、トキヤの声だった。
「案内しよう」
歩きながら、奥に座っている人物が見える。彼はある記憶を、あの情景を見続けていた。案内をしてくれたデーモンが溶け、影となり彼の影と混ざり合う。
「トキヤ!!」
私は座ってる彼を呼び掛けた。座ってる彼がこちらを見る。しかし、目は虚ろだ。それに飛び込んで抱き締める。虚ろな目に火が灯る。
「………ネフィア!?」
「うん!! 私だよ‼ トキヤ!!」
「そっか、すまない。護れなかった。死後の世界に来るなんて本当にすまない」
彼はまた私に謝る。また謝る。謝らないといけないのは私の方なのに。感謝をしないといけないのは私なのに。
「トキヤ………ずっと私のために戦ってくれたんだね」
「………ああ。そうだ。それしか出来ないからな」
「じゃぁ………まだ。助けてくれないの?」
「死んだら無理だな。頑張って生きていてくれ」
「もう、無理。トキヤがいないと生きていけない」
私は記憶を辿って辿って掴んだ答えを持っている。彼なら絶対飛び起きる。
「助けて、助けてトキヤ………お願い………起きて助けて………」
「ネフィア?」
「私……ドラゴンに連れ拐われちゃう」
「!?」
私はトキヤに嘘をついた。




