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嫌われ者始めました〜転生リーマンの領地運営物語〜  作者: くま太郎


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192/199

ワノ国編~領主が一番偉いって誰が決めた?

 俺が公爵になれたのは実績だけじゃない……まあ、人気や血筋でもないんだけど。

 一番の理由は首輪をつける為だ。力がある貴族なら、国政に組み込んでしまえってやつ。

 早い話が名ばかり公爵なんです。

 だから……。


「ワノ国か。国交も結びてえし……小僧、行って来い」

 イジワール公爵が、即断で命令してきた。爵位的には同じだけど、権力の強さは歴然。

 反論は無理だけど、言い訳を考えないと。


「しかし、部下の新婚旅行を勝手に決めるのは、流石に無理かと思います。ミューエさんはフェルゼン帝国の貴族なんですし」

 サンダ先生とミューエさんの新婚旅行を名目にして、風継一家をオリゾンにご招待する……のはまだ良い。

 問題は移動手段だ。キンウロコ様を始めとするドラゴン一団が、乗せて行く気満々なんです。

 あの方達、信仰の対象なんだぞ。キンウロコ様なんてオリゾンの建国にも関わっているんだぜ。

 背中になんて乗ったら、プレッシャーとストレスで俺の胃が一分も持たないと思う。


「ジョージ、レオパルド伯爵も了解済みだ。問題ない。行ってくるんだ」

 爺ちゃんが厳命してくる。“も”……?


「まさかサンダ先生も了承しているんですか?」

 両巨頭が、何の仕込みも無しに無茶振りしてくる訳がない。きちんと俺を囲んでいるよね。


「ああ、異国を見れますって大喜びだったぞ。尽くしてくれた家臣は労ってやらないとな」

 イジワール公爵が、俺の肩を叩いてくる。もしかしなくても、つんだってやつ?

昔なら爵位で逃げれたんだけどな……もう、両巨頭は王様に報告に行っているし。


 ワノ国に同行してもらうメンバー。

 サンダ先生とミューエさん、ドンガと凛は確定だ。残りのメンバーは、どうしよう。

(凛の人間関係が良好ですってアピールしておきたい……凛って、誰と仲が良いんだろ?)

 高校にあまり行けていないから。全く分かりません。

 でも、俺には頼りになる嫁がいる。疲れた時は、膝枕してくれる優しい嫁さんだ。


「カリナ、ワノ国行きの事で、相談に乗ってもらえないか?」

 カリナはクラスの中心的存在らしい。凛の人間関係も良く把握している筈。


「学校で、凛と仲の良い子?ユリアにリリル。それとコニーとアニエス様かな」

 つまりアイン・ヘゥーボ・ヴェルデ・谷も連れて行く必要があると……いつものメンバーじゃん。


「谷とアニエさんは一回のワノ国に行っているし、脚気の問題もあるから谷は連れて行きたい。ユリアは勇者の子孫だし、ヴェルデには贈り物を選んでもらう必要がある。タンス作りには、工業ギルドの協力は不可欠か」

 身内に有能なメンバーが多くて助かります。

(ワノ国か……日本酒飲みたいな)

 谷が脚気に取り組んでいる間なら、反論出来る奴はいない。干物で一杯、最高じゃないか。

 そう、俺は公爵様なんだぜ。


「お城だとオデットさんかな。一番は凪さんだけど」

 凛はドンガと結婚して、ボーブルに残るらしい。でも、凪さんはどうするだろ?


「凪さんも久し振りの里帰りだから、同行してもらった方が良いな」

 オデットさんは、あくまで母さんのメイドだ。何度も同行してもらうのは、申し訳ない。


「そうだね……もう凛ちゃんが、そのメンバーを誘っているよ。もちろん、オデットさんとお義母様も」

 何ですと!母さんを誘っただと?確かに母さんは凛やユリアを可愛がっていた。凪さんの事も気に掛けていたし。


「ちなみに母さんはなんて言っている?カリナは平気か?」

 何がとは言わない。でも、嫁姑問題って旦那は気付かないって言うし。

 何より船内の偉さ順位が二位になってしまう……オデットさんがいたら三位か。最近カリナに頭が上がらないし、両先生にも頭が上がらないんだよね。

 領主が一番偉い?他所は他所、うちはうちなんです。


「あたいは助かるな。お義母様は、作法とか教えてくれて助かるんだ」

 まあ、カリナも結婚前から城に出入りしている訳だし……なんか家庭内でのヒラルキーがどんどん弱くなっていく気がするんですが。


「後はエレファントエンペラーの皮を手に入れて、なめすとなると時間が掛かるな」

 時間稼ぎをしたい訳じゃない。でも気持ちの準備って大事じゃん。


「それなら問題ないよ。オデットさんが狩ってきてくれたから」

 ……買ってじゃなく、狩ったのね。なんでも谷がフライングシップを操縦して、生息地に行ってきてくれたそうだ。

 巨大象を一人で倒すメイドさん。


「贈り物はヴェルデと相談して、日本から持ってきた野菜や果物の種を、サンダ先生とドンガからの贈り物にすれば良いな」

 ビタミンB1が豊富で、日持ちがする野菜や果物が良いと思う。


 今からトラブル起きてくれないかな?……絶対にこれアウトだろ!

 出来上がった鞍は、見事な造りだった。うん、造りは良いよ。


「せ、背中に乗る仕様なんだ。キンウロコ様の許可降りるかな」

 鞍には座席や風防がついており、安全だと思う。でも、キンウロコ様の背中に乗るのはアウトだと思うの。


「問題ないぞ。ってか、キンウロコ様の身体に合わせて作っているんだぞ。協力がないと無理だろ……俺達はクロカゲさんに乗るからな。絶対に土足で乗るんじゃねえぞ。あと足も綺麗にしておけ」

 ボルフ先生は奥様と参加。俺が打診する前に決まっていました。


「荷物の脇に乗って行くのは、駄目ですかね?」

 身体を縄に括り付けておけば安心だし。


「駄目だ。キンウロコ様の好意を無駄にするんじゃねえ」

 今回、一番乗り気なのは、他ならぬキンウロコ様。ワノ国の竜に俺達を自慢したいらしい……里帰りした孫が連れて来た友達を観光案内するノリでした。

 外交だけでも、手一杯なのに……がちで逃げたいです!


東京、神奈川にお住いの方、活動報告にご協力をお願いします

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― 新着の感想 ―
[良い点] 久々更新やんけ〜 読者ニッコリですよ
[一言] おそらく王権を授けたとされているだろうキンウロコ様の背に夫婦で乗って異国漫遊www 次世代は王家取り込み待ったなし
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