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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
第零間章~一時の日常、一時の安息、一時の関わり~
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最終決戦前の女神


 私は城の上にある尖塔の出っ張りに腰をかける。中は空洞や石で敷き詰められ。見た目だけの場所だ。


 空を飛べる者しか見ることの出来ない首都の景色を私はただただ眺め続ける。多くの英魔が混じり合い溶け合った幻想郷を。


スタッ!!


「ネフィア。ここで何を?」


 隣に竜化を解除したウルツワァイトが尖塔に腰かけて私に問う。私は視線を彼に向け微笑んだ。


「皆の見て、炎を感じてました。あの和やかな空気が終わりピリッとした空気を肌で感じていたのです。たまたま流れ着いた結果。ここまで大きく、ここまで戦えた。それの終わりが迫っている中で……少し寂しさを覚えた物ですから」


「……ふむ。楽しかったな。だが、必要な事だった」


「ええ、あっと言う間でした」


 私は皆の心を代弁する。確かに正史ではなく世界の捨てられた場所。だけどその結果で多くの人々が会いたいと願った人と会えた奇跡もあった。


 悪いばかりでもなく。気付けばこれはこれで平和な世界だったと言えよう。


「ネフィア。そろそろ会議の時間だな……5分遅れて来い」


「ええ、わかりました」


 私は白い翼を広げ落ちるように飛び立った。





 私はお腹に手を当てて時間を計り、待ち合わせから5分遅れてからダークエルフの衛兵に声をかけた。会議室の扉を開け中に胸を張って入っていく。丸めた旗を肩に担いだまま。


「起立!!」


ザッ!!


 私が入って行く中で族長と族長の代理に古竜である者達が立ち上がり。私はそのまま進んでいく。


 旗を衛兵に手渡し、飾るように言いつけたあと。定位置の奥の席へと向かった。その席には大陸の大きな地図が張ってあり。取り戻すべき世界を思い出させる。


 会議の参加族長はダークエルフ族長、エルフ族長、オーク族長、獣人族長、魚族族長、トロール族長、悪魔族長、吸血鬼族長、昆虫亜人族長代理と古竜のヘルカイトが立っている。


「敬礼!!」


ザッ!!


 皆がエルフ族長の号令に従い敬礼を行い。私も敬礼を返したあと手を下ろす。


「直れ!! 女王陛下。九代族長とヘルカイト殿以下10名集まりました」


「わかった」


 私が下ろしたあとに皆が下ろし私が座りエルフ族長がまた号令をかける。


「着席!! では、作戦会議を行います。女王陛下の王配トキヤ殿から説明をもらいましょう」


 後ろについてきていたトキヤが衛兵にボードを用意させ皆に図を見せる。それは旧人類の空中都市の断面図であり。詳細に何があるかを事細かに書かれていた。他にも予想される戦力も書かれた用紙が貼り付けられている。


「既に偵察で確認されたが地表はほぼ。彼等に乗っ取られている。しかし、それ以外に目立った動きはない。元々の狙いは新たな生命に乗っ取りを行うのが目的らしい」


 どうやら、旧人類は復活してしまったとの事だった。聞けば何やら天使も意思を持って動いているのでもう完全に乗っ取りが成功したと言える。


「女神は敗北したのかしら? トキヤ」


「ネフィア。それについてだが……恐らくそうらしい。旧文明を知るものからの情報ではあれの一種の用意されたものだと言うことだ。詳しくは手元の資料を持ってかえって読め」


 トキヤは用意させた資料を指差して余計な事を話さない。重要なのはそこではないのだろう。


「まぁ作戦を話すぞ。全力でこの空中都市を攻撃する。空中都市の中央に浮力を産み出す物がありこれを壊す。そして中央にある魂の箱というものを壊そうとして動き女神ヴィナスを呼び出し決着をつける。そして、その決着をネフィアが行う」


「私が?」


「ああ、女神を倒せるのはお前しかいない。英魔が全力であの都市の障壁を壊し陽動を行う。決戦なため遠慮なしでいく。その間に決着を」


「……大きな使命ね」


「お前ならやれる。そして……お前ならすべてを元通りに出来る。ここまで来たんだ最後は任せる」


「わかってる。大丈夫……私がこういう場面で失敗したこちある?」


「ない。以上が概要だ。細かな事は各自で煮詰めよ。とにかく飽和攻撃を行う」


 トキヤがそのままボードを片付けさせ大きく一言声を出した。


「質問は!! ないなら取り掛かれ!! 作戦決行時間は1週間後13:00!! ネフィア何かあるか?」


「ええ、陽の加護がありますように。解散」


「「「「陽の加護がありますように!!」」」」


 族長たちが真剣な表情で立ち上がり無言で会議室を去っていく使命に満ちた彼等の背中を見つめながらボソッと口に出す。


「ねぇ、トキヤ……本当に私に任せてもいいの?」


「嵐竜を倒したお前なら大丈夫だ。誰も女神は倒せはしないだろう。皆もそれは知ってお前に全て託すと決めたんだ。嵐竜で理解できた。あの力で敵わないならもう……手立てがない」


「……わかった。いいえ、そうなるような気がした」


「……」


 私は掌を見たあとに握りしめる。過ごした日々を思い出しながら。


「私はネフィア……英魔王。勝つわ」


「ああ……勝つ。勝って……どうにか世界を戻すんだ」


「ええ……どう戻せばいいかわからないけどね」


 そう言いながらも何となくだが私は女神の行った行為がわかった気がするのだった。そう、ルシファーの言う。改変された場所を。









 







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