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妹と一緒に異世界転生!  作者: 奇々怪々
1章
8/38

体力づくり

スチーレアに勉強を教えてもらうこと以外は今まで通りの日々を過ごしていたある日。

いつも通り部屋で本を読んでいると、お父様達がやって来た。


「リアム、アリーちゃん」

「なぁに?」

「?」

「あのね……二人に聞きたいんだけど、剣術を習ってみない?」

「え……剣術?」

「ガルハさんがしているアレ?」

「あぁ、そうだ。もし、お前達が習いたいと思うなら、そろそろ教えてやるのもいいかと思ってな」

「習いたい!」

「……面白そうかも」


せっかく異世界に転生したんだから、学ぶ機会があれば学ぶべきだよね。

目を輝かせる舞彩に同意する。

それを聞いたお母様が、満面の笑みで手をパンッと打ち、顔の横に持っていった。


「なら決まりね!」

「じゃあ早速、外に出ろ」


へ?……早速ですか。




「よし、それじゃあ2人とも。まずは基礎体力を付けることから始める」

「「はい!」」


元気に返事をしたのは良いけど……俺、運動苦手なんだよなぁ。

だからって基礎体力を付けないわけにはいかないし。

確かに、5歳になれば魔術を使えるようになって、それで身体強化できるようになるかもしれないから、基礎体力をつける必要なんて無いように感じるけど、そういうわけにはいかないんだよなぁ。


そもそも……絶対に魔術を使えるようになるっていう確信なんて無いし。使えるようになっても身体強化しながら別の魔術ってのが出来ないと戦えないし。

手っ取り早いのは元々の身体能力を上げておくことなんだよね。


分かっちゃいるけど……。


「はぁ……」


思わず溜め息を吐いてしまう。

目敏くそれを見つけたお父様が、ニヤリと笑った……ような気がする。

いや、そんなまさかね。


「取り合えず、庭を1周!」


大声に反射的に背筋を伸ばして返事をする。


「「はい!」」


って、返事をする前に距離を考えたら良かった……。

走りながら後悔するけど遅い。

ヘロヘロになりながら1周を走り終えると、そこにはニヤニヤと笑ってるお父様がいた。


イラァッ……。


何か今ムカついたんだけど!

だからといって何も言えず、舞彩も俺も息を整えるしかない。てか、何で舞彩の方が息を整えるの早いわけ?


「っはぁ…はぁ…はぁっ…お…終わり…まし…た」

「おー、大分疲れてるな」


俺の息が整うのを待って、お父様が口を開く。


「お前ら、勉強も良いけど外で遊ぶことも大事だぞ。と、いうことで次は腹筋だ」


何が「と、いうことで」なのか分からないが、お父様が言うことも一理ある。今まで俺とアリーは、読書や話をしたり、勉強をしたりとろくに外で遊んでこなかった。っていうか俺、庭より外に出たこと無くね?


お陰で肌は真っ白。今日何も言われずにこのまま過ごしてたら、ひょろひょろもやしの頭でっかち確定だった。


結局、ランニングから始まって、腹筋、腕立て伏せ、スクワットなどをして終了となった。


「ーーよし。今日のところは終了。エリューラが飲み物作ってくれてるから飲みに行け」

「「……ありがとう…ございました」」


家のなかでお母様が、前世でいうスポーツドリンクを作ってくれている。ご飯などはメイド達が作っているが、これだけは譲れないらしい。何でも冒険者時代からこれは自分で作ってたのだとか。


前お父様が飲んでいるところを見て、俺達も飲みたいと言ったんだけど「運動してないときに飲んだら逆に体に毒よ」と飲ませてもらえなかった。


その飲み物が今飲める!




「「ただいまぁ!」」

「おかえり。疲れたでしょう?はい、これどうぞ」


部屋に駆け込んできた俺達に差し出されたコップには、レモンが刺さっていた。

椅子に座って飲む。


「美味しいね、お兄ちゃん!」

「うん!美味しい」


キンキンに冷えた甘いジュースに、ほどよいレモンの酸味が混ざって絶妙な甘酸っぱさを作り出している。


「良かったわ、口にあったみたいで。不味いって言われたらどうしようかと思ってたもの」


冗談目かして言うけど、俺がお母様にそんなことを言うわけ無いじゃん。


「ただいま」

「おかえりなさい」


あとから入ってきたお父様にも差し出される。


「どうだったの?初めての練習は」

「「…疲れた……」」

「2人とも体力が無いな。もう少し外で遊ぶようにしろよ」

「無理に遊ばなくても、外に出て歩いてみるだけでも基礎体力はかなり付くわ。今度街に出てみる?」

「街かぁ……」


窓から見るだけで外に出たこと無いからなぁ。


「明日ならスチーレアさんが予定があるらしくって空いてるもの」

「行ってみようよ、お兄ちゃん!」

「……良いね」


一応、スリに気を付けないようにしないと。治安の良し悪しは分からないけど、気を付けるに越したことは無いしね。お金を誰が持つか分からないけど。


「じゃあ明日、私のオススメのお店に連れていってあげるわ」

「やったぁ!」

「楽しみ!」


お父様は行かないのかな、と思って見ると、仕事があって行けれないと言われた。

と、いうことで、明日はこの世界に来て初めて外に出ることになった。

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