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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
第零章ヴァルキュリア・フロストバーン前編RPG ~女神の統べる世界、捨てられた島~
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エンゲージ~始めての敵、旧人類~..


 金竜銀竜を先頭に鋼竜ウルツウァイトに乗った私は霧深い空を飛び。夜営を挟みながら深い深い樹海の妖精国だった場所を飛び続ける。


 途中、目ぼしい都市は無く。ただただ西へと進んだ。そして……世界樹の場所まで近付いたと思った瞬間。


 金竜が上空で急旋回し銀竜と鋼竜に伝えた。


「旋回して!! 予言に………得体のしれないのが現れる!!」


 そう叫んで慌てて旋回し、私はしがみつく。


「いったいなに!? ウロっち!!」


「そうだ!! 何が見えた!!」


「二人とも!! ここから逃げよう!! 変なのが!!」


 ブォオオオオン!!


「「「!?」」」


 上空で私はそれを見る。それは鳥のようで鳥じゃない。T字の真ん中にぎろっとした目を持ち。高速で飛んでくる。まるで異世界の飛行機に似た物のようで生き物と機械が混じった姿をしている。


 とにかく形容しにくいT字の生物が迫ってくるのだ。それも………10匹も。


「何処から出やがった!!」


「くっ!? わかんない!!」


「ネフィア。捕まれ!!」


「うん!!」


 私はしがみつき、そして……竜たちは加速する。しかし……その先で同じような飛行物体が現れる。


「金竜ウロ!? 予測は!!」


「上へ!! 上へ逃げれば………」


「わかった……行くぞ!!」


 上空へ。竜たちが上がる。そして……T字の物体から何やら魔力の高まりを感じる。


「皆!! 何か来る!!」


 ダダダダダダダダダ!!


 背後から……魔力弾の掃射が始まり。耳元をヒョンヒュンと風を切る音が聞こえた。


「イテイテイテ!?」


「いったーい!? なになになになに!?」


「ネフィア!? 大丈夫か!?」


「だ、大丈夫……あがあああああんんんん!?」


 私は右手に魔力弾が当たり、激痛が走る。手があらぬ方向に曲がり骨が折れた事がわかる。痛覚を捨て……私は叫んだ。


「至近距離で食らったら衝撃が鱗を貫通する!! HE弾みたいな……ごめん……わかんないよね」


「近付けなければいいんだろ!! わかってるわかってる!!」


 私は白金の鎧が無傷なのを見てそう判断した。衝撃で中身を壊す物なのだ。


 ダダダダダダ!!


「しつけぇ!?」


 上空に飛び、雲に突っこむ。雷鳴ともに……曇天の先で金竜は驚いた声をあげる。


「………み、みんな……前を見て」


 金竜が驚いた声を出す理由なんてわからないが皆が見た瞬間だった。それは……幻影が晴れるように姿を見せる。


 空に城が浮かんでいたのだ。それも、女神の聖域のような物が。ただ違うのはそれは金属製であり、莫大な質量を持っている物だった。


 そんなのがどういう理由か浮かんでいる。半円球が下を向き、上の城があり。半円球からは大きな鎖が4本地面に向かって伸びている。


 そして、その周りを大きな大きな黒い金属の鳥が旋回していた。その大きさたるは都市を一つ浮かばせている。私たちはそれを始めて見た。


 ガシャコン!! ガシャコン!!


 キュルキュルキュル!!


 半円球状の下半身にはよく見ると長い刺々がついており、私はそれが砲身だと知識で知っていた。


 だからこそ、その砲身が私たちに向いている事に気付き叫ぶ。


「皆!! 攻撃が来る!!」


「うそ……私の予言でもこんなの……」


「金竜!! 逃げよう!!」


「くっそ!! どうなってやがる!!」


 ガシャン!! ぐぅうううう!!


 ボゴンボゴンボゴン!!


 砲身から砲弾が飛んでくるのが見えた。見えた瞬間……金竜が鋼竜にぶつかる。


 ドンッ!!


 そして、私は片手だった事もありつい……手を離してしまう。


「金竜何を!? ネフィアあああああ!!」


「きゃああああああああああ!!」


「…………」


 バサアアアアアア!!


 砲身から放たれた砲弾が炸裂し刺のついた網のような物が竜たちを包む。それは鎖がついており……3匹は絡め取られるのを見た。


 それを私は見たとき……金竜が私だけを逃がしたことがわかる。


「……………ウロ。んぐ」


 落ち雲の中に潜り込み。視線を切って私は翼を展開し羽ばたく。勢いがつき、落ちていくのが遅くなるが。


「くっうううう……まだ……まだ……外で長時間無理なの……」


 翼の羽ばたきは力尽き、私は翼で体を包み、落下の衝撃に備えた。


 そして………


 バキバキバキバキバキバキ!!


 バッシャーン!!


