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第四十話

 脅威は去った。

 テスカさんに取り付いていた"運命の鎖"は二人の強大な魔力をもって放たれた一撃であっけなく消滅し、半ば消化試合の様に全ての出来事が終わり静かな時が戻る。


「カタリ様……。ご無事で何よりです」

「ん? ああ。ティア。かなりキツかったけどなんとかなったよ」


 ふと気が付くと、少し離れた場所からティア達が瓦礫だらけとは思えない程軽快な足取りでやって来る。

 宰相ちゃんなどいつの間にかこちらに駆け寄り当然の様に俺に抱きついていたりする。

 見回した辺りはほんの数時間前まであれほど栄華を誇っていたフローレシアの王城からはかけ離れた様相となっており王宮の上部は完全に崩壊している。今立つこの場所は王城の中腹辺りにある図書室や宝物庫等がある一角かと思われた。


「あ、雪ですよ」


 ほぅ、と白い息を吐きながらぼんやりと空を眺めていたテスカさんが呟く。

 彼女の言葉を聞き天を見上げると、確かに白い小さな粒が降りてくるのがわかった。


「大体の事は見ておりましたが、そちらでボンヤリ空を眺める魔王さんは敵ではないのですね?」


 抱きつき、その小さな頭をぐりぐりと押し付けながら「心配、しました」と甘える宰相ちゃんを撫でながら、テスカさんに同意を取るように視線を向ける。

 相変わらず天を眺める彼女にもう一度言ったほうがいいかな? と少し不安になったものの彼女はちゃんと俺達の言葉が聞こえていたらしく、へっくちと可愛らしくクシャミをすると鼻をすすりながらこちらへ視線を向ける。


「はい。えっと、私も初めから皆さんと敵対したかった訳じゃないので、敵とかじゃないです。むしろ味方です! 一緒に悪い奴をやっつけましょう!」

「でもテスカさんのせいでカタリ様は死にそうになったんですけどね……。と言うか、あれなんだったんです?」


 パラパラと、ティア達以外の大臣達や王城の兵士達が集まってくる。

 皆困惑した表情をしており、大抵の事には動じないフローレシアの人々には珍しく今回の出来事が理解できないようだった。


「えっと、私もよくわからないのです。あの首飾りは魔族で古くから伝えられている物で、代々魔王はあの首飾りを身につける事が義務付けられています。私も凄く怪しい雰囲気がしたので何度か捨てようとしたのですが、まるで呪われている様に身体から離れないのです!」


