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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
第零章中編 ~深淵の大穴、捨てられた大地から目覚めた魔王~
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英魔国会議~歪んだ執念~.


 ネフィア主導で一度戦略会議が執り行われる事となった。9人の族長が現れる中でネフィアはその面々に出会えた事に嬉しい気持ちになる。


 片腕のオーク族長とその息子。トロール族長とその息子が現れた。二人ともネフィアに礼をし、出会いを喜ぶ。トロール族長はスラリとした姿で流暢に言葉を喋り別人のようであり皆がその姿にビックリする。そして集まった者は……9人に従者を従えている。


「ようこそ。流れ着いた者たち……戦略会議を行います。では各自報告を」


 一人一人立ち上がり。行った戦闘行為を説明する。概ねは大体の土地を奪い流れついたと聞く。


 報告が終わると次に代表者のエルフ族長が演説を行う。


「今!! 我らは我らの大地を返してもらった!! 一次目標は終わり次のステップへと上がらなくてはいけない!! そう!! 女神ヴィナスの取り巻きを倒すのです!!」


 エルフ族長の言葉に皆が賛同を示す。エルフ族長はそのまま黒板に書く。


「旧人類、女神王国、竜連合。この三つが敵国である。先ず……何処を次の目標とするか決めよう。旧人類側については女王陛下の黒いゴーレムのご友人が情報を持ち攻略にも参加してくれるようだ」


 その言葉にダークエルフ族長が小さく囁く。


「黒いゴーレム……あの。旧人類の生き残りか」


 隣の雄婬魔のエリックと言う魔族長が目を細めた。


「信用出来るのか? 同じ旧人類だろう」


「女王陛下の未来でのご友人だ。『蒸気街』と言うちょっとわからない世界の住人らしい」


「「安心した」」


 一瞬で不満がなくなった彼らにネフィアは注意する。


「簡単に信用してますけど。少しは疑う事も必要ですよ?」


「多種族連合は信用と信頼と信じる心で出来ており、絶対条件で女王陛下にそれを置くことで団結出来るのですよ」


「………せやった」


 ネフィアは流石エルフ族長と考えながら。まぁ、あの黒いゴーレムは何もしない事はわかっている。なお、あのゴーレムは今は海でずっと黄昏ており、何をしているかわからない。


「ネフィア……まぁ。あの機械を『信じてもいいじゃないか』と言うか……かの機械から作戦が届いている」


 トキヤがネフィアに話をし、椅子から立ち上がりエルフ族長から白いチョークを奪う。そして、全員に紙を配るように騎士に命じて作戦資料の紙が配られる。


「実は決める前に旧人類の浮遊都市攻略戦の内容を煮詰めた。見ていただくとどうやら魔法によって動いているらしく。浮遊する石ではなくその場に止まる石によって浮遊しているらしい。あれを倒しても……何も得るものがないが」


