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久しぶりに冒険


 発着場初出禁者が女王陛下と言う不名誉を受け、早急に都市内の魔法禁止区域の制定と魔法抑止の大魔法陣作成がエルフ族長が取り決めを行われ、エルフ族長が拾っていた国璽(こくじ(王の印鑑))を押して法案通しての再出発となった。


 しこたま怒られ注意された私は門の前で翼を広げる。外でなら大丈夫だろう。


「出禁なる女王陛下ってなんだろうね」


「法治になりつつあるから仕方ない。英魔族のルール決めて皆で守ろうが原点だからな。ネフィア……いきなり不名誉なことするなよ」


「ごめん……以後気を付けます」


 萎縮しながら。旦那に謝る。彼は王配であり、私の行動が彼に影響を及ぼすのだ。生きづらい時代になってしまいました。


「戦時って無茶苦茶できる時期なんだね………まぁ無茶苦茶して約束通りに英魔族人狼族を祖国に送ったけど」


「ネフィア。気付いたか……そうだぞ。力づくの時代は終わり交渉が重要な時代になった。戦争の対義は交渉だ」


「うわぁ大変」


「その大変なのを今から行うんだがな……マクシミリアン騎士団にな。味方する代わりにアンデット浄化をお前がするとな……大変だなぁ」


「千人二千人とかじゃないもんね」


 そう、国家クラスの騎士団が全員アンデット。そりゃ……今まで誰も入れないわ。


「本当によく、潜入したね」


「だなぁ……命知らずだったな」


「若かったねぇ………」


「若かった……」


 何故かほのぼのとなりながら荷物を抱えた旦那と体を結ぶ。これで運べる。


「ペット売るんじゃなかった」


「ネフィア、その分。多額な軍事費入ったろ」


「そうだね」


 私は大きく翼を広げ飛び立つ。白翼は羽ばたく瞬間に炎が漏れ揺らめき。纏わせて飛ぶ。普通に飛ぶのにもちょっと漏れだして制御がしずらくなる。


「ああ、漏れる」


「ネフィア……どんだけ魔力があるんだよ」


「トキヤに触れ続けると心臓と胸の奥から沸き上がる」


「あっ……これお前の感情が漏れてるのか。迷惑な」


「迷惑!? ひっどい!!」


「出禁」


「仕方ないの!!」


 私はトキヤを掴みながら飛び。トキヤはダランとしながら地図を開く。地図は私たちの位置と向きを示すように三角で表されていた。


「向こうな」


「わっ便利」


「英魔族海族たちの海図を元に開発されたらしい。機密だったが仲良くなったから解放されたと聞く」


「へぇ~」


「でも、高いんだぞこの魔法地図」


「でも、わかりやすい。このまま進めばいいね」


「そのまま飛べばいいな」


「じゃぁ、加速するよ」


「おっ……速く飛べるのか?」


「最速のワイバーン真似する」


「魔力噴出させて進む奴か……」


「うん、前方に魔力障壁展開して。虫が当たったり口に入ったりする」


「わかった、空壁」


 三角形の透明の魔力壁が生成され、そのまま押すように私は翼に力を込める。


「いっくよ!! 十二翼の爆炎(じゅうよくのつばさ)!!」


 そして羽を後方へ爆発させて真っ直ぐ勢いよく飛ぶのだった。爆音を生み出しながら。


「ネフィア……騒音すごいぞ。下の商人皆、耳をおさえてる」


「……もしかしてやらかしらかもしれない」


「騒音の法案議論だな」


「私がやること、どんどん禁じられていく……」


 仕方なく大人しく飛ぶことにした。





 ネフィアに括られながら俺は考える。ネフィアには少し考え事をさせてくれと言い。黙りながらネフィアの扱いの決定を思い出す。非常に重たい使命を嫁は背負っている。


 英魔族長内だけの取り決めとしてネフィアはたった一人の戦力であり、封じるべき者であるとした。平和の世界でもて余す力ではあるが。族長たちの意見はある事に一致した。


