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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
第零章中編 ~深淵の大穴、捨てられた大地から目覚めた魔王~
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AF「無限の歯車」滅んだ海底都市のレガシー ①..


 私は都市ホエールの宿屋で起きた後、何しようか悩んでいた。轟音と共に朝を知らせる擬似太陽を見ながら。


→ダンジョンの様子見

→トラストさんへの功労


 私は孤児のこの子たちが轟音で起きたのを確認しダンジョンの様子を見に行くことにしたのだった。





 ホエールの冒険者酒場に行くとダンジョンは色んな場所に点在しているようだった。ホエールの場所は海底神殿、海底トンネル、滅びた都市、滅んだ海底シェルターなど。海の底に沈んだ文明が眠っているらしい。


 暗い中でそれを探索するのは大変だが。有用な技術が発掘されるためホエールの冒険者たちは毎日深く潜っているようだった。


 他の冒険者酒場から寄越されるダンジョン情報を見ると。数が多くのとてもじゃないが回れていない。人手不足が考えられた。


 だからと言って私に何が出来るわけでもない。そう……一から人を作ることは出来ないのだ。


「うーん……様子……見ようと思ったのに。多い」


「ネフィア様? 冒険ですか?」


 私は受付の人魚に向きなおり頷いた。あまり危険な場所ではなく。孤児にこういう場所であると教えるために行こうと考えたのだ。危険な場所であることを教えるつもりだ。


「それでしたら。発掘され尽くした所でどうでしょうか?」


「うん? あるの?」


「冒険者用に用意しているのはですね。探検がまだなダンジョンだけです。こちらに探検済みがございます。どうぞ……」


「うん。わかった。そこへ行こう」


 私は数枚のダンジョンの絵を見せて貰い。それの一つを掴む。そのダンジョンに向け、船を出して貰えることになったのだった。





 

 向かった先はただの海底に沈んだ何かの建物の中だった。神殿とは違い中は錆びた壁のような物に覆われている。触れると鉄板の壁であり、扉も鉄板だった。しかし、それらは非常に恐ろしい程に朽ち、ドアノブさえも取れている。


 多くの冒険者が通った後があり、白骨化した遺体もあった。


 孤児のはそれに手を合わせて骨を拾う。その、優しさに驚く。


「ネフィア様も手を合わせないのですか?」


「合わせましょう。もう……魂もないですが」


「あっ……」


 孤児が察して笑顔で私を見る。


「じゃぁ~骨だけ持っていきます‼」


「ふふ。ええ」


 小さな袋に頭蓋をおさめる。孤児たちは死人に対しての扱いを教えてもらっているのだろう。孤児院は一応教会だった故に。「そういう宗教なのだろう」と私は思う。


「じゃぁ……奥へいきましょう。何もないと思いますが」


 そう言うと。子供達は護身用の杖を持ってドキドキしながら進んでいく。モンスターはいても私が何とかするつもりで奥へと進むと。一面窓ガラスの廊下が現れる。円柱を横にしたような通路。銀色の床にガラスがそのままの何かの建物に続いていた。


 廊下は暗くしかしガラスの向こう側の外は陽光がさし、幻想的な海の中を見せてくれる。生き物も見え、孤児たちが指を差して興奮する。黒い龍のように細長い生き物が勢いよく泳いでいく。


「うわぁ……おおきい」「おおきいです!!」「女王陛下とどちらが強いですか?」


「どっちが強いでしょうね……わかりません。やってみないとね」


 穏やかにそう言う。しかし……私は絶対に勝つつもりでガラスの先に魔物を睨む。護ると決めている。


「あっ!? なにこれ!!」「ウネウネ!!」


「イカですね」


 白い10~40cmぐらいのイカがフヨフヨ泳ぎ、輝きながら他のイカと会話のように意思を伝えあっているのが見えた。円柱の廊下の周りをぐるっと群れが泳ぎ私たちはそのイカの目と合う。


「こ、こわい」「女王さま……睨まれてます」


「……光に寄ってるだけね。まぁ可愛いものだから安心し………」


 ごばぁあああああ


 私は奥側で岩が動くのを見たときそれがイカの形だった事に冷や汗をかく。そのイカの目と合う。岩のようにゴツゴツした化物だ。


「……でかいわ」


 しかし、危害は受けずそのまま廊下を進みきり、水の中にある建物に入る。すると……驚くことにそれは鉄箱の中のような場所で、所々ケーブルと言う電線が張り巡らされていた。


