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イヴァリースの戦い~英魔国大陸連合軍中央と右翼~..


 歩兵を中心に中央を任せられている悪魔族婬魔族長エリックはゆっくりと歩兵を歩ませる。


 同じように吸血鬼族長セレファも号令で歩兵を歩ませるがジリジリとした歩みである。


 そして………その上空。昆虫人族が戦っている中で後方のゴブリン、グレムリンが泡立たしく動いた。


 後方に蜘蛛のように足を持ち。地面に杭を打ち込んでいる物が大きい口を空けて空を向く。魔力が高まり、口の中のネジがまわりだす。


 それは都市オペラハウスを護り続け、都市インバスの夜の太陽を打ち出した魔法具(アーティファクト)



ゴブリン(Goblin )(Char)放火砲(belcher)



 それを打ち出す準備だけで忙しいのだ。魔法が使えない状態で撃てるかと疑問視されていたが稼働はするようだ。



 ぐわぁんんんんん!!


 激しい鉄の擦れる音が中央から聞こえ。そして……大きい衝撃音が大気を揺らした。


 ゴバァアン!! プシュウウウウウウウウウ!!


 放火砲は周りに衝撃を撒き散らし、地面が揺れ、放火砲の周りは蒸気の煙で視界が見えなくなる。


 放火砲の口から火の玉が打ち出され、英魔兵の上を放物線を描きながら飛んでいく。


 そして……帝国兵の頭上に落ちる。



 バッガアアアアアアン!!



 その音が号令の役割を示し、中央の英魔の兵士が走り出す。落ちた爆心地の帝国兵は焦げ、火傷を負った。それでも数倍の数を少し減らすだけである。


「全軍突撃!!」


 中央で帝国と英魔国の歩兵がぶつかり出した。エリック族長はデーモンと悪魔を引き連れて前線で戦い。セレファ族長は数の少ない人形と吸血鬼だけで戦い続ける。


 黒い兜を着て、異国の仮面をつける鍛えられた精鋭の兵士達が黒い太刀を抜いて奮戦する。


 帝国兵達はいきなりの放火攻撃に驚いたが。数の優勢のままであることを確認して乱戦へと移行する。



 そして、セレファ族長はその行為を笑い。エリック族長は胸を撫で下ろすのだった。







「サーチ……帝国兵の動きは?」


 僧侶のように杖を持って負傷兵の選別。後方に運び出せと指示を出している元勇者のサーチが精鋭黒兜と言う部隊長に呼ばれる。


「ノワール前線は?」


「……押し返されている。ゆっくりと……そして混戦状態になった。帝国兵の動きは?」


「……情報だと。そのまま混戦予定だと思う」


「わかった。今は耐えどきだな」


 悪魔であるノワールが人間のサーチの頭を撫でる。


「勝ったら……結婚しよう」


「……えっ?」


「答えは後で聞く」


「………」


 サーチは不安になった。そして……一言。


「それ死んじゃう」


「……そうなのか?」


「だから。お終わったらゆっくりと話そう。何でここで言うのよ!!」


「………うぐ」


 ゲシッ!!


 サーチは彼を蹴飛ばしたのだった。








 帝国兵の中で……ある情報が届く。


「右翼の騎士団の攻撃が止まって苦戦中」


「左翼の騎士団が敗走した。俺は逃げる」


 その情報は劣勢を伝える情報ばかり。そして恐ろしい事が起きた。


 中央の後ろで悲鳴が上がるのだ。


 何があったかわからない中で……ある情報が流れる。


「味方の中に人狼が混ざっている」


「味方の中に吸血鬼がいる」


「味方の中に……裏切り者がいる」


 それは瞬く間に広がり動揺が広がった。


 そして……後方で本当に狼男の部隊が出現し……その部隊によって帝国兵は疑心暗鬼に陥る。


 そこである声が言われた。


「………え、英魔国に人間の兵士がいる」


 帝国兵は味方を疑い出したのだった。







「あ!? やめろ味方だ!! この太陽のメダルがあるだろ!!」


 帝国兵に混じっていた英魔国人族、セレファ族長の部下たちが合流する。散々、敵陣で叫んでの帰還だった。


 至るところから混戦の中で帰還合流し、背中に印をつけて再度混戦に混じる。


 混戦の中で大混乱が起きた。


 味方だと思ったら斬られるのである。虚報が飛び交い、何を信じればいいかわからない状況に……傭兵の勢いはゆっくりと削がれていくのだった。








 英魔国右翼。帝国左翼がにらみ合いから戦いに切り替わった瞬間だった。


 ネフィア率いる英魔国の騎士の突撃に合わせるように帝国騎士も突撃を行う。


「奴が魔王だ!!」


「奴を仕留めよ!!」


 その言葉に先頭の帝国騎士たち白翼を目印に槍を突き出す。しかし……その槍が届かず騎士が落馬する。


「……」


 ネフィアは緑の剣を投擲し槍が届く前に喉に突き刺したのだ。その緑の剣は役目を終えてまたネフィアの元に帰っていく。


 聖剣の帰巣本能を用いて槍の届かぬ場所で倒す。


「くっそ!!」


 仲間が倒れ、それを仇討とうと槍を突き付ける騎士。ネフィアはそれをそのまま。


「……炎刃」


 剣に炎の刃を纏わせてリーチを伸ばした状態で騎馬戦を行う。槍を緑の剣で弾き、炎刃で切り払い落馬させる。


 ネフィアは前線で騎士を凪ぎ払い。声を張り上げる。声に魔力を長して叫び。全員の耳に届く。


「余はここなり!! 余はここなり!! ネフィアはここなり!!」


 その声は帝国騎士を誘い、討ち取り。それを見ていた他の帝国騎士を震え上がらせ。英魔騎士たちは逆に勇気を手に入れ。騎馬戦を技量と士気と力で捩じ伏せて行く。



「……五月蝿いですね!!」



 そして……その帝国騎士の勢いが弱るなかを黒い騎士達が現れる。


 帝国最狂の黒騎士団。黒騎士団長以下の精鋭がネフィアの前に躍りでる。



「あら、お久しぶり……黒騎士団長」


「戦場で余裕の挨拶だな!! 魔王!!」


 

 黒騎士団長が魔法を禁じられている磁場のような戦場で大きい黒い魔弾を撃ち込んでくる。


 それは地面を穿ち。ネフィアの前にまで迫った。そして……



「させるか!!」



 ガッシャン!!



 ネフィアの前にダークエルフ族長が入り、弾を切り払い。後方の英魔騎士に当たって消え去る。軽症なのか落馬だけですむ。



「対術鎧持ちか……」



 黒騎士団長は毒づいた。


「………いいえ。対術は無いですが?……まぁ少しはあるでしょう」


 「女王陛下の庇護下だからだろう……まぁそれを言うほど俺らは優しくしない」とダークエルフ族長はブレードランスと言う変わった武器を突き付けながら思う。


「姫様……先にどうぞ。ここは私たちが」


「ありがとう」


 ダークエルフ族長は自分の衛兵達に叫ぶ。


「行くぞ!! 英国衛兵の度胸!! 強さを知らしめろ!!」


 ダークエルフ族長以下衛兵騎士と黒騎士団がかち合い騎馬同士の混戦が始まるのだった。















 



 








 









 





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