ネフィア~そらをとぶ~
冒険家用の背中が開き、女性で背中を見せて誘惑出来るようにとお洒落も兼ねた軽装に身を包み。新しく出来た空飛べる者用の城の発着場に私は立つ。トキヤとエルフ族長が見守るなかで翼を産み出そうとする。城の衛兵も集まり、一種のイベントのような光景だ。
「本当に飛ぶのか? ネフィア」
「女王陛下なら飛べるでしょう」
「飛べる……そう信じる。いくよ」
大きく私は翼を広げるイメージを持ち。背中に現出させ大きく大きく羽ばたく。自分の身長より大きい翼だろうか。見えないが多くの英魔たちが驚きの声を漏らす。
「おお、女王陛下……なんと美しいお姿か」
「ネフィアお前……女神になったつもりか?」
「……鏡!!」
私は衛兵に向けて叫び。自分の姿を見せて貰う。6枚の白い翼を大きく広げた天使と言えばいいのかすごく大きい翼を持っている。
「飛べそう!! 翼大きい!!」
「ネフィア。感想はそれだけなんだな……」
「まぁ女王陛下はこうでしょう。可愛い子供じゃないですか」
「お前の歳から言ったら誰でも子供だろう」
「無駄に歳を食ってますからね。まぁお陰でお金で……げふんげふん……女の子買えますから」
「言葉を濁せこの色ボケじじい」
「ははは。若い者にはまだ負けません」
「ねぇねぇ……トキヤ。私はいまから飛ぶんだから見ててよ。族長と会話せずに」
「あっすまん」
私はトキヤの視線を感じ、翼をはためかせ風をおこして大きく羽ばたいた。陽光差す空に飛び。皆がおおっと言う声を聞きながら。大きく英魔国の首都を見回してスッと降りてくる。飛ぶと言うより、浮く感じに近い。スタッと降り手をあげると拍手で迎えられた。
「行けるよ!!」
「確かに。それに荷物持って長期間飛べたらいいんだが」
「トキヤ。オモリ持ってこっちへ」
「おう」
トキヤが訓練用の鉄塊の塊を前に抱える。そして私に背中を向けた。腰まわりにつけた紐をトキヤに回しくくりつけて脱落防止とし、肩にもつけれるように紐を回す。そのままギュッと抱き締めて飛ぶ準備を終えた。長距離飛ぶので固定である。そして私は……
「……」
「準備出来たか……」
「……」
「ネフィア?」
「……」
「おーい」
「……もうちょいスーハースーハー」
「ネフィア!! 嗅ぐな!! 皆が見てる前だぞ!!」
「いいの匂い。いい匂いであたたかい。気持ちいい……うーん」
「あのな……早く飛べよ」
「……ネフィア様、トキヤ殿、いちゃいちゃはいいので早く飛んでいただきませんか? 上で発着場待ちの英魔が増えてます」
「ごめん……めっちゃいいよこれ。エルフ族長」
そう、癒される。好きな男性を背中から抱きつくこの行為。すごくいい。
「すまん。ネフィア行けるか?」
「行けそう……いや。行く!!」
大きく大きく。今さっきよりも強く羽ばたく。翼の白翼から火の粉が舞い、熱風を巻き起こす。
「ストップ!! ネフィア!!」
ぶわっ!! ごおおおおおお!!
私はそのまま空へ舞い上がる。そして、白翼の先で火を撒き散らし火を揺らし火竜のように力強く飛んだ。そしてそのまま降りる。降りた先で魔力が散り発着場所が燃える。カッコいいイメージで飛べた。
「よしよし!!」
「女王陛下!?」
「ネフィア!! お前!!」
「トキヤほめて、飛んだよ!!」
「アホ!! ネフィア!! 発着場を見ろ!!」
「?」
周りを見ると……私の羽が燃え上がり衛兵があわてて水の魔法などで鎮火を行っており。全員が発着場を掃除していた。
「あっ……」
「女王陛下……人を抱えて飛ぶ場合。外で飛んでください」
「……ネフィア」
「ごめんなさい!!」
私はやり過ぎた結果。発着場の使用が遅れるだろう事が一目でわかる。
「……ネフィア」
「ごめんなさい!! 許して!!」
「出禁」
「!?」
*
王配魔王からの禁止事項(法とは別の首都内での王法)
大原則:他人に迷惑をかけない。
ネフィアの発着場の使用を禁じる。
むだりに屋外で炎を出さない。