 拳に力を入れ、「全裸になっても無理でした!」と力説するテスカさんの言葉を頭の中で反芻する。

 あれが相棒が言う"運命"が力を振るう為の触媒だったとしてもそもそも"運命"と言う存在そのものがどういったものか疑問が残る。

 確か"運命"という言葉は聖者ワイマールが王都に襲撃した時にも聞いたはずだ。

 その言葉には何か重大な秘密が含まれている様な気がする。

 この予感と予想はもちろん俺だけでは無かったようだ。俺が疑問の声を上げるよりもまず先に、まったく同じ疑問をティアが代わりとばかりに尋ねてくれる。


「"運命の首輪"……でしたっけ? 私は聞いた事もありませんでした。じぃやは何か知っておりますか?」

「いや……情けない事に数千年を生きたじぃですら知らなかった事ですじゃ……まさか、こんな存在があろうとは。一体」


 いつの間にかそばに来ていたじぃやが苦々しい表情で首を横に振る。

 彼でも知らないとなるといよいよもって謎は深まる。

 少し……放置して大丈夫な問題でもない気がした。

 "運命"とやらがどの様な存在かは分からないが、それは明確にこちらを――俺を敵として見据えている様な気がしたからだ。

 そしてそのキーを握る相棒。

 彼女ならばなにか知っているだろう。秘密主義の彼女ではあるが今回ばかりは仕方ないと甘やかす訳にもいかない。

 何が何でも口を割ってもらうぞと気合を入れながら意識を心の奥底に潜り込ませる。

 だが――。


「その事についてはボクが説明するよ」


「「「っ!?」」」


 一同が息を飲む。

 澄んだ子供の様な声が聴こえた。

 それは俺がいつも聞いていた相棒の声だ。

 慌ててその声の発生源を探す、確か俺の身体の付近から聞こえてきたはずだ……。

 テスカさんが嬉しそうに「腹話術です!」と歓声をあげるのを無視しながら自らの懐を探ると、驚いた事に胸の辺りに何やら小さな異物を発見し取り出す。


「やぁ、こうしてお話するのは初めてだね! こんにちは、カタリ!」

「相棒……ここから喋ってるのか?」


 それは小さな焼け焦げたブローチだった。

 どこかで見たような、ただどこでも見たことのないような。そんな不思議な思いを起こさせるブローチ。

 もちろんそんな物は持っていなかった。少なくともテスカさんと戦う以前は……。

 だとすれば、それ以降に懐に現れた事になる。

 例えば俺が心臓を穿たれたあの時――。


「緊急的にカタリと繋げた時に持ってきたんだ。これで毎日お喋りができるよ!!」


 心底嬉しそうに無邪気に笑う相棒にどう返答していいのか分からずに言い淀む。

 代わりとばかりにティアが挙手し、俺の手のひらの上でコロコロと笑う相棒へと少々困惑を残した表情で尋ねる。


「えっと、相棒さんでしたっけ? ついにカタリ様の脳内友達が現実にまで侵食してきたんですね……。それはまぁ置いといて、"運命"とやらについて教えて頂きたいのですが」

「実際カタリは友達が少ないから脳内友達は重要なんだよ! 許してあげて!」

「いや、俺は友達多いぞ。多分……」


 キャッキャっと笑う相棒。

 まるで初めてテーマパークにやってきて浮かれる子供の様だ。

 だが、彼女がこの場に出てきたのはこの奇怪な敵に関して説明を行う為。

 今までみたいに一番大切な所をはぐらかすという事も無いだろう。

 であれば、このお遊びも楽しく聞けるというものだ。

 何も動揺することはない。

 そして俺は友達が多い。断じて少ないわけではない。具体的な友達をあげることは差し控えたいが……。


「それで、"運命"ってなんです?」


 俺が内心今まで目をそむけてきた事実と戦っているとモゾモゾと動く者がいる。

 先ほどから俺に抱きつき思う存分自分の世界に浸っていた宰相ちゃんが自分の仕事を思い出したかの様に埋めた顔を上げてポツリと尋ねたのだ。

 その言葉に相棒は「良い質問だね、宰相ちゃん!」と返すと、ついに今まで語らなかったその事実を語り始める。


「"運命"。あれが具体的にどの様な存在かは正直ボクも把握していない。ただ、あれは天に属する物だ。そして自らの望むとおりに歴史を動かそうとしている。"運命の断頭台"や"運命の首輪"はその尖兵、もしくは道具に過ぎない。」


「歴史……? しかし妙ですぞ、ワシも歴史は嗜んでおりますが、過去その様な存在が歴史に介入した形跡はないですじゃ」


 相棒が語る真実がよほど理解し難い物だったのか、じぃやがその説明に異を唱える。

 謎の技術と謎の魔法を使って永遠とも言える時間を生きているじぃやだ。

 彼の言葉には重みがある。彼が無いと断言すれば、それはもう事実であるとも言えた。

 俺もその言葉に頭を悩ませる。一体どういう事なのだろうか?

