勇者の能力..
俺は先ずは情報を片っ端から3人に聞いてみた。情報をまとめるとこの世界は帝国と連合国、魔国と烏合の衆で4分に別れていたらしい。
しかし、世界は変わり4分のうち連合国は帝国になる予定で魔国と烏合の衆はこの前に結合して大きい魔国となったらしく、このままでは全面戦争に舵を切ってくるだろうと言われていた。新しい魔王の下で集まり始め、驚くほどに色々と大きく。人間の生活を脅かす所まで増長して困っているそうだ。
このままでは世界が壊れてしまう。だからこそ勇者を集めて魔王を倒し。真の平和を取り戻そうと言うわけだ。魔王は女らしい。驚くほど綺麗な女性らしくちょっとだけワクワクしている。
そして俺は自分の能力を知るため。3人と一緒に魔物狩りに出掛けるのだった。帝国の東側の森で魔物を探す。
「ここらへんかな?」
「気を付けてね」
「私は後ろを見てますね」
「…………」
中々、馴れた手つきで四周を警戒しながら森を進む。すると物陰から化け物が現れた。熊である。しかし、俺は驚き腰を抜かす。自分達の何倍も大きいのだ。そう。規格外。
「出た!! 熊だ!! 私が前衛を張る!!」
「側面の遊撃任せて!!」
「補助します!! サーチ!!……………熊ですね。情報ではこの個体は爪から斬撃を飛ばせるようです」
「わかった。気を付けよう。ライブラ!!」
「は、はい!!」
「私たちは力を使わない。倒すのはお前だ!!」
「わ、わかった」
腰が引けながらも何とか背筋を伸ばす。能力はなんだ。
「イメージしろすぐに体に変調が来る」
「ええっと………」
イメージ………イメージ………ああああ。何も思い付かない。
ギャン!!
「くっ!! 熊よ中々いい攻撃だ」
「よっと!! こっちだよ!!」
熊の重たそうな攻撃を盾で受けとめるメデューサ。そして側面から剣を抜かずに拳の打撃で攻撃をするグラビデ。サーチは回復呪文を詠唱しきってダメージを負った瞬間に回復を図ろうと伺っていた。正直に思うが「俺はいるのだろうか?」となる。
「おい!! 早くしろ!!」
「わ、わかってる………焦らすな」
俺は目を閉じる。ああ、スマホがあれば検索してとか緩いことを考えていた。
「ん………」
考えていた途端に俺は驚く。右手に手慣れた感触があった。そう、それを見ると思わず声を出してしまう。
「ええええ!?」
右手にスマホが普通に用意されていた。そしてスマホが起動する。幾何学的な文字と魔方陣で画面が写し出される。そして………声認証マスターと文字が出てくる。それを見た瞬間。頭に知らない知識が溢れだす。そう、このスマホの使い方が脳に入ってくる。
「ライブラリー起動」
スマホの画面に大量の本が並んだ本棚映る。そして………一冊を指定する。
「炎の書、初級!!」
一冊の本が画面内で開かれ魔方陣が浮かび上がる。
「ファイアーボール!!」
スマホをかざし画面から勢いよく炎の弾丸が飛んでいく。慌てて、グラビデとメデューサが飛びす去り。熊に直撃した。
「ガアアアアアアア!!」
熱さに悶える熊。そして俺はもう一つ唱える。
「アイスランス!!」
スマホから氷の槍が飛び出し炎に飲まれている熊に突き刺さる。もがき苦しんだあとピクッと動かなくなり。大きな音を立てて倒れた。俺はガッツポーズをする。そして、皆が集まり出してくる。
「すごい。魔法職かぁ!!」
「スマホだよな」
「スマホですよね」
「ああ、スマホだと思うよ」
皆が俺の手の平に乗っているスマホを覗いた。画面にはライブラリーと書かれている。きっと能力名だろう。
「へぇ~お前の能力は『ライブラリー』か」
「そうらしい。これはスマホに見えるが魔法図書を内蔵した持ち運べる図書館らしい。好きにイメージした魔法を出せるようで、演算詠唱による即席と威力を両立した物だって」