 英魔国の最後の希望である。その事を族長たちは取り決めた。レベル段階で英魔の事件を測る指標も用意している。


 レベル1、英魔個人で解決出来うる事。


 レベル2、英魔複数人で解決出来うる事


 レベル3、英魔族長で解決出来うる事。


 レベル4、英魔族長たちで解決出来うる事。


 レベル5、英魔国連合で解決出来うる事。


 最大がレベル5と言う事を一般にも広め、何かしらの事件を測るために用意した。簡単に言うと事件レベルを決めて国民の理解を早める。緊急があれば即、族長会議だ。


 だが、この最大レベル5以上のレベル0(ゼロ)と言う物も族長だけ知っている。


 レベル0、女王陛下でしか解決出来ない事であり最終手段。


 ネフィアの能力はとにかく恐ろしいほどの運命強制力を持ち。全てうまくは行く事はないがある程度の治まりを見せる。そう、我等英魔はネフィアによって生かされているような事になり得ると族長連は判断し、レベル0を設けた。0の意味は解決すると断定されているからだ。そして、俺も含め英魔の一部の人は一度世界は救われたと感じている。それを実証するかのように俺の中にいた同僚、鋼竜ウルツワァイトの魂が無いのだ。奴が残した言葉は新しい女が出来たといい。名も聞いた。ネフィアだと。


 そう、族長たちや俺はネフィアをそういう存在だと思うのだ。


「ふぁーん……空が青い、雲が白いだけで暇です」


「……」


 呑気にあくびをするネフィアに俺は何とも言えない気分になった。ここまで持ち上がる嫁なのだが。悲しいことに俺は本当にただの嫁なのである。


「……お前ってすごいのにな」


「トキヤ!? なに思ったの!? スッゴい失礼なニュアンスだった!!」


「いや、英魔ではお前は女王でさ……すごいよなぁ……期待されて」


「トキヤもじゃない?」


「俺はこれ以上の何かにはなれねぇなぁ……」


 気付けば追い抜かれているようなそんな感じである。予想できないよな本当に。


「王配の上って……純王しかおもいつかない」


 おれ自身、そんな立派な感じのような気が全くしない。だが、それが今の俺なんだろう。


「ネフィア……本当、出会って遠くまで来たな」


「王になると思わなかったね。トキヤが」


「王配な」


「実質、王じゃん。カッコいいよ」


「それ言ったらお前、魔王じゃん……ネフィア女王陛下」


「魔王だねぇ……魔王と王がこんな二人っきりで飛んでていいのかなぁ……」

 

 ネフィアは知らない。魔王の意味が既に変わった事をと言うか本当に意味合いがごろっと変わったのだ。


 英魔王ネフィア・ネロリリスを知らない英魔はいないほどに。


「ネフィア、別にお前は必要だが必要じゃないんだよ。フィアメイド長と言う影武者もいる。族長会議だって不参加でいい。お前が英魔国をどうこうしようたって動かそうとしても一人じゃ~無理だろ?」


「そっか……流石トキヤ。そうだね。私が先頭立って動く事事態がおかしいのか。ちょっと気が張ってたよ」


「そう、わかればいい。見守ればいいさ……それが英魔の王様の仕事だ」


「いつもと変わらないね」


「いつもと変わらないほどに……お前が馴染んでいる。にしても……」


 俺は首を傾げる。


「なに?」


「本当にこんなんでいいのだろうか?」


「……この話しはやめよう!! 決まんないや」


「だな……」


 ネフィアに括られてる俺は頷き遠くを見続ける。どうなるか見通しがつかない未来のように……


「トキヤ……ちょっと疲れた」


「……はよ言え。お前我慢してたろ……」


「うん、ちょっと降りて休憩する」


「おう」


 穏やかな空だった。

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