 考えを尋ねるように見渡した皆の表情も一様に困惑が含まれている。

 だがティアだけはじぃやが勝手に相棒の話を遮ったのが気に入らなかったのか、無言で偉大なる賢者の向こう脛を蹴り上げた。

 涙目で奇怪な叫びを上げるじぃやに相棒はひとしきり大きく笑うと、一転して冷静な声色で「前提が違う」と告げる。


「じぃやは確かに長生きだけど、数千年のレベルじゃないんだ。それは数万……場合によっては数十万年という途方もない時間で自らの意識を介入させているんだ。

 世界は滅びる。それは皆も知っていることだ。だけどそれは間違い。正しくは『世界はやがて滅び、そして再誕する』だ。ボクも知らないずっとずっと昔から、世界は滅びと再生を繰り返している。"運命"はそれを監視している存在なんだよ。

 だから"運命"は短期的な――それこそ数十年とか数百年程度のレベルでは介入を行わない。

 奴のスパンはもっと長いからね、それこそ数十万年眠る事さえある。勇者と魔王の戦いもその一つの通過点だ。勇者と魔王が戦い、そして魔王が滅びそこで物語は終わる。これは終わりへの引き金なんだよ」


 そこまで一気に説明すると、ふぅっと小さく息をつき休憩を挟む。

 まるで今までの説明を噛み砕く時間を皆に与えるように、相棒は沈黙を保つ。

 事実、誰もが彼女の言葉を理解するのに時間を要した。

 その言葉は荒唐無稽で、だがそれが真実であるという強烈な確信をもたらせるものだった。


「ただ、今回はすこしばかり滅びへのスパンが早いみたいだけどね……」


 相棒は感情を消し、事実だけを告げるように付け足した。


「しかし! 過去の文献を読み解いてもその様な存在や歴史については何も出てきておりませんぞ! ましてや星の成り立ちは我々も、そして勇者殿の世界でも解明されておる! その話が正しいと言うのならば"運命"は生命の原型が発生する数億年前からずっとこの時を待っていたと言われるのか!?」


 じぃやが再度声を荒げる。

 ティアも再度向こう脛を蹴ろうとするが、今度は何らかの防御魔法を行使したのか彼女の攻撃も意に介さない様子だ。

 俺のブローチ、そこから恐らく様子を眺めていたであろう相棒はじぃやが痛みを感じていない事に少々不満気な様子で「むー」と一言だけ唸ると、思い出したかの様に言葉を続ける。


「哲学めいた話になるけど、皆はこの世界がいつ始まったと理解している? 君達が生まれるその昔。恐竜や猿が知能も魔術も持たずに生きていた時代。それが実在した時代であるとなぜ証明できる?」


 何かあったな……。

 例えば、今現実を認識している自分、そして世界ががつい5秒ほど前に生まれた存在であるという事を否定する事は不可能である――だったかな?

 言葉遊びにも似た話だったと思うが、そういうことなのだろうか。

 つまりは俺達が認識している歴史と言うのは……。


「答えを言おう」


 相棒の声がやけに響く。

 俺の予想が……いや、俺達の予想が正しければ。


「世界はね――ある日突然始まるんだ」


 そう。俺達が知る歴史はでっち上げられたものが含まれている。


「それはおおよそ西暦0年。そしてこちらの世界、聖堂教会の一部のみしか知らない古い文献に出てくる神の暦である天暦でも0年。偶然の一致? 違うね、必然の結果だ」


 西暦0年……それ以前の歴史が全て捏造された物であろうという事実に軽いめまいを覚える。

 俺達が今まで習ってきた過去、当然あるものと思われていたその全てが虚構であり、なんらかの存在が意図して作り上げた物だという事実になんら言葉を発する事もできない。


「世界はもうすぐ一つになる。それは二つの世界が接近している事からも分かるだろう。そして一つになり、世界が滅び、また二つの世界に分かれてリセットされる。だから"運命"もこのタイミングで積極的に動き出したんだよ」


