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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
第零章中編 ~深淵の大穴、捨てられた大地から目覚めた魔王~
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自由に島を歩こう①..


 功労授与式はつつねなく終わった。メダルを贈呈し、それで終わりの簡素な物。もちろん右手をダラーンと垂らした状態でだ。皆がそれに心を痛めるのをあえて行う。


 「お前らが不甲斐ないから」と……彼らに刻まれ。目に焼き付けさせた。


 次第に目は怒りに染まっているが。うまく調整するだろうと思う。功労授与式後は自由時間だった。


 トキヤはいない。トキヤもお仕事だ。


 何処へ行こう。先ずは何をしよう?


→都市ホエール巡礼

→都市インバス巡礼

→ダンジョンの様子見

→魔導研究所の様子見

→婬魔メイドの故郷

→トラストさんへの功労


 決めた……先ずは……






 私は目の前の砦の門に立つ。重たそうな鉄扉の両脇に銀色の防御無視見た目重視の騎士鎧を着た有翼で何処か……私に似た女騎士を見てみた。その女騎士は丁寧に何人も追い返しており、立て札には今は入ることが出来ない旨が書かれていた。


 空から見たこの中は小さな街が収まっている。しかし、店があるようには見えなかった。


「入れない? ……帰ろうかな?」


 最初に一番ダメそうな場所に来たのだが入れそうに無くて踵を返す。一番エルフ族長関連で「いかがわしい」そうな場所を選んだが入れないなら……仕方がない。


「………あの……女王陛下?」


「ん?」


 踵を返した背後で声を聞き。ビシッとした女騎士が私に敬礼を行う。


「こんにちは」


「はい!! お疲れさまです。何かご用でしょうか?」


「自由に歩こうと思って。流れ着いた場所をね……まわろうと。一番始めにここにしたんだけど………入れなさそう」


「えっ!? いいえ!! 女王陛下はお入りになられます!! 今は婬魔、ギルドの通行証。メンバーカード所有者。関係者の方のみ入っていただけます。女王陛下はもちろん入いれます。サンサンいいよね?」


「いいよ。ヨンヨン。入って貰おう」


「ですです」


 女騎士がどうぞどうぞと手で奥へ誘導する。


「……いいの?」


「大丈夫です。エルフ族長様は何も言えません」


「そうです。ヨンヨンの言う通り。パパは何も言えませんよ」


「……パパ?」


「あっ………そっか。女王陛下はここがどんな場所かを見に来たんですよね? 知りませんよね……」


「一応、本当のパパじゃないです。ただ……好きに呼んでるんです。ここの婬魔たちは。私は少数派です。一番多いのは?」


「ご主人さまではないでしょうか?」


「ご主人さまですね」


 物凄く嫌な予感がしてきた。


「えっと……」


「ちょっと女王陛下、おまちを。今から夢渡りでフリーメイドをお呼びします。呼び方は……お嬢様がいいですか? 好きにお呼びしてください。後ですね。No1~10の最初のメイドたちをお呼びします」


「………」


 なんかすごく。すごく……嫌な予感がする。


「あ、あの……あなたたちもしかして婬魔?」


「「はい」」


 天使族とか新しい種族かと思った。


「私はヨンヨンと言い。44人目の婬魔です」


「サンサンです。33人目の婬魔で~だいたい番号がそのまま名前です。パパめんどくさくなったからそんな感じです。まぁ……ねぇ」


「100人とか1000人とかに名前をつけてられないもんね」


「ヒャクちゃんとかセンちゃんとか分かりやすいからいいですけどね」


「何人いるの婬魔は?」


「ええっと……何人?」


「サンセン・サンサンちゃんとかいたよね」


「3033人ですね」


「全員婬魔?」


「もちろんです」


「全員婬魔?」


「婬魔でしょ? サンサン」


「ヨンヨン……エルフ族の一部もいるよね?」


「あっでも。ほぼ婬魔です」


 この砦……めっちゃ婬魔が多いらしい。そんな事を考えながら待っていると奥から何人かの子が準備が出来ましたと言い。私は門を潜った。すると………



「「「「「「「ネフィア様!! おかえりなさいませ」」」」」」」


 数百のメイドが並んでおり一斉に挨拶をしたあとにお辞儀をする。街灯で照らされる中を笑顔で迎えられた。その中で……私に似た女性が一人お辞儀をして私に質問した。


「お好きなメイドをお選びください、お嬢様。男がよろしければ……少しお待ちすればご用意できます。どんな子でもご用意致します。どういたしますか?」


「……………えっ?」


「イチ。ネフィアお嬢様はただの視察ですよ?」


「サンサン……それって?」


「ここをどういった物か紹介してほしんだって~」


「風俗です」


「イチ!? ざっくりしすぎだよ!?」


 いや……もう帰ろうかなと本当に悩み出すのだった。





 私はイチと言う子に連れられ、カフェがある建物に入り、空席に座る。飲み物を注文するときにイチゴミルクを頼んだ。コップに入ったイチゴミルクをメイドが持ってくる。


「ええっと。今日御一緒させていただきます。イチです」


「メイド長?」


「メイド長はフィア夫人です。エルフ族長の奥さんで私たちのお師匠です」


「ふーん」


「なんでも質問してください」


 大出世したものだなーと思いつつ私は彼女を見た。


 何から聞こうか?

