プロジェクトP氷山空母..
エルフ族長に応援され。我々は早速船の設計を魔法使いと妖精に手渡した。妖精ニンフ女王は恐ろしいほどの魔力を持っている。
たちどころに初の氷山空母が完成した。
維持は魔力を流し続けて固定する。
完成した大きな空母。我々は歓喜した。
しかし……同時に我々は思わぬ壁に当たるのだった。
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空母は普通の船より大きめに開発された。しかし……それはつまり非常に深く、重く。我々の力で押すには速力が足りない。
速力が足りない場合、多くの攻撃を受ける恐れがあり。岸へ安全にパンジャンドラムを運べるか不安視された。
早く泳げる訓練を迫られる中であるパンロットの一人のスライムが頼みに来たのだ。
「パンジャンドラム。横にしたら少し泳げた。どうにかして水中専用パンジャンドラムは出来ないのか?」
移動方法としてのパンジャンドラム開発を提案してきたのだが我々はそれに対し電撃が走る。
そう、パンジャンドラムは走るだけでなくもしくは泳げるのではないかと思われたのだ。
水中専用パンジャンドラムを作り。それで氷山空母を押せないかと考えたのだった。
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量産型パンジャンドラム1号を一台用意し、沈め、転がす。木の材質なために浮くのだがゆっくり進んでいるように見える。
結果はゆっくりだが。ここで横にしたらと言う発想を考えた。今度は指揮官用の金属製パンジャンドラムを沈めた。海底をゆっくりと走る。
横にするにはどうしたらいい?
我々は悩んだ。
悩んだの結果は………パンロットの意見を取り入れた。重心が変わると転けると言う発想を取り入れる。
先ずは指揮官用は高価なため量産型パンジャンドラムに重しをつけて沈め。右側車輪に重りをつけた。
結果は垂直になった。
横にはなり、そのまま回転させる。
ブルンブルンと震えるだけだった。
また、我々は悩む。悩む………そして。妖精姫ニンフが少し陸へ上がろうと言った。
我々は陸へ上がる。そして………あるものを見せてくれるのだった。
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陸へ上がり。妖精たちが見せてくれたのは玩具だった。
見たことのない玩具だ。
それは木トンボといい。切った木を斜めに切った∞羽を使い。棒を回すと空に飛んでいく玩具だった。
我々は衝撃を受ける。陸上で初めて見る玩具は何故か空へ飛ぶ。
玩具を研究した我々。
固定し回した結果は………「風を押し出す事が出来る」と言うことだった。同じものを水中で行う。
かすかな水流が生まれ。我々は新しいパンジャンドラム製作に取りかかったのだった。
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水中専用試作型パンジャンドラムが完成した。パンジャン車輪を水の水流が生めるように開発し、片方の方に重しをつけ沈め。試験を行う。
結果は………
水中の底から海面への陽へと登って行くパンジャンドラムの雄姿だった。
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今度は垂直にではなく横向きで泳がしたい。考えられた方法は両方に重りをつけて沈める方法だった。
結果は沈みすぎて着底、そのまま進むだけだった。
我々は……悩む。
しかし、我々は慣れていた。
だからこそ変な発想が出る。
転がす必要ないのなら。車輪は片方でよくない?
我々は模型を用いた。水中用の木トンボを思い出した。
そしてパンジャンドラムの形を変える結論に至ったのだ。
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パンジャンドラムの片方だけをつけて沈める。重しをつけて沈めて自分自身の我々はどうやって浮力を得ているかを考えた。
結果は浮き袋と泳ぎ続ける方法の二つだった。
パンジャンドラムは進む兵器である。故に泳ぎ続ける方法にした。我々は泳ぎ続ける魚をモデルにした。
試験結果は真っ直ぐに泳がずも浮く事が出来ると気がついた。
制御方法はすぐに思い付いた。船の舵を参考にしようと思う。
早速、試作品を作る。
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水中試作型パンジャンドラム12号が出来た。姿は何処か人型のように十字の羽が付け加えられ背後に車輪がついている。
重りにより沈められたパンジャンドラムが回り。動き出したとき……我々は歓喜する。
水のなかを高速で自由に動ける姿に完成を見たのだ。
パンロットのスライムが言う。思った以上に融通が効くと。
我々は早速、設計図を製作班に渡すのだった。
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水中専用パンジャンドラムを氷山空母にくっつける実験が行われた。
水中専用パンジャンドラムの羽を2枚減らして左右のみ動かせれる運用とする。
実験パンロットスライムが前方が見えないと操作に難を示したが予想より遥かに速い速度を出すことが出来た。
改良の余地があるが………我々はその成功に胸を撫で下ろすのだった。
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多くの実験を経て、パンジャンドラム専用氷山空母ハボクックが完成した。
パンジャンドラムを乗せ、水中専用パンジャンドラムを後部に接続し浜まで進める。
速い速度を維持しながら乗り上げ、パンジャンドラムが一斉に砂浜を走る。
我々は完成させた。
帝国側の上陸作戦のため………あとは訓練を行う。
だが………我々は不安になる。
果たしてこれは効果があるのかと。
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個人で相談した。
「ん? パンロットになった理由? そうだなぁ」
「決まっている。スライムだったからだ」
「我々は元々……捕食者に怯える日々を過ごしていた。いつしか、捕食者に一矢報いようと自爆するようになった。味方のためにな……だから我々は最後に爆発して死ぬのは美徳だと教えられた」
「それを何年も我々は続けてきた」
「しかし……我々はいつしか死ななくなった」
「爆発しても、死ぬほど痛いだけで済むようになり、死の花は咲けないようになったよ」
「何でかって?」
「女王陛下の英魔族の括りのお陰だろうさ」
「弱小種族スライムが英魔族スライム族になった時に我々は熱い物を手に入れた。わかるか?」
「スライムである誇りさ」
「スライムに生まれて良かったと思える。そう、力ない訳じゃない。我々は爆発がある」
「だからだろうな。強くなった気がする。何度だって誇りの火花を生み出せるようなったんだからな」
「不安になるな。大丈夫だ。上を向け……ここまで来れたのはお前のお陰だ。後は任せなって」
スライムの妻がパンロットになぜ志願したのかを聞いたが聞いてよかった。
*
我々は戦闘訓練を所望した。
魔法使いから魔法を学び彼らは自身の部隊に帰っていった。
残った妖精と「合同で訓練が行いたい」と思うようになった。
そこで……我々は打診した。
夢魔の族長に。
答えは………
「是非との回答」と。
八代族長連合軍全軍による模擬と伝えられた。
何度も何度も陸を妨げた敵が相手、それも………九代族長の8人の部隊。歴代で一番の屈強で最強と名高い部隊連合に我々は………息を飲むのだった。




