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俺と雫と乙女の勘

待ちに待った時が来たのだ!

多くの時間が無駄ではなかった事の証の為に……

再びこの文章を書き連ねる為に!

完結と言う目標の成就の為に!


「小説家になろう」よ!私は帰って来たァー!!

前回のあらすじ

・雫のおかげで俺の貞操は守られた

・神崎先生は女不良集団のリーダーらしい(納得)

・あ、前回は回想です






 ちゅっちゅ…んあー…スリスリ……


「うん…何だ……?」


 妙な音と感触で目が覚めた。

 具体的には首がぬるぬるするし胸に何かを擦り当てられているような―――


「んん…あにきぃ……」


 ……いやまぁ分かってたけど。


「くそう雫め…昨日珍しく自分から上に行ったと思ったら……。

 結局俺の布団に潜り込んでるじゃねーか……」


 ハァ…『ケータイであいつらと相談する』って言ったのはお前だろうに……。


 さて、今日は俺が神崎先生に襲われて、先生が雫に宣戦布告(?)をした翌日の朝だ。

 家に帰ってからはいつも通り家事をして、その後適当に過ごしてから寝た訳なんだが……。

 雫の甘えっぷりがどんどん加速している気がする。

 確かに昨日はいつも通りに家事をしてはいたが、その間ずっと雫が俺の背中に抱きついていた。

 一応料理をしていて火を使ってる時は離れてくれたんだけどな……。


 どうも雫は危機感を抱いているらしい。

 何にと言えば…勿論神崎先生についてだ。

 それがどうも本気で警戒しているようだから、夕飯をとってから『雫がそこまで警戒する相手なのか?』と質問した所、如何に先生が危険人物なのか説明してくれた。


 その内容を要約して纏めるとするとこんな感じ。


・先生がリーダーをやっていた不良集団の名前は『ストレングスガールズ』と言うらしい。まぁこれは昨日言っていた事だな。

・団員は全員女らしい。女と言っても結束力が半端無く、他の不良集団に全く引けを取らなかったとか。

・“引けを取らなかった”どころか、最終的には他の不良グループを全て潰し、全ての不良グループの頂点の座を取ったんだとか。……全ての不良グループの頂点ってどんなですか先生……。

・先生はその力の強さが半端無かったらしく、リンゴを握りつぶすのは楽勝、フライパンを丸めるのも簡単にこなし、その拳は鉄板を貫通すると言う。……それ人間やめてるんじゃね? というか殴られたら死ぬよね?

・『ストレングスガールズ』という名前も元からそう名乗っていた訳じゃ無く、先生の強さから周りが勝手に付けた名前らしい。……安直じゃないか? そのグループの全員がそれだけの力を持っていた訳でも無いだろうに……。


 何だか俺の感想が入ってしまったけれど、大体こんな感じだ。

 昨日言っていたように元グループメンバーを使うと言う事は無いって言ってたけど……。

 鉄板貫通する様な物騒な人間が率いる集団とか怖すぎじゃ……。


「ハァ…とりあえずは美咲ちゃんと聡里に相談してみるしか無いだろうけど……。

 結局どうなったのかね? 俺の布団に潜り込んでるって事は、一応キリは付いたんだろうけど……」


 もしちゃんとキリが付いていなかったらあいつらの事だ。

 徹夜で相談するか、それぞれ考え事をしながらそのまま居眠りだろう。

 ……俺の事でそこまで悩ませるってのは、正直申し訳ないけどな……。


「今日は鍛練は無しにするか。結局あの2人に相談してどうなったのか雫に聞かないと駄目だし」


 というか俺の事なんだから俺も混じればよかった……。

 でも昨日は疲れてたしなー。……最近いつも疲れてるな。この一週間で大分就寝時間が早くなった気がする。体力には自信があったんだが……精神的疲労?