→ここの場所について

→なんで私に似ているの?

→婬魔が多い理由

→イチは一番の婬魔?

→なんでメイドばっかり?


 よし、全部聞こうか。


「ここってなに?」


「エルフ族長が路頭に迷う者。拷問された者。奴隷で売られていたり色々な過酷な状況だった婬魔を集めた場所です」


「へぇ~。隔離してるのね」


「はい。害が与えられないように護るためだそうです。今では私たちが自分達で護る場所になりました。一応……魔法、剣術、武術は修練してます」


「ふーん。頑張ってるんだ。でも……なんで私に似ているの?」


「ご主人さまの趣味です。私から50番まで似てます。そこからご主人さまも『これはいけない』と思ったのでしょう。そこからは……私たちの姿は大きく多様性になりました。でも、美少女であると言うのは変わらないですけど」


「…………」


 エルフ族長グレデンデは道を踏み外している気がする。


「婬魔が多い理由は?」


「婬魔だけを集めたからだと思います。ご主人さまの趣味です」


「趣味で……いいの?」


「いいです。衣食住を……私たちは人並みにくださいましたから」


 きれいな笑みだった。辛い日々をそうやって笑えるほどに。


「前は何処に?」


「都市インバスで人間相手にいつも体をいたぶられていました。血井戸に捨てられる前に助けていただきました。そうです……ここの婬魔は皆。助けなければ亡くなっていた婬魔たちです」


「………」


「感謝してます。女王陛下に……婬魔として。登っていただいたから。私たちは幸せに慣れちゃいまいした」


「うん。それはよかった」


 ネフィアの冒険が結果的に婬魔の地位を押し上げたのだろう。現に……辛い想像を絶する人生だっただろう。


「イチは一番の婬魔?」


「私はただ前列に居ただけです。ご主人さまは皆に平等で……フィア夫人以外は平等です」


「なんでメイド姿は……まぁわかるか」


「そうですね。ご主人さまの趣味とお仕事です。私たちは一人一人お客と接待してお金をいただいてます。風俗ですね。メイドを雇えない人とか……婬魔大好きな方とか。ご主人さまみたいな方もよく利用されます。あとは……婬魔が働いてる。ソープとSMクラブにカジノとここのカフェ。バーカウンター。ホテルにリラックスゾーンとかレストランもあります。大浴場もありますね」


 結構小さな街らしい設備がしっかりしていた。私は頷くとイチゴミルクを飲み干す。


「なんか……男性向けの所ね」


「ちらほらお嬢様もいらっしゃいます」


「私のように?」


「………」


 スッと顔を背けたのは違うと言うことだろうか? 百合の香りがする。


「まぁ……色々です。お嬢様……これからお願いがあるのですが。いいでしょうか?」


「なんでしょうか? この都市の事はわかったので暇がありますから」


「では……会っていただきたい方がいます。ご案内します」


 私は彼女についていくことにしたのだった。







 イチについていった場所は大きな聖堂と大きな庭で遊ぶ子供達だった。数人のお姉さんは母親代わりなのだろうか子供達を微笑んで見守る。私も同じように明るく遊んでいる子供達を見た。街灯が激しく輝き。昼間のように明るい。


 少し、ネフィアの記憶。お腹の辺りが寂しくなるが。致し方ない事だと首を振る。私ではない彼女の後悔だ。


「えっと……ここは? 教会?」


「陽の女神の教会と婬魔の孤児院です」


「孤児院?」


「はい……私たちは多くが孤児でした。子供の時に確保されたのは孤児院に来ます。あと、確保されてたときに妊娠していた婬魔もおり。その子たちが集まってます。私の子もいます」


「子……いたんだ」


「子が出来たから捨てられたんですけどね」


 さらっと酷いことを聞いた。やっぱり昔の都市インバスはろくでない。


「婬魔は成長がまちまちで。私の子はまだ乳飲み子です。一応かわりばんこで面倒を見てます」


「でっ……なんでここに?」


「女王陛下に会いたい子が多いです。だから……あってほしいのです」


「……わかった」


「ありがとうございます。オーイみんなーネフィア女王陛下だぞ~」


「「「「!?」」」」


 イチが遊んでいる子達に声を出すと。皆の動きが止まり一斉に私の前に来る。皆可愛らしい少女で……質問攻めにあう。だけど……私はすごく慕われている事に嬉しくなり。それは夜中の時間まで孤児院に居続けてしまうほどだった。












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