 つまり、二つの世界が近づいているから……終わりが近づいているから"運命"が動き出したと言うことか。

 自らの望む結末を迎える為に。自らの理想とする滅びを演出する為に。


「ある日突然世界が生まれ、人々が国を作り歴史を刻む。そして魔王と勇者が戦い勇者が勝利する。そしてゆるやかに世界は終わる」


「まるで、物語の様だね!! けど――」


「それが世界の真実だ」


 その言葉はどこまでも冷徹で、感情の片鱗を感じさせないものであった。

 だがどこか押し殺したような物を感じさせ、相棒がこの事実を無感情に捉えているのではない事を表している。

 各々が、自らの心の中でその事実を納得し今後の事を考えている最中。

 一番最初に質問したのはやはりティアだった。


「こちらの世界が勇者と魔王が戦いを繰り広げる舞台なら、カタリ様の世界はどの様な意味を持つのでしょうか?」


「世界は核の炎に包まれた!!」


 帰ってきた答えは少々予想していたものとは違った。

 思わず突然の大声にビクッ! と反応してしまう。

 静かな雰囲気の中、突然行われたそれに俺やティア以外も何人か驚きの反応を見せている。

 その様子に満足いったのだろう。

 相棒はクスクスとイタズラが成功した子供の様に笑いながら、場の空気を和ませるように少しだけおどけだす。


「なーんてねっ! どうやら"運命"……もしくは神様かな? 彼らも今いる生命を全て消し去って一から世界を作るのは骨が折れるらしい。だからこちらの世界とあちらの世界に混乱をもたらし、互いに自滅させるんだよ。そうして生命が限りなくなった世界で悠々と新しいオモチャを用意し始めるんだ。