 ……まぁそんな事は良いか。

 とりあえず、未だに俺に抱きついて寝ている寝坊助(ねぼすけ)を起こすとしましょうかね。


 枕を囮に布団から抜け出して…っと。よし、今回はスムーズに行ったぜ(キリッ)

 …馬鹿な事言っている暇は無い。


「雫~、もう朝だから起きないと駄目だぞ~」


 ~寝坊助な妹を起こす為に~

 Level1,優しく揺らしながら声を掛ける。


「んぅ…兄貴は…あたし達が絶対守って……」

「…そろそろ起きないと駄目だぞー、昨日の報告を聞く時間が無くなるからなーっ」


 Level2,少し強めに揺さぶりながら声を掛ける。


「んやぁ…後5時間~……」

「……おい、こら、雫ッ! 起 き な さ い!」


 Level3(MAX),大声を出しながら布団(掛け布団)を引っぺがす。


「んあ、寒い…さむいぃ……」ギュッ


 あ、俺に抱きついてくるなバカ!?


「兄貴温かい……」


 やばい、さっきより眠りが深くなった気がする……。

 仕方ない、奥の手を使おう。


 Level@#(番外),雫が釣られそうな事を言ってみる。


「あぁ…もし雫がすぐ起きてくれたら、おはようのキスをしたのになー(棒)」


 自分でも驚くぐらいの棒読みで天井を見ながらそう言っ『ガシッ』…て……?

 下を向くとそこには口を窄めて無理やり俺を引き寄せようとする雫が!


「あたし起きた。だからチューしてくれるんだよな?」


 ちょwwおまww反応良すぎてワロタww

 ワロタ…ワロタ……オワタ………


 おっと、ついネットスラングっぽい口調になってしまった。

 全く…俺はそこまでパソコンを使ってなどいないと言うのにな! HAHAHAHAHAHA!!


「あにきィ…キス…はやくぅ……」


 ……


 …………


 ………………オワタ\(^o^)/


 っていやいや! 終わってねーから! 全然終わって無い、寧ろ瀬川先生の戦いはこれからだから!?(←焦りすぎて混乱中)

 そうだ、あの人も言っていた!


 『諦めろよ、どうせもう無理だってこれ。もっと冷たくなれよ……』

 『諦めなさい。あなたの試合はここで終了ですよ』


 そうそうこんな感じ! それに雫の腕が俺の首に回ってて、足が腰に絡み付いてるだけ…って……


 あれ、これもう詰んだんじゃね?


 フォォォォオォオォォォォ……。

 口が、雫の口が迫ってくるぅぅうぅうぅぅぅ……。


『~♪~♪……~♪~♪~♪』


 ッハ! ケータイが鳴っている!? しかも曲的に電話! 神は俺を見捨てなかったんだな!!

 片手で雫の口を抑えながらケータイを取る…取…る……っ! 取れた!


 相手は…聡里か!


「雫、ちょっと電話が来たから離れてくれるかな~?」


 出来る限り穏やかにそう言ってみる。

 下手に刺激して無理やり襲われたりしたら、この状態だと色々拙いからな。

 ……まぁ、そうなったら手遅れになる前に通話ボタンを押せばいいんだけど。無理やり俺を襲ってキスしたなんて事がばれれば、雫にとって宜しくない事になる筈だ。具体的には俺がこの家に暫く帰れなくなるとか。

 ……あれ、それって俺も拙くね? …Oh…俺阿呆だ……orz


「……こんな朝っぱらから誰が電話してくんだよ」


 良い所を邪魔されたせいで不機嫌そうにそう言う雫。(自分でこんな事言うの恥ずかしいな……)


「聡里からだよ。……ってあれ?」


 確かに…アイツこんな朝早くから何の用だ? 幾らなんでも早すぎるような……。

 まぁ、聡里は俺が毎朝早くから起きて鍛練してるのを教えてあるから、一応電話してきてもおかしく無い…のか……?


