表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/77

4 「あなたは今夜目撃者! あの有名マジシャンがなんとスタジオに!」

「わるいけど足りてるから」

 プロデューサーが肩を押して退場させようとする。そのたびにジャラジャラと、身につけた貴金属が耳障りな音を立てた。腕輪に首輪、ピアスにネックレス――とりあえず動くたびに小刻みな音がやかましい。


「ホワッツ!? オーノー、日本人冷たいアルねー。ミー、一度でイイからテレビジョン、デテミタカタアルヨー」

「どこ出身やねん! 中国人だってアルなんて言わへんわ!」

「Oh-.中国アル言わないアルか。ソーリー。じゃ、ゴザルでイクヨー」

「日本人だってゴザルなんて言わんわ!」

「OK。じゃ、ニャつけるニャ。ゴメンニャ」


「男がニャをつけるなァ!」


「なんでアンタがキレんねん」

 谷川が鼻息のあらい物理学者をたしなめた。

「失礼。物理学に通じるモノがあったので」

「いやいやないやろ。どこにもないやろ」

「シュレディンガーの猫という、立派な物理学用語があるのだ!」

「なるほどのう」

「納得すんなや! つーかソレ、ほんま物理学かいな?」

「事実の検証は是非この『ブツカク』で!」

「スキあらばかい! モォつっこむのしんどい!」


「番組始まって以来のグダグダ感……これはいける!」

 突如、プロデューサーが叫んだかと思うと、ビシッ! とサングラスの人を指した。


「採用!」

「ミーの実力、オモイ知ったヨウネ」

 サングラスをクィと指で押しあげ、ククク、とフテキに笑う。


すがっさん、このまま続けるの?」

 今井があきらめたようにたずねた。

「うん、時間押してるし、このままいっちゃう。マキでよろぴく」

 くるくる指をまわす。


「かーっ! ほんまテキトーなん勘弁してやー!」

「ミー、とても怖いところシってまーす。イマからイクね、テイクアウト」

「移動すんの? これから?」

「チカク、チカクねー。歩いて10分。オチカクヨー」

「みすず、大丈夫か!?」

 笹岡が走ってみすずのもとへ駆け寄った。

「う、うん。ちょっと、びっくりしちゃって」

「立てる?」

「え?」

 いつのまにかしりもちをついていた。

 手を貸してもらって何とか立ち上がる。


「あ、あちしも……」

 となりにいたギボー・無謀も、腰をぬかしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