「許すわけにはいきませんよ。ここまで煮詰まってるなら聞いてみましょうか。トキヤ殿」


「エルフ族長。長いぞ」


「短く頼む」


 トキヤがうなずき、説明がされる。そして……作戦について説明がされた結果。族長達が各々がトキヤに賛同する。


「決を取る必要ないですね。トキヤ殿の案で行きましょう。訓練期間を設けているので各自。内容に沿って合同訓練を行いましょう。いいですね?」


 満場一致で会議は決まる。他に案を用意している訳ではないためトキヤの案がすんなり通った。


 次の目標は旧人類との戦争となった。ネフィアは居眠りしトキヤに肩を揺すられて起きる。


「ネフィア。判子」


「ふぇ……あ、あん。ごめん……」


 ニギニギニギ


 トキヤがネフィアの手を使い。書類に指印を行う。指についた朱液をハンカチで拭い、そして……時間を皆が見たときエルフ族長が手を叩く。


「そろそろお昼の時間です。一旦お開きとして1時間後に関係者だけ集合してください。来なくてもいいですがね」


ピリッ


「ん!?」


 ネフィアは空気が重く、ピリッとした空気になったことを感じて背筋が張った。そう戦場のような重圧が会議室に満ちたのだ。


「……トキヤ……」


「ネフィア……午後は覚悟しとけ……驚くべきことだが。内戦があるんだ。未来の英魔では」


「………そうですか」


 長い間、国は存続しない事はわかっているだからこそ。9人が喧嘩し戦争になることなんて事をネフィアは何となくわかっていたのだった。





 ネフィアわかってなかっていなかった。内戦の意味もここまでピリッとする理由も。


 席に座るのはエルフ族長にダークエルフ族長。オーク族長の息子レオンにスライムの女性、スラリン大元帥。獣亞人族長リザード。魔族長セレファが会議に顔を出し、全く笑顔なく睨み合う。


 そして黒板にはある言葉が書かれていた。


【リーグ開始に関する会議】


「では、女王陛下。この書類を」


 エルフ族長が厳しい目付きでネフィアに紙を出す。唾を飲む音が響く。


「………」


 書類には野球に関する事項が書かれており。許可を求める書類だった。ネフィアはトキヤとコソコソ話をする。「何でこんなに野球でピリピリするの!! 内紛かと思ったじゃん!!」と伝え、「内紛だよ……だけどそれ以上にこの許可が内紛許諾だからな……よく吟味しろよ」と返答がある。


「うぐぅ……」


 ネフィアは悩む。異様な空気に。


「えっと……」


 エルフ族長が説得をするように口を開いた。


「兵士や国民を楽しませるためにやるべきですが如何でしょうか?」


 スラリン元帥が参加する。


「士気があがります。それにお金の流れも良くなります」


 ダークエルフ族長が説得に積極的に参加する。


「スポーツ精神は騎士道に通じる物もありいいと思います」


 オーク族長が叫ぶ。


「決闘より怪我が少ない!!」


 セレファ族長が静かに提案する。


「色んな種族の交流の場。もとい、デーモンたちの憂さ晴らしにもってこいです」


 リザード族長が笑顔で爆弾発言をする。


「許可しないのであれば戦争も辞さない」


 最後は脅しでありネフィアは熱意に負け指に朱をつける。そしてゆっくりとゆっくりと押す瞬間に……ネフィアは何故か時間が引き伸ばされる間隔がする。そう……指が重たいのだ。


「な、なに!? この重さは!?」


 多くの族長が息を飲む。ネフィアは押そうとしているが動かない。


「くぅ!? 軽い気持ちでは押せないのか!?」


 ネフィアは汗が吹き出る。引き伸ばされた時間の中で苦慮し……これから起こる壮絶な戦争に息を飲んだ。「はぁああああああああ!! なるようになれ!!」と思いながら。


ポチ


 指印を押したその瞬間、エルフ族長が横から引き抜き掲げる。


「勝ち取ったぞおおおおおお!!」


 その声と共に全員が立ち上がり従者に命令を出す。


「電報を打て!!」「領地に報告!!」「伝令を走らせよ!!」「デーモンの門を開け!! 恩赦で解放だ」「歴史が始まる」「内容は!?」「海族は勝ち取った!!」「女王が認めたぞ!!」「やきゅうのじぁんだあああああああ!!」


 会議室が大音量で指示が飛び、従者が駆け巡る。大きく勝訴と書かれた紙を掲げながら廊下を走り一瞬にして情報が広まる。あまりの必死さに指を押したままでボーと様子を見ていたネフィアは皆が落ちついた瞬間にやっと我に帰った。


「あ、あの……」


「それでは。これから開幕戦についてや、まとめましょう」


「我らエルフダークドラゴンズはエルフホワイトスワローズと戦おう」


「では、私はお前だ!! オークジャイアンツ!!」


「かかってこいリザードタイガーズ!! 玉砕してやろう!! リザードの兄貴め!!」


「あまりましたね。スラリン監督」


「いつも通りだな。デビルカープズと大洋ホエールズとしよう」


「では、開幕戦日時ですが……本拠地はくじ引きで。開幕始球式は……」


「大洋ホエールズはネフィア女王が始球式。すでに決まっている」


「「「!?」」」


 ネフィアは蚊帳の外のまま会議は大荒れしたのだった。















 

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