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女体化魔王で成り上がり、婬魔の姫と勇者のハッピーエンドのその先に  作者: 水銀✿党員
第零章ヴァルキュリア・フロストバーン前編RPG ~女神の統べる世界、捨てられた島~
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夜会話~騎士王子と鋼竜~..


 私は腹の傷を見る。全く傷跡がない。


「昔から再生は早いですね。ふぅ……よし」


 メソメソしてても始まらない。トキヤに刺された理由やもう一人のトキヤもいる。トラストさんも何故か居た。いっぱい泣き……少し体が冷たいながらも落ち着き。「前を向こう」と思う。好きな人はいつだって茨を潜ったんだ。


 それに……あの流産、程ではない……あのときのように「死のう」とは思えないならまだ大丈夫。そうだ、切り替えず、クドクドするのは悪手なのは昔から思っている事。顔を上げよう。私は何度だって立ち上がって来れたのだから。


「よし……行こうかな」


 私はベットから起き上がり。何処へ行こうかと悩む。


→船頭に会いに行く。

→トキヤ・ウルツワァイトに会いに行く。

→トラスト・アフトクラトルに会いに行く。


「よし、決めた……ここはどこかを聞こう」


 先ずは情報がほしい。




「おっ……起きたかネフィアお嬢さん」


 寝室から出ると目の前で魚を捌いていた船頭のリッチと出会う。


「あの……ここは? 寝室知らない場所でした」


「ああ、そうじゃろうな。外を見てくるといい。ワシはしらないが……君は知っておるだろう」


「?」


 私は彼の脇を抜けて家を出る。するとそこは月夜に照らされているがどこかわかった。


 中央に全く何もないが……ポッカリ穴が空いている。本来ならここにユグドラシルが生えていただろう。


「都市ヘルカイト!?」


「ウルツワァイトからきいたぞ。住んでいた所だろう。ゴーストタウンだがウルツワァイトは昔の家に帰ったそうだ。トラストは風を感じる浜にいるぞ」


「う、うん」


「あの二人も捨てられた者だろう。だが……全て共通点がある。わかるか?」


「?」


 私は首を傾げた。


「君じゃよ。ネフィアお嬢……彼等は君を知っておる。トラスト殿はよくわからんがな……少なからず縁があるだろう。ここも……捨てられた島の淀んだ空気は風で流されているし。何かが起こるのだろうな」


 彼は私に軽く説明し、魚を捌くのを続ける。


→声をかける


「あの……お手伝い」


「いや、いい。それより二人に会ってくるといい……何故じゃろう。もっともっとここに流れ着く人が増える気がするの」


 そう言って魚を捌く。手際がいい。


→声をかける

→外へ出る


「あの……」


「邪魔せんでくれ。気が散る。切り身にして薫製にするからの」


「ごめんなさい……」


→トラストさんに会う

→ウルツワァイトに会う



 私はカンテラをもって夜の都市を歩く。ふと……翼が生えていた。雪のように冷たい白。


 羽ばたくと空が飛べた。反重力で浮ける状態で飛び立った。






 ザァーザァー


 都市を私は少し羽を広げて飛び立ち。海岸につく、海岸の丘に照されたトラストさんが居た。丘に向かって歩く。何故か……空を飛べるようになっている。昔の自分は飛べなかったのにと首を傾げる。


「あの……こんにちは。助けてくれてありがとうございます」


 座り海を眺めていたトラストさんに声をかける。彼は立ち上がり私を見る。


「はじめまして。ランスロットの父、トラストです。ふむ。近くて見ますと……確かに綺麗な方だ」


「あ、ありがとうございます」


「大丈夫。安心してほしい。人間の騎士だが襲うことはない。私は人間のためなどの至高な義務を持って剣を握ってないからね……」


「……えーと。ではなんで剣を?」


「姫のためだよ……これだけは揺るがない。アメリア姫のために戦った。まぁ……最後は同僚の帰りを待つ奥様方のために殿を決めたがね」


「愛深い人ですね。ランスロットさんと同じです」


 トラストが腕を組み、考える。


「私はトキヤ君と言う後輩の反応から……どうやら死んでいるらしい。もしかしたらランスロットも生まれてないかもしれない。会えるかもな……会いたくはないが」


「どうしてです?」


「ここはそういう所でしょう。姫」


「あっ……そうでした」


 月が彼を照らす。苦笑の表情だが……蕩けそうなほどの甘さがあった。きっと……奥さんはいつも恥ずかしかったのだろう。私も照れてしまう。


「まぁ……最悪な結果だけは無いようにお願いしたい。では、私はここで風を感じてるよ」


「はい……」


「…………」


 トラストさんが胸からロケットペンタンドを取り出し中を見続ける。


 綺麗な女性が微笑んでいた。私はその場を去る。感傷に浸る彼を置いて。







 ガチャ……


「……た、ただいま……」


 私は都市ヘルカイトの高級街の家に顔を出す。唯一、光が灯り暖かい空気に包まれていた。


 何年ぶりの家な気がして懐かしさが溢れるような気がする。気がするのは実感が湧かないからだ。


 何故か見ている側、住んだことの実感がない。


「おかえり。魚をいただいた。焼く予定だ」


 部屋の奥から髪色が違うトキヤが現れる。


「えっと……」


「なんでお前の家に遠慮するんだ。早く上がれよ」


「……はい」


 私は恐る恐る靴を脱いだ。そして……リビングに顔を出す。暖炉に火がくべてあり。暖かい。


 暖かいのに……私は寒さを感じる。ソファに座り膝を畳んで顔を埋めた。


「おい、どうした?」


「寒いです……すごく……寒いです」


「……やっぱり? 暗いから寒いよな……魔力炉でじんわり焼くから……ちょっと隣失礼」


 隣でトキヤが座る。


「よし、ほらよ」


 そして私を抱いた。暖かい……すごく暖かい。


「冷えてるな確かに」


「……ありがとう」


「うん」 


 彼は本当に優しい。私は眠気に襲われてそのまま目を閉じたのだった。





【イベントが開放されました】


【捨てられた島の地図が開放されました】


【都市ヘルカイトが開放されました】


【捨てられた島の岬が開放されました】


【ネフィアとトキヤの家が開放されました】


【白翼が開放されました。時間制限で飛ぶことが出来ます】





【騎士トラスト・アフトクラトル①】


 人間の騎士でありネフィアの英魔国と戦い敗北後に殿として残り戦死した。その勇敢さで一躍英魔側で有名になった騎士である。特徴はイケメンである。※別作品の主人公



【鋼竜ウルツウァイト①】


 希少種エルダードラゴン。都市滅ぼしの邪竜だったが勇者に狩られ。狩られ後に力を求める勇者にその魂を取り込まれた結果、その勇者に同化した存在だったが分離している。しかし、長く同化したためトキヤとしての側面が強い。




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