都市インバス抹消奇襲戦..
時刻、零七時三○時。
暗い海を魔石灯光機で照らす中で私たちは指示を受ける。多くの鉄の船で牽引されていた水上機にスライムたちがウネウネとして今か今かとウズウズする。私もその仲間たちと体液をグルグルさせて暖めていた。
「スラリン大将から伝達!! 準備!!」
「エンジン回せ!! スラン!!」
ブルン!!
水上機のパンジャンに乗り込み。多くのパイプに体を突っ込む。身をブクブクと膨らませ。エンジンに体液を流し込み魔力を通す。
ブルッ……ブルッ!! ブルッブルッブルッブルッ!!
「いいよ!! 回った!!」
「わかった!! スラン機OK!!」
「……よし!! 行け!!」
「スラン出ます!!」
ブルブルブルブルブルルルルルルルル!!
プロペラを勢いよく魔力を吐きながら回る。ゆっくりと水上機が速度が上がっていき月明かりの中をゆっくりと浮遊する。海は静かで波も立たず。なんなく海面すれすれを飛び。霧の奥、光がある場所へと向かった。
後ろに同じように飛んでくる青い機体は……私の赤い機体を追ってくる。
「スラン!! 久しぶりの実戦だが……不明機に気を付けろよ!! あと、夜間飛行は視認が悪い。海面計器に気を付けな」
複座の魚人でありサハギンの魔法使いが注意をする。
「もちろん……レッドの機体の恥はかかせないさ」
張り巡らせたパイプを使い。舵をきりながら目の前の空に我々は飛び出る。
*
「……女王陛下。今です……」
ブォオオオオオオオオオオオン!!
大きい羽音が背後から迫り、数十機の赤と青の飛行機が飛んでいく。それを見ていた私は合図を飛ばす。
「行くぞ!! 我々の威光を示せ!!」
「「「ワアアアアアアアアアアアア」」」
飛行機を追いかけ、竜たちと共に空へ舞う。自分は自分の翼で飛びたち。都市インバスの霧に向けて飛行する。多くの飛行できるあ亞人たちを引き連れる。
「霧が深い!!」
「霧が深い」
「霧が深い」
「霧が深いなー」
「…………」
飛びながら不平不満を私は聞きながら、飛んでいく。すると………目の前の飛行機がチカチカと輝き。ポォッと何か霧の中に向けて落とした。
それが……爆裂魔法の類いだったのを知るのにそんなに時間はかからなかった。
ドゴン!! ドゴン!! ドゴン!!
それは霧の中を落下し、霧の中で重低音の爆発音が数度起きる。ゆっくりと霧が晴れていき。都市が爆発しているのを見えた。竜や亞人が呆気に取られて停止し、私は何があったかを把握する。
「魔法疎外範囲外からの攻撃……そして、障壁を割ってみせるほどの魔法……くくくく!!」
皆が私を見る。大きい翼を広げ、大きい声で叫ぶ。
「ハハハハハ!! 都市インバスに告ぐ!! 地獄の底から余は帰ってきた!! ネファリウスは帰ってきたぞ!!」
膨大な声量と共に、都市インバスの悪魔たちが空に上がり。奥からは天使も見える。それを確認した瞬間に皆が都市インバス上空に向けて飛んでいく。
英魔、デーモン、天使の空での戦いが始まるのを予見し、それを制した物が勝つことが今さっきの爆撃で理解した。空からの一方的な攻撃に私は一瞬で戦争が変わったことを匂いで感じとる。
「いいねぇ……真っ赤に燃える」
爆撃はまだ続いており。悪魔が怒りながら空を飛んでいく。その中で、面白い人を見つけて魔力を集める。
「トレイン……みーつけた~」
私は勢いよく、懐かしき生きている側近に向かって突っ込むのだった。
*
「スラン……爆撃はやめる。今から格闘戦だ」
「わかってる。行くぞ!!」
私は機体を反転させ、右下に舵を取り。宙返りをする。ブゥウウウウウウウンと音を鳴らしながら。
「悪魔……デーモン種。追いかけてはこない」
「……なんだあの動き。バラバラじゃねーか」
「そうみたい……なら!! こっちから仕掛ける!!」
カシャ!! ガコン!!
魔力を砲身に入れ、私は魔法を唱えた。正面に魔方陣が生まれ……悪魔を捉える。正面の十字のレンズ中心にあわせて魔法を打ち出す。
「アイスランス!!」
バババババババババババ!!
細かな氷の槍が飛行速度と発射の勢いを伴って悪魔に当たる。悪魔の体が千切れ、翼が氷がくっつき落ちていく。その脇を通りすぎ、上に舵をきって上空に戻っていく。
それを見ていた悪魔たちが右手にデーモンランスと言う魔法を物理化させたものを投げ、背後に迫ってくる。
「背後から来る!! まけない!!」
「わかってる。待ってろ……デーモンランスを打ち落とす!!」
バババババババババババ!!
複座の魚人が魔方陣からアイスランスを連発し、デーモンランスを凍らせて追尾の動きが弱まる。そのまま速度で振り切り。もう一度、宙返りをして止まっている悪魔に向けて同じように攻撃を行う。
悪魔や天使、昆虫亞人族が飛び回る曇天の空を赤いエース機が飛び回る。青い機体などもいるが……何機かはデーモンランスに落とされていた。
「結構……数が多い!!」
そう、私は思いながらも………悪魔を落としていく。
*
青い機体の翼に私は乗り込み、重力球をぶつけて破壊した。速度はいいが……乗ってしまえばスライムと亞人。何も出来ずに落とすことが出来る。
ヒュウウウウウウウン!! ドッガーン!!
きりもみし落ち。爆発するのを目に瞑ればいだが。霧が晴れた中で都市インバスに被害がで続ける。
「なんと言う厄介ない物か……竜もいる。天使は何故か戦いに参加しているし……」
私は父上が地上で胡座をかいているだろう事を考え……呼びに行こうとしたその瞬間だった。
ガシッ!!
真っ直ぐ白い何かが突っ込み首を掴み。そのまま都市インバスの石畳に叩きつけられる。見るとそれは金髪の少女が眼光を放ち。口が裂けそうなほどに笑みを向ける。
「やぁ……トレイン・ヴァルボルグ……久しぶり」
「ネフィア・ネロリリス!!」
首を捕んだ手に虚無呪文を放つ。ネフィアはそれを手を離し避け、距離をとった。ケホケホと咳をし魔剣を向ける。
「……魔剣ネファリウスね。ふーん」
同じように緑の剣を取り出すネフィアに俺は悪態をつく。上空は劣勢であり、すぐさま立て直さないといけないのに……
「お前は死んだ筈だ……」
「死んでない。私はね……死んだのはネファリウス。ネフィアは生きている。ねぇ……そういえばまだ一度も戦ったこと……なかったよねぇ!!」
ブヮッ!!
ネフィアが魔力を高めた瞬間に周りに霜がつく。膨大な魔力に背筋が冷えた。知っているネファリウスとは比べ物にならない。そう……完全に別人のようなほど。魔導士として才能が見てとれる。
「………」
しかし、魔導士勝負なら自分自身に自信があった。何故なら……
「おっ……トレイン……その姿が本物なのね」
「ええ、デーモンですから」
大きく肥大化させた角を見せつけ。同じ量の魔量を放出し、都市インバス中の魔力を集める。
「…………」
ネフィアのほほに一筋の汗が垂れるのに愉悦を感じ。自分は笑顔で剣を媒体に魔法を唱えた。