「じゃあさっさと電話終わらせてキスしてくれよ兄貴……」


 黙らっしゃい。……っと、いい加減でないと切られちまうな。


「(ピッ)……はい、もしもーし」


『やぁ十夜、こんな朝早くからすまないね』


「あぁ、まぁ別に構わないけど…何の用だ? 幾らなんでも早いと思うんだが……」


 俺が起きる時間=AM4:00,雫との攻防で結構時間が経ってるから、今は30分経って4:30だが…早いのには変わりない。聡里がこんな時間から起きてまで電話を掛けて来る程の要件があるのだろうか?


『フフッごめんよ、でも少し急ぎの用件があったんだよ。

 君にしか言えない事なんだけど…そこに雫はいるのかい?

もし傍にいるのなら、君か雫のどちらかが別室に行って欲しいんだけど……』


「あー…今傍にいるから俺が部屋から出る事にする。

 ……雫、良いな?」


 俺の背中に抱き付いて通話内容を聞いていた雫にそう言った。……抱き付いてるのは俺を逃がさない為なんだろうが、首に顔を擦り付けるのはヤメナサイ。


「えぇー…仕方ねぇなー…。早く帰って来てくれよ……?」


 渋々と言った感じでそう言う雫。(ホッ)


「ハイハイ…『ガチャ…バタン。スタスタ…ガチャ…バタン』…よし。聡里? 別の部屋に入ったぞ

 それで俺にだけしか言えない要件って何だ?」


『フフッ…特にこれと言った要件があった訳じゃあ無いけどね。

 嫌な予感がしたから電話しただけさ。十夜、君に良くない事が起こっているような…ね』


 マジで? 聡里さんパネェ。……いや、ホントに凄くね?


「お前凄いな…そんな能力があるとは……」


 正直助かった。もし聡里が電話をくれなかったら、俺の唇が侵略された事だろう。……あれ(雫を起こす為に言ったもし雫がすぐ起きたら~の事)は実に…実に迂闊な発言だった……。


『僕の能力って言うか…乙女の勘って奴だよ。好きな相手の危機を察知したのさ』


 う…そんなはっきり好きとか言われたら……。

 電話でよかった。もし面と向かって話していたら真っ赤になった顔を見られる所だった。


「いやまぁ…助かった。ありがとよ」


 ついついぶっきらぼうな言い方になってしまった……。


『フフッ、そんな真っ赤になった十夜も可愛いよ』


「なっおまっ、俺が見えてんのか!?」


 怖いわ!


『カマをかけただけさ。本当に十夜は可愛いね。フフフッ』


「ぐ…くぅ……っ」


 聡里の口角が釣り上がった姿が目に浮かぶようだ……。悔しい。実に悔しい。


『あぁ、そうだ。

 昨日雫に聞いたけど、神崎先生に襲われたんだって?

 その事についても話そうと思ったんだけど……やっぱりこう言う事はちゃんと顔を合わせて相談したいからね。

 ―――十夜、また学校で会おうね。それじゃっ』


「あ、おい聡里! …はぁ、切りやがった……」


 結局最初から最後まで聡里のペースだったな…だから何だって話だけど。

 まぁ助かったし良いか……。


 そんな事を考えつつ、俺は雫が待つ部屋に帰ってきた。……俺の部屋だけど。


「雫ー帰って来たぞー…言っとくけどキスはしな…い……」


 ……ハァ


「寝てるじゃねーか……」


 どうやら待ちくたびれたらしい。

 まぁこんな朝早くに起きて、何もせずにまってたらそりゃあ二度寝しちゃうか。



 ……助かった。


 こりゃ、明日のデートで聡里に何か奢るしかないかねぇ……。

今回は本編としては文字数最多だったりする。

でも作品内文字数最多は番外編の“「俺とバレンタインと」続”だったりする。

これは番外だから飛ばして読んだりしてる人に対する宣伝だったりする。



―――相変わらずのクオリティですが、暇つぶしにでもなれば幸いです。

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