 異様な場所で……そのまま進んでいくと壁に中央監視室と言う部屋を見つけ、こじ開けられたその部屋に入った。


 そこは前面がガラス張りであり、水槽のように海の中を覗け、機械や椅子が散乱していた。


 私は都市ホエールにある資料を目にしていたのでここがどういった施設かを知っている。だからこそ……少しだけ。可哀想な気がするのだ。


 報告書は日記もある。そう……陸が汚染され逃げてきた人のための場所だったが。事故があり、悲劇が生まれた。ここの旧人類は死滅したとされる。封じられたドアがあり、その先はもっと多くの人が住んでいたらしいが今は誰もいない。


「ここらで休憩しましょう。それで帰りましょうね」


「「「「はーい」」」」


 私は孤児に自由にしてもいいといい。勝手に遊ばせる。どうやら電源は無い状態らしいので安心していた。なんか機械が襲ってくると言う知識は持ち合わせている。


「……ネフィア女王!! ここピコピコしてる!!」


「ん? それ……触っちゃダメよ」


 私は一人の女の子に近付き。そのランプがついていると言う機器へ向かった。私の後ろで様子を見ている彼女達に私はある物を見つける。異界の世界で使われていた文字に覚えがあった。


「緊急事態……エネルギー低下……非常電源に切り替えをお願いします……応答お願いします」


 資料にこんな文字を見たことはない。本当に調べたのか冒険者を疑う。


「女王陛下!? 文字読めるの!?」


「うん……ちょっとまって」


 私はその壊れていないパソコンに文字を打つ。あなたは誰かと昔の言語で。


「………オペレーター。製造番号A-000。名前カスミ」


「名前……ネフィア……ヴァ……間違いっと……ネロリリス」


 カチカチとキーボードを叩く。あの本の世界での知識がここで役立つとは思いもしなかった。


「認証……該当無し……質問……誰?」


 私は悩む。事細かく説明しなければいけないほどに複雑だからだ。そして……決める。


「陸上生物」


 なんとも言えない気持ちで返信を待つ。


「知的生命体……視認確認……人型……新人類……」


「肯定……広義で新人類」


「新たな人類に市民権配布……頼み」


「いいよ」


「非常電源を手動で入れ換えてください。地図を配布します。高汚染地域のため……スーツ着用推奨」


「……汚染地域、外とどちらが汚染度高い?」


「………確認中。センサー損傷……1~10検知不能……11検知不能……12検知……13検知………結果確認。外気数値検知……結果確認。汚染地域より外側汚染度のが高いようです」


「なら、大丈夫……地図が……こうこう。マッピングなんて久しぶりね」


 そう思いながら地図をそこにあった朽ちていない紙に書いていく。何年か前にトキヤに教えて貰った事を思い出し懐かしい気持ちになる。「冒険者でも生きていけるように」と彼が授けたのだ。


「本当に……使える日が来るとはね。孤児について守ってくれる?」


「……了承。庇護対象とします」


「ありがとう。皆!! 私はこれから少し依頼を片付けます。皆はここで大人しくしてて」


「……お受け取りください」


カシャー


 機器の横にある箱の鍵が開き。中から何やら道具が出る。私は記憶通りにそれをつける。


「認証……ネフィア・ネロリリス様。聞こえますか? 私はカスミです」


「……ええ聞こえます。経年劣化せず電池よく持ってたね」


「よく、ご存知で。ご安心ください。非常用であり使用率が無かったため大丈夫です。それよりも私が落ちそうです」


「……落ちそうね……」


 そのまま、それをつけて地図を見ながら扉に向かう。ゆっくりと崩れている場所等を退かしながら……ダクトなどから進む。そして声の主と会話をする。


 先ずは私は意見を交換する。情報交換は何より大切である。今の世界の事を伝え……旧人類は滅んだことも伝えた。そして……彼女からここであった事を再度聞く。何故滅んだかと。