 それがずっとずっと繰り返されている……」


 核か……しかし個人の戦闘能力が隔絶しているこの世界だ。ティアとか宰相ちゃんの高位能力者なら核にも耐えられる気がしないでもないのだけど。


「残念ながら現在我々が持つ技術では放射線を防ぐ術を持ちません」


 その疑問を察していたかの様にティアがこちらに視線を向けて答える。

 つまり、核爆発の影響を万が一防ぐことが出来てもその影響を防ぐ事ができないと言うわけか……。

 確かにこちらの高位能力者も無敵ではない。俺達の世界でも様々な技術があるんだ、もし戦争になった場合、殺す手段なんていくらでも用意できるのだろう。

 魔術に対するカウンターとしての科学。

 なるほど、上手く出来ている。

 お互い知らない未知の力、そしてどちらも驚くほど強力だ。

 それが一度に全力で放たれたら……世界が終わるのも当然だろう。

 そしてそのお膳立てをするのが"運命"である……と。


「僕らの敵は……そういう存在なんだよ」


 相棒は静かな声で静かに告げる。

 先ほどの少しおどけた雰囲気はいつの間にかどこにも無かった。


「"運命"についてはこんな感じ! いっぱい話してちょっと疲れちゃったかな。 何か質問あるー?」


 ふいー、と息をつきながら質問を尋ねる相棒。

 各々が顔を向けあい、尋ねるべき事を検討するが事が事だけにどういった内容の質問をするべきか考えあぐねている様だ。

 しばらくしても誰も何かを尋ねる様子も無い。ティアでさえ何かを考えている様だ。

 じゃあとばかりに尋ねてみる。

 今回も無理だろうなとは思いつつも、彼女の正体を。


「それで結局相棒は何者なの?」

「……それはまだ言えない。どこで"運命"が聞いているとも限らないからね。まだまだ聞かれる訳にはいかないんだよー!」


 カラカラと楽しそうに答える相棒。どうやらまだお預けらしい。この話はこれで終わりとばかりに押し黙る。

 俺も彼女の言葉に納得し、小さく頷くと彼女との会話を切り上げる。

 だが最後に「言うのもちょっと怖いしね……」と呟いた気がした。


「ボクもこれからはこのブローチを介して皆とお話できるから、何か疑問があったらすぐに聞いてねー!」


 続いた言葉はいつも通りの相棒らしく、快活とした物で相変わらず元気いっぱいだ。

 これからも会話ができる事に安堵したのか、ティア達も幾分表情がやわらぐ。

 もし聞き漏らしていた事があったとしても今後様々な相談ができる為だ。


「なるほど、大体の事はわかりました。また細かい事は都度尋ねるとして、今後はその"運命"が歴史に積極的に介入してくる事を踏まえて行動しましょう!」


 パン、と手を叩き皆に宣言する。

 それを合図としたのか、張り詰めていたある種の緊張の様な物が溶けやや穏やかな空気が戻る。

 俺もこの隙に相棒と会話を重ねようと話題を探すが、その空気を裂くようにこの場に割って入る物が現れる。


「ご歓談中の所失礼致します!」

「はい、どうぞ!」


 何をどう見れば歓談しているのか理解が難しいが、軽装の兵士がこちらへと足早にやって来たかと思うとティアの前で片膝をつき報告を始めたのだ。

 どうやら何か緊急の案件があった様子。

 基本的に大した事がない要件なら報告すら無視するこの国の兵士だが、こと重大な案件となるとこの様に律儀に伺いを立てる。

 そして今回もその様な問題らしい。


「先程、バレスティア黄金帝国より使者殿が参りまして、こちらの書簡を置いていかれました」


 封が施された書簡を恭しく差し出す兵に一言礼を告げ、つまらなそうにその中身を見やるティア。

 どの様な要件かは分からないが、普通こういった場合使者が直接ティアに書簡を渡すのではないだろうか?

 どうにもなめられている気がする。いっそ簀巻きにして罵りの言葉を書いた書簡にのし付けて送り返してもいいのではないだろうか?

 そんなこちらの世界で通用するかどうか分からない皮肉を考えながらティアの様子を見つめる。

 彼女は視線を何度か往復させ、その内容を確認するともう用はないとばかりにポイとその書簡を放る。

 少々興味があったので風に流れてきたそれを掴みとり内容を確認してみる。

 バレスティア黄金帝国らしいごちゃごちゃとした下品な装飾が施されたそれは、読みづらい堅苦しい文章でこの様に書かれていた。


「『魔王活性化に関して各国代表の緊急招集について』……か」


 視線が一斉に一点に集中する。

 積もりかけてきた雪を丁寧にかき集めて小さな雪だるまを作っていたテスカさんは、その言葉に驚き顔をあげる。

 そうして、ひとしりき何かを考える素振りをみせた後「夜の活性化……?」とドヤ顔で胸を張る。

 何が自慢なのか誇らしげなテスカさん。

 そんな彼女をチラリと一瞥した後、ティアは何事も無かったかの様に皆に向き直り晴れ晴れとした笑顔を向ける。


「さっそく何らかの介入があったのかもしれませんね。さぁ皆さん。それを踏まえて行動しましょうか!」


 魔王を華麗にスルーしたティアは不敵な笑みを浮かべ大臣達や相棒と起こりうる可能性について様々な議論を始める。

 もちろん俺は置いてけぼりだ。けど先ほどから何かを期待するような構ってオーラを出しまくっているテスカさんに向かうのは何か釈然としない物を感じた為、俺に抱きつきながら幸せの絶頂に居るであろう宰相ちゃんと暇を潰すことにする。


 ちなみに、勇者と魔王の大決戦によって半壊したフローレシア城の修復は非常に骨の折れる作業だった。

 当初はテスカさんの能力で破壊された事実を塗り替えれる為さほど大変ではないだろうと楽観視していたのだが、その本人は仲間になった敵キャラよろしく能力の減退が起こっており全く使い物にならなかったのだ。

 結局、壊れた王城はごく当たり前の様に俺が修復する事になった。


 そして、あれやこれやと時間を潰している内にバレスティア黄金帝国へ行くことが決まっていたのだ。

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