「前衛、後衛、補助、魔法職かバランス良くなったな」
「そうですね!! 私と同じ支援職です!!」
「へぇ~男なのに女に戦わせて後方~?」
「い、いや……その。ええと」
「こら、グラビデ。困っているではないか。まぁ私は火力特化は必要と思っている。素晴らしい能力だな」
「ああ。驚いたよ。まだまだレベルは低いけど鍛えれば禁術も使えるようになるらしい。隕石落としとか」
「それは………恐ろしいな」
「まぁ、でも!! 役にたてそうで良かったよ」
俺は胸を撫で下ろす。女の子の足手まといは嫌だからだ。
「うむ。では帰ろう」
メデューサが指揮を取り俺たちは都市へ帰った。出会う出会う魔物はメデューサが片っ端から石化させ砕き殺していたのを見て「………俺いる?」と思うのだった。
*
ある日、大きな庭で剣を振る練習をしていたとき。サーチに呼び止められる。他の二人は個人で冒険者ギルドに行き依頼をこなすらしい。一人一人強力な能力を持っているため「単独で強くなるよう修行しろ」との上からの命令だ。俺も何とか自衛のために剣を使っていたが。二人よりもつたない。
「一緒に教会行きませんか?」
戦闘訓練中。サーチが俺を誘う。教会へお祈りの行こうと言うのだ。
「いいよ」
「ふふ。抜け駆けです」
サーチさんが唇に「秘密ですよ」と俺の唇に指を押し当てた。可愛らしい仕草に鼓動が弾む。
「ふふふ」
上機嫌な彼女に手を引っ張られながら教会へ向かう。綺麗な白いレンガ作りの教会。扉が解放され中では数人が祈りを捧げているのがわかった。
綺麗なステンドグラスに女神の像が信者に微笑んでいる。ここまでずっと手を繋いで歩いていたのでちょっと気恥ずかしくなり。頭を掻いた。
「ついたね」
「はい。つきました」
二人で中の入り空いている席に座る。そして、サーチは目を閉じて手を合わせて祈り始めた。服装はエロいがしっかり聖職者をしているようで安心する。俺も見よう見まねで祈りを捧げたが。すぐに飽きて顔をあげる。サーチは聖職者らしく、文言を一字一句丁寧に謡っていた。
「……………」
金髪で整った顔立ちに笑顔になる。ああ、こんなに綺麗な人が俺を慕っているとか夢のようだ。
カツン
「?」
教会にヒールの音が響く。わざと鳴らしている訳じゃない。ただ………ふと耳に入ったのだ。そして俺はその音を出した人を見る。深くローブを被っていた人物が教会に入って来たのだ。
「誰だろうか?」
品がいい。大人しい歩み。教会の中心に来たときにローブを脱ぐ。俺はその姿に息を飲んだ。
一瞬、初恋だったひとを思い出したのだ。記憶を失っていた筈なのにも関わらず。俺は驚く、顔を振り再度見たとき。また別人だった。
金色の長い髪に純白のドレス。それに豊満な胸の谷間と少しつり目の美少女。つり目だが厳しい雰囲気はない。化粧せずとも紅は美しく。歩く姿はまるで物語の姫様だった。
「はぁ………」
あまりにも綺麗な姿に溜め息を吐いた。彼女はそのままローブを椅子に置いて教会の真ん中へ行く。そして跪き祈りを捧げた。
「………ライブラくん。どうしました?」
祈りを終えたサーチさんが袖を引っ張る。俺は指を差して彼女は誰かを聞いてみた。
「………確かに不釣り合いな人ですね。『サーチ』」
サーチさんが能力を使う。
「ん? 不明です。レベルが高くて無理ですね」
「レベルが高いと言うことは………何処かの姫だろうか?」
「かもしれません。ですが………お忍びなら静かに黙っていましょう」
「それもそうか……ローブ着てたし」
彼女は祈りが終わったのか立ち上がり。満面の笑みでローブを取り教会を後にした。後をしたあとも俺は彼女が頭から離れなかったのだった。またどこかで出会うだろうか。
俺は何故か気になって気になってしょうがなかった。




