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都市ヘルカイト⑤ 呪いの槍消却..


 私たちは告白を覗き見し、楽しんだ後にヘルカイトとラスティの二人のその後の会話を盗み聞く事なく別れた。何故ならアラクネのお姫様には非常に目に優しくなかったのか、何処かへ行ってしまい。夫であるランスロットがあわてて探しに行ったからだ。


 リディアのだいたいの場所は風が伝えてくれたのでそれをランスロットに教え、感謝と共に走り去ってしまう。すごく心配なのだろうとその全力疾走で見てとれた。


 私たちも頭が熱い中で家に帰り、すぐさま魔力炉の暖炉に火をつけた。水瓶が空だったので節約のためお水をトキヤに頼んで魔法で作って貰い。水を沸かして紅茶を淹れてからソファーに座る。前のテーブルに置かれた2つお揃いのティーカップから漂う香りが部屋に充ち。少しだけ距離を空けて私たちは座った。


「す、すごかったね」


「ああ、ただ抱き付くだけであんなに悶えるとは………」


「出会って数世紀経ってるからだと思う。私より長いから、歴史みたいに重なってるから。そう…………受け止めたって事が大きいかな。言葉はいらないね」


「…………ちょっと。頭がまだ熱い。二人で何するんだろう?」


「お店でお酒を含みながら会話?」


「ふ~ん………ネフィアならそうするんだろう?」


「うん、トキヤなら?」


「誠意を見せて襲う」


「ふふ、男らしい」


「まぁ勢いに任せるだけだけどな。ズズっ!? 熱い!?」


「あら、大丈夫?」


「油断した………」


 紅茶を啜った後、静かな時間が過ぎる。何も喋らない時間。だけど暖かい時間。


スッ


 私は静かにソファーに置いている彼の手の下に自分の手を潜り込ませる。しっかり握ってくれる。そしてゆっくり、彼の近くに移動し、布越しで肌に触れさせ、顔を彼の肩に乗せる。手はどけて彼の膝の上に置いた。


「ネフィア」


「はい」


 名前を呼ばれ顔を横に目を閉じる。何も言わず深く愛し合う。舌を絡めながら。


 何度も味わった。でも、まだ足りない。どんなに深く長くしても。私は何度も求める。それがキスって言う物だ。


「好き、トキヤ」


「…………」


「ん?」


グイッ!!


 手を引っ張られ。体がトキヤの方へ倒れる。手を離し強く抱き締められてた。逃げれないほど強く。


「んぐぅ!?………ん………ん」


 強引に口を塞がれ逃げれない。逃げるつもりはないが。強い求められ方に心が溶ける。太い男の腕に包まれる体は非常に心地がいい。


「ふぁぁ………今日は、激しいね。きゃぁ!!」


 トキヤが体を寄せて。手も押さえつけながらソファに私を押し倒す。あまりの力強さに無抵抗で押し倒され。女を感じる。


「トキヤ?」


 彼は何も言わず見つめるだけ。押し倒した手はすでに私の胸を鷲掴みにしていたため体が強張る。あまりの恥ずかしさと唐突な押し込みに顔をそらして目を閉じた。


 目を閉じると胸に逞しい手を感じ、体がゆっくり揉んで、「気持ち良くしてほしい」と願う。私の胸は大きめ。だけどトキヤの手に少しだけ溢れるぐらいでしっかりと掴める大きさだ。そう、トキヤの好きな大きさで感触なのだ。


「…………襲う?」


「襲う」


「…………………じゃぁ、優しくお願いします」


 チリンチリン!!!! ドンドン!!!!


「すいませーん!! お届け物です」


「「………」」


 トキヤが失笑しながら立ち上がり、玄関へ向かう。私は体を起こしてふかーいため息を吐いた。玄関の会話を聞くと冒険者らしい。手紙を依頼されたとの事。彼は玄関から何通かの手紙を持って私の前のテーブルに置く。