 木のえ枝を降り、湖に落ちた。


「ごぼっ……」


 水になかで鎧が重く浮上出来ない。そう思ってたが。


「………ごぼ」


 地面につき、何やら木の根のようなのが湖の上まで続いており、それに向かって水中を歩く。


 息苦しいが歩く事が出来、羽を使い姿勢や水を掻き分けて湖の中を進む。


 そして、根から歩き水面に顔を出した。


「げほげほげほ………はぁはぁ……」


 呼吸をし、這いつくばりながら根を登る。そして……目を開けた。今の状況を見たとき……私はここ……この場所を思い出す。


「世界樹の湖と……世界樹」


 目の前に枝だけになった枯れた大樹があり。私は悟る。剣のあった場所をみると……何もない。


「…………」


 そのまま根の上に立ち上がり上空を見る。上空には………大きな鎖が何本も降っていたのだった。






 私の手元の映像に竜3匹を捕らえた映像が流れる。竜は珍しく暴れず大人しい。ゆっくりと鎖を引かれ、回収されようとしていた。


「……予言通りに現れたのぉ。金竜銀竜鋼竜に……ネフィアと言う女が」


 魔力によって糸を繋げての通信に回収作業中の声が響く。色んな情報が混雑し煩いので通信を切る。


「ふむ……」


「グランドマザー。どうしましょうか?」


「第1から第5部隊はそのまま監視。私が話をしよう。覚えがある」


「しかし、危険かと」


「予言では奴はここで四方八方から撃たれて絶命する」


 そう、私は元占い師であり、今は元帥である。強化された人間であり。魔法を扱え、ずっと潜伏し世界が元に戻るのを待っていた。


 結果は放牧した新人類は増えたが……今は減っていき危機に見舞われている。絶滅の危機故に潜伏はやめ。鍵を使い復活を早めた。


 眠っていた数十人の選ばれし旧人類たちが目覚め。今はゆっくりと新人類を拉致し意識を移している。


「………では行ってくる」


「ご武運を」


「グランドファザーに映像を繋げ」


「はっ!!」


 背後で防護服を着た隊員が準備を行うのを見届けたあとに私は藪から体を出す。魔女にような姿で……魔力を高めた状態で。


「ネフィア・ネロリリス。リベンジマッチといきましょうか」


 私は覚えている。実感は無いが……彼女に殺された事を。



 



 鎧や服が乾かないうちに根を伝って湖のほとりまで歩く。私は手を回復させ……折れたのを直したあと。藪から現れた人に顔をひきつらせた。


 過去、聖剣を奪い合い。殺し合い。私が勝った人物。そうグランド・マザーと言われる賢者。魔女の服装に艶やかな肢体の女性。その人が生きており私の目の前に現れたのだ。強敵再びである。


「おひさしぶりなのじゃな。魔王ネフィア」


「おひさしぶりですね。グランドマザー」


 「名前を知っている」と言うことは記憶があるみたいだった。


「私はあなたに殺されたようじゃな」


「ええ、殺した」


「……変な記憶だが。沸き上がる恨みは押さえられんからのぉ」


「ふぅ……殺る気ね」


「ええ、本当に残念だわ。美少女だからね。人間だったら生き永らえたのにねぇ」


 私は剣を右手に取り出す。右手で勇者の大剣を肩に担いだ。魔女は手を挙げる。


「そうこなくちゃの、魔王。そうそう、対面では勝てぬぞ。一度は手の内見ている。じゃが……謝ったら少しは考えてやろう」


「……」


 間合いをつめ相手の動きを観察する。


「ふむ。まぁ取り合えず跪くことからだな」


「……そう」


 動きがない。あと少し……殺意が四方八方からする。どうやら囲まれているようだ。


「……跪け!! 魔王!!」


 魔女が手を下げる。その瞬間私は足を動かした瞬間だった。


 バァン!! 


 鎧の隙間、太ももに激痛が走り。ちからが抜け跪く。


「あぐっ!? んぐ………これは……!?」


 記憶がある。弾丸を打ち出し敵を仕留める異界の弓矢のような殺傷するための物。しかし………それは……


「驚いた表情ね。銃と言うのは始めてじゃろ? 魔法より便利で誰でも扱える。じゃが威力は弱く本来は全く効かないが……このように」


 チャキ!!


 目の前で銀色の小さな銃を向ける。


 パン!!


「!?」


 頬を掠め、切られたように血が滴る。


「魔力を込め。特殊弾を使えばお主のような新生物たちに敵う」


「………ふぅ……んんあああああああ!!」


 私は剣を投げつけようと右手をあげる。その瞬間だった。


 ターン!! ビシャ!!


 右手に激痛。手が目の前に飛んでいった。


「んああああああああががががががが!!」


 あまりの痛さに悶え、痛覚を切り。ヨダレを垂らす。そして……


 ダダダダダダ!!


 体全身に連続した衝撃と、千切れ飛ぶ四肢に……何も出来ず。ただただ……殺される。炎の力を使おうとしても全く出ない。


「撃ち方やめ……まだ生きてるか。予言通り」


「んふぅ……ふぅ……ふぅ………くっ……」


「では、潔く。死ね。ネフィア」


 カチャッ


 頭に銀色の銃を突きつけられる。私は……歯軋りをしながら。弱い自分を呪うのだった。










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