「結局……人が地下でも争って何やらよくわからない炉の整備が間に合わずに暴走して人が住めなくなって滅んだのね」


「はい。私が彼を呼び戻すことを躊躇したために……」


 彼女は人工(オートマチック)知能(インテリジェンス)であり、旧人類が生き残った旧人類を助け、時に管理するために作った物らしい。しかし、暴走した人類を止められず結局。機械化された者だけが残り。整備されず……いつしか機械も止まったとらしい。


「本当に昔は科学が発展してたのね……」


「そうです。しかし、人類は愚かだった」


「まぁ今と対しての変わりませんよ……」


 そう思いながら。鉄骨を魔法で溶かし道を開ける。耳元の女性はその魔法に興味を示しながらミュータントと言う。ミュータントとは突然変異体らしいが。私は突然変異体どころか雌雄変異体でもある。孤児の一部も。


「……本当に不思議な方です。本来外の世界ではここまで我々の文化を知るものは居ません。何処でその知識を? 何故機器を扱えたのですか? 大変助かりましたが」


「ちょっとした夢の世界で私は知り得ました。それが役立つとは全く思いもしませんでしたが」


「非現実的ですが……結果。こうしているのでそれは現実なのでしょうね」


「……人工知能なのに人間臭いですね」


「ありがとうございます。そう作られたのです。まぁ……一番は彼の存在がおおきいのでしょう」


 所々、彼、彼と言う人工知能に私は匂う。彼の時だけ声が変わっているのも彼女はわかっているのだろうか?


「ネフィア様……その先です」


「わかった」


 私はある一室に到着する。魔力が少し濃く驚くほどおおきい円柱の鉄の塊に過去の人の技術の高さが伺えた。私が自分の翼で周りを照らし……これかなと言うのを見つける。


 何やらガラスで赤いボタンが保護されており。近くにハンドルがあった。


「原始的ねハンドルなんて」


「はい……原始的です。バルブを開けてください。ランプがつきましたらボタンを押してください」


 私はバルブを開けてガラスを割ってボタンを押す。原理はわからないがバルブを開けると水の流れる音共にボタンのランプがつき。押したとき背後で大きな大きな駆動する音が聞こえた。


ぶるんぶるん!! ぶるるるる!!


「非常電池から非常電源に切り替えます。次に隣の青いバルブを開けてください」


「わかった……ん………ぐぅ!! かたい!!」


 固着したバルブを鬼のような力で回す。回しきると何処かで水の音が聞こえ出す。


「発電機機動。水力発電も開始されました。蓄電し、送電します。ネフィアさん、防衛システムが起動し攻撃を始めます気を付けてください」


「なんで!? なんで!?」


「バグ、ウィルス検知。操縦不可。最終手段アサルトモード発令中。生きている者は抹消対象です」


「あの子達が大丈夫なんでしょうね‼」


「隔壁閉鎖。問題ありません。しかし、酸素供給が途絶えてますので時間はありません。目的地に向かってください」


「もういいでしょ? 帰るわよ?」


「拒否。あなたの子供。人質です」


「……ひっど」


 私は首を振りながら悪態をつく。


「申し訳ありません……ですが。お願いします」


「……わかった。目的地は?」


「画面を見てください」


 近くの端末を見ると地図が表示される。そして……脱出ルートも表示され……ここへ向かえと依頼される。


「わかった。メモする……」


 それを書き込み。私は声に導かれて歩き出す。鉄の乾いた足音ともに重厚な足音が聞こえ、強く拳を握りしめた。防衛システムとやらを拝見しましょう……旧人類の叡知やらを。





ガガガガガ!! ガッシャン!!


「ふぅ……ここら辺はこれだけ?」


 大きなゴーレムの動力部に大きい氷柱を刺し、顔面を引きちぎり沈黙させる。だらりと項垂れて火花を散らすゴーレムから離れてそのまま走り抜ける。パイプなどが折れ塞ぐ道をヒョイヒョイと越えながら耳に金属の擦れる音が響いてくる。


「付近の防衛システムはこれで最後です。救難信号により援軍が来ます。高性能ゴーレムが向かっています」


「結構……多い。鉄ばっかだし……」


「その先です」


「その先って……隔壁が……」


「……隔壁閉鎖。解除…………データ解析。10分かかります。それまで敵の進行を……」


「遅い。押して参る。すぅ………はぁ………」


 私は拳に力を込めたあと脱力し、目を閉じて拳を腰に構える。そして勢いよく……右手を真っ直ぐ振り上げる。


 ぼごぉおおおお!!


