俺と妹の一日の始まり
この作品は作者の妄想をグダグダ書き連ねていくだけの作品です。
気に入らなかったりした方は素直に戻るを押してくださいな。
さてさて、とりあえず日課のトレーニングを終わらせて家に帰り、シャワーで汗を流す。
そうすると時間も少々経っているのでそろそろ朝食の準備をしないといけない。
我が家の朝食は基本的にご飯、味噌汁、卵焼きの和食セットか、トースト、スクランブルエッグ、サラダの洋食セットを交互に作る。
まぁ大体がそうだというだけであってその時の気分で変えたりと自由にやっているんだけどね。
今日は別に変わった物を作る様な気分でも無いし、昨日は洋食セットを作ったので味噌汁の準備だ。
「このくらいの料理はあいつも作れるようになって欲しいもんだがなぁ……」
そしたら兄妹で交互に作れるようになるし俺の負担も減るんだが。
「まぁあいつはちゃんとした掃除ができるようになったばかりだし今はまだいいか」
……そう、そういえばまだ一度も名前が出ていない我が妹の雫は、つい最近やっと掃除ができるようになったばかりだ。
それまでは散らかすだけ散らかし、それを片づけるようなことはせず全部俺に丸投げ。
それを注意すればただ一言「うっせぇ!」とだけ言い放って逃げて行く。(”去って行く”ではなく”逃げて行く”ので、あの子もこのままでは駄目だというのは分かっていたようだが……どうしても甘えてしまい直す気にならなかったのだろう)
流石にずっとこのままでは駄目だと思い、雫に言う事を聞かせる禁断の一言である「言う事を聞かないと嫌いになるぞ?」と言ってやっと直す気になったのだ……まあその一言を聞いた途端泣きながら掃除の仕方を聞いてきた雫を泣き止ませて、そこから掃除道具の場所やら使い方やら掃除の手順やらを説明し、失敗して涙目になる雫をなだめて繰り返し教え直し……とあまり順調には行かなかったが。
まぁそもそも2.3日ですぐ出来るようになる物では無いしなぁ。(俺が求めるのはちゃんと彼女が自分だけの力で最後まで行い、その後部屋を見れば”綺麗だ”と思えるような清掃能力であるからだ。そもそも掃除以前に散らかした物を片づけるという事すら出来て無かったし)
結構な期間をかけてなんとか清掃能力を身に着けさせたのだ。
それまでