英魔野球会議②
女王陛下に勝てるという事である一定の層に好印象与えた状況で会議室に再度族長たちは集まった。トキヤは次に構想で族長6チームを決めることお願いする。
トキヤの号令で挙手を行った結果。5人の族長が手を上げる。オーク族長、獣族リザード族長、ダークエルフ族長、エルフ族長、夜族連合のセレファ族長である。他は様子見である。決まった族長はその話を国に持って帰りなんとか形を作って貰う予定だ。
「一人の足りないじゃないか……」
「本当にな」
「ええ、どうしますか?」
「女王陛下が選べばいいと思います」
「おでも、そう思うな」
「だっそうだネフィア」
族長が各々、言い合い。私にお鉢が回ってくる。そして……私は悩む中でも変な声が響いた。
(青い海のチームが必要よ)
どういう事か全く意味がわからない。ただ……海と言えば一人の族長が該当した。今の今まで海に住んでいた種族がいる。そう、魚族。スキャラ族長である。
「えっ? 女王陛下?」
スキャラ族長が怯える表情で私を見つめる。目のあった私は声に導かれるように指を差す。そして……勝手に口が開く。
「「海に落ちた星、スキャラ族長頼みます」」
私の声に族長5人がスキャラ族長に集まり肩を叩き、各々が期待する声をかけた。スキャラ族長は慌てる中で私は一人口を押さえる。
「ネフィア? どうした?」
「えっと……いえ。なんでもないです」
体が勝手に動きスキャラ族長にお願いした私の胸に何かが入った気がした。誰か別の人が私の中に居るようなそんな気がしたのだ。
「皆さん、そろそろ朝です。お開きとしましょう」
一部の族長が話で盛り上がる中で、エルフ族長が大きな声で場を締める。トキヤも頷き。私も起きる準備を行う。能力を解除すればいいのだ。
「えっと、皆さん。カウントダウンをお願いします」
「5」「3」「1」「2」「20」「3」
族長の口からバラバラの数字が発せられる。
「おい……」
皆が笑い出す。苦笑いを浮かべるトキヤが私の肩を叩き数字を言う。
「0だ。ネフィア」
そう、言った瞬間に私は能力を解除し。会議室から一瞬で眩しいベットの上で目を醒ますのだった。
*
早朝、朝食を用意した私はトキヤに椅子に座りながら問う。イチゴジャムをパンに塗りながら。
「そういえばチーム名は?」
「勝手に決めるだろう。どういう名前になるか楽しみだなぁ~」
「そうだね。結構、ノリノリでよかった」
「お前が負けたからな。あれだけで違うもんだ」
「私が絶対に勝つみたいな言い方だね」
「ほとんど勝ってきただろ。まぁ俺もあそこまでクンカ王子がやるとは思ってなかった。意外性って大事だ」
健やかな、しかしそれでもそこそこ寒い朝に冬の気配を感じつつ私はパンを貪る。正直な話……
負けた瞬間、バットをへし折りたいほどに悔しかった。女々しい弱そうな女性とか関係ない。あの瞬間は……男が出て来てしまうほどに荒々しかった。
「ネフィア。お前のスイングもよかったよ。変なスイングだけど」
「変な言わないでください」
ちょっと文句を言いながら……私は窓の外を見る。すると、雪がチラッと降りだしており慌てて立ち上がり窓の近くへと進んだ。
「トキヤ!! 雪!!」
「ああ、もうそんな時期か……ん?」
トキヤも立ち上がり外を見る。一緒に城下町を眺め、そして……氷の精霊などの訪れに背筋が冷えた。
「ねぇ、この冬って自然現象?」
「いや……これは人的要因もありそうだよな。氷のエレメント族が多い。エルフ族長の傘下だな」
そう、言いながら。仕事着に着替えるトキヤを尻目に英魔族の事を考える。正直、多種多様の種族がいるため把握しきれていない。だからこそ、冬を司る自然の具現化したような種族もいるだろうと思ったのだ。それが堂々と表へ出てきている。
「ネフィア……仕事行ってくる。雪が積もるまえのお前の声で注意換気しといてくれよ」
「はーい。行ってらっしゃい」
トキヤを送りながら、私は……雪が降る曇天を見上げる。私の声で雪が積もった時などの注意事項を言わないといけないようだとトキヤの言葉で察する。そして……私は鍋物食べたいなぁ~と思うのだった。