「一撃じゃダメね……なら!!」


 ガンガンガンガンガン!!


 一撃、一撃、拳を固めて殴り続ける。隔壁がへっこみ。人が通れるぐらいにへしゃげたあとすり抜けた。


「何分?」


「3分……」


「ちょっとかかったね。まだ隔壁あるね」


「2枚です。解析中」


「ねぇ、どっちが早い?」


 手首をコキコキと鳴らし問う。


「……解析完了開きます」


 すると、何故かムッとした声とともに二つの扉が開かれる。


「出来るじゃん」


「………はい」


 人間臭い返事を聞きながら隔壁で守られた物を私は見る。それは黒く黑く。何よりも光を吸うほどに漆黒なゴーレムが膝をついていた。所々が壊れているようなゴーレムに彼女は名を口にする。


「彼の名は……黑鳥といいます」


「くろいとり?」


「烏のような黒い鳥です」


「名前なの?」


「私がつけた二つ名です」


「……機械よね?」


「……………再起動……しませんでしたか……」


「あなたが命令するんじゃないの?」


「否定……彼は自由な翼を持ち羽ばたく者。私の支配を抜けた人です。残念ながら……彼はもう。動きませんでした……」


「……愛してるの?」


「愛とはわかりません。ただ……ただ……何もわかりません。オペレーター、カスミと言う名前だけが……残ります」


「ふーん。でも……悲しい。寂しいと言うんでしょう」


「……………はい」


「それは立派な愛です。旧人類の人。こういう機械はね!!」


 私は飛び立ち、ゴーレムの顔にあたる部分の横に立つ。


「何をされるのでしょうか?」


「叩いて直すの!!」


「!?」


バコン!!


 私はゴーレムの顔を殴る。鈍い金属音が響き……手を押さえる。特注品なのか予想外に固かったのだ。隔壁よりも。


「……何もないね」


「………いえ」


ブゥン……ウウウウウウウウウウン!! ガシュン!!


「あわわわ!!」


 ゴーレムが音を立てて動き出し。何かが回る音とともに立ち上がる。私は慌てて降り、ゴーレムを見上げた。


カシュンカシュン……シュウー


 ゴーレムの顔のレンズに私の姿が写る。そして、その姿を見ていると背後で爆発音が響いた。振り向くと隔壁が爆破されて煙が舞う。


ボゴーン!!


「けほけほ!! なに!!」


「……ネフィア様。再起動確認。『乗ってください』との事です」


「肩に? ちょっとまっ……!?」


ガシャン!! ヒョイ!! ガシュン!!


 私はゴーレムに掴まれ。ゴーレムのお腹の開いた大きな口に飲み込まれる。そして、口を閉じられた瞬間に柔らかい椅子に座っているのがわかった。


【………自己紹介。カラス】


「あっ……はい。ネフィアです」


 暗かった周りが明るくなり、外の景色が見えるようになる。そして、何か文字が浮かび上がる。


「おはよう黑鳥……オペレーターです」


【おはよう。カスミ…………】


「申し訳ありません。カスミ。戦闘モード起動……敵確認……重量型ゴーレム。高威力のバズーカに気を付けてください。撤退ルート……送信」


【了解……機体損傷……右椀部損傷、両方武装パージ。左椀部………損傷軽微。スラスター……損傷軽微】


 私の目の前で文字列が走り、そして……煙の中に突っ込む映像が流れる。強力な重力を感じながら椅子にからだが固定される。


【ゴーレム確認……】


ブオオオオオオオオオン!!


 映像が高速で動き、煙の中に居たゴーレムの横から何やら光の刃で袈裟に斬り払い。蹴り飛ばす映像が流れる。


「ふぁあああああああああ!? なにこれ!?」


 目の前で金属の溶ける瞬間と爆発を見たあと。また強力な重力を感じ。そのまま私は成すがまま……二人の掛け合いをみつめる。


「いや!? イチャイチャしすぎやろ!!」


【……イチャイチャ?】


「……………………」


「ああもん!! そこの人工知能!! もごっ!?」


 何かを叫ぼうとした瞬間。私は強制的にマスクをつけさせられたのだった。





































 




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