「魔王からとエルフ族長からだって」


「そ、そう」


 あの、糞魔王め。今度会ったら斬ってやる。


「魔王から読もう重要だと思う」


 トキヤが手紙を千切って中身を見る。


「うわぁ!?」


「ど、どうしたの!?」


「呪詛ばっか」


「ええ~どれどれ…………あっ頭痛い」


 呪いの言葉。不幸になれとか、そんなもの。呪いについては優しく頭が少しだけ痛い。


「ええぇ………魔王なのにこんなの送るの」


 聖なる魔法で呪いを解く。いったい何がしたかったのだろうか。ただの恨みだろうか。


「エルフ族長のを見るか」


「ええ………」


ビリっ


「どれどれ………ああ」


「何が書いてるの?」


「お前に嫉妬して、『ストレス発散のために嫌がらせ』だとさ」


「うわぁ………トレインってそんなに小さい奴だったの!?」


「まぁそれと。呪いの魔法具を受け取ってほしいらしい。お前の『聖なる魔法で浄化してください』てさ」


「ごみすて場かよ!?」


「『ごみすて。すいません』てさ………呪いの槍かぁ。玄関の槍」


「うぇ~燃やしてくる。そんなもん玄関に置いてくな!! 冒険者!!」


「燃やしてくる? めんどくさいし、暖炉に入れよう。なんか木製の槍だったし」


「わかった、取ってくるよ」


 私は玄関に向かい槍を見つける。木の槍で2本の尖った穂先が捻れて絡まり伸びている。槍の先だけ金属であり、禍々しい雰囲気を醸し出す。


「ネフィア。槍は『貫き侯爵』て言うらしい」


「へぇ~」


 槍を手にし、トキヤの元へ。槍の呪いか耳元で変な声が聞こえ、イラッとする。


「トキヤ。持ってきた」


「おう。このままじゃぁ大きいし折るか」


「トキヤ。なんか唸ってるね」


「ん?」


 二人で耳を済ませる。脳内に直接声が聞こえる。


「さぁ、我を使い貫け。さぁ……貫くのだ」


 高慢な声で生き物を殺せと命令をする。


「なるほど。えーと手紙には相手や味方を貫いて遊んだ悪魔の侯爵が使用した槍らしい」


「へぇ~」


「さぁ、我を使い男を殺すのだ」


「トキヤ、どうやって折る?」


「ちょい。貸してみろ」


「はーい」


「我を………」


「うるさいなぁ。洗脳したいなら他を当たって」


「えっ? ちょっと待って!?」


 トキヤが槍の中心を持ち、力でへし折る。折った後に満足そうな顔をして、槍を手渡してくれる。


「よし!! どうだ!!」


「わぁ~すごーい!! 暖炉に置いとくね」


 断末魔が暖炉から発せられるが気にせず暖まる。


「ついでに魔王の手紙も燃やそう」


「ああ………」


 手紙もくべて。熱を出させる。


「依頼完了と。返信すればエルフ族長からお金が届くってよ」


「あっこれ依頼だったんだ」


「まぁ『面倒な物を処置してくれ』ってこったな。またあるな。こういうこと」


「ふーん。まぁ燃やすだけだし………そんなことより。続きしよ?」


「続きとは?」


「言わせたいの?」


「言わないと伝わらない」


「知ってるくせに。いつもそうやって焦らす」


「焦らして拗ねた顔が可愛いから。悪いのはネフィアだ」


「むぅ。褒めるのはいいから………その………」


 やっぱり、いつも声を出すのは恥ずかしい。


「その? なんだ?」


「…………」


 私は彼の手を掴みそれを自分の胸へ誘導する。


「その……夫婦だし。好きにしていいから………好きでしょ。私の体」


「素直じゃないなぁ~いっつも素直なのに。途端に恥ずかしくなってなぁ~」


「…………だって」


「まぁ、こういうときだけ俺に主導権があるのは楽しいがな」


「ひゃぅ!?」


 胸へ誘導した手が、私の胸をもみだし。先にある敏感な物を強くつままれた。電気が走るような感覚が脳に響き渡る。


「さすが婬魔エロい」


「ふぅ……ふぅ………トキヤ………そのぉ下半身しゃぶりたい」


「ダメだ。ほら指でもなめておけ」


「あうぅ……あん」


 私の口の前に指を出す。我慢できずそれを咥える。逞しい手から伸びる指は固く。それでいて何処か甘く感じる。


 チェロチェロと音をたてながら唾液を貯めて、指はしゃぶりながら。途中、唾液を飲み込む。


「はぁう………指じゃ。物足りない……」


「残念、今日はこれまでだ」


「ええ………嫌」


「じゃぁ………なにしてほしいか言えよ」


 私は彼にお願いをする。下半身から全身が求める。我慢なんか出来ない。目を閉じて叫ぶ。


「お願いします。私をムチャクチャにしてください‼ 何でもします!!」


 恥ずかしさより快楽を求める欲が勝った。その夜、久しぶりに女を感じ。記憶が飛びそうになる日になる。




「ふぁああああ~んんんん!!」


 朝日が部屋を明るくし俺を目覚めさせる。起きた瞬間、あくびをしながら背伸びをした後。昨日の事を思い出し、腰を擦る。


「ん?」


 俺は気付いた。隣にネフィアの姿がない。先に起きたようだ。


「…………」ぽりぽり


 最近、本当にネフィアは朝が早い。俺が起きるのが遅くなったのもあるが早い。そう考えながら私服に着替え。2階寝室から1階へ降りる。


 降りた先でリビングの扉を開けた。台所でネフィアの後ろ姿が見える。美しい金髪を束ねる事で綺麗な女性の体のラインが引き立ち、それと束ねるのを初めて見た新鮮さでドキッとする。


「あっ!! おはよう」


「お、おはよう」


 物音に気付いたのか、振り返り。満面の笑みで挨拶をする。本当に幸せそうな笑みだ。


「残念、起こしに行きたかったのに。ちょっと待ってて、朝食作るからソファーで座ってて。部屋は暖めておいたから」


「お、おう」


 なんとも、手際のいい。言われた通りにソファに座る。台所でネフィアの後ろ姿を覗いた。エプロン姿がよく似合っている。それを見ていると昨日の事を思いだした自分。特に体を蹂躙したことを思い出してなんとも、「楽しみすぎたなぁ」と思った。


「ふふ~ふん♪」


 嬉しいそうに鼻歌を歌いながら、何かを作っている。自分は何故かたまらず彼女の背後に移動する。彼女は振り向かない。


「トキヤ、まだだよ~サンドイッチ」


「そっか」


「!?」


 俺は勢いよく背後から抱き付く。言葉に出来ないぐらい愛おしい。衝動にかられ抱き締めてしまう。ネフィアは驚いたのかピクッと体が跳ねた。


「と、トキヤ!?」


「愛してる」


 昨日の夜も言った。もちろん彼女はもっと言った。だけど、何度でも言ってしまう。そんな気分だ。ネフィアもよく。「好き」と言うが、その何度も言う理由がわかった気がする。


「………へへ。待ってね。すぐに作って食べてから抱いて」


「今がいい」


「うーん。だーめ」


「ええ~」


 ネフィアが振り向いて片方の目を閉じ、人差し指を自分の唇に優しく押さえつけた。


「昨日の仕返しです♪」


 今日も彼女はすこぶる可愛かった。覗いた結果。自分達も深く求めるようになったような気がする。



 


 




 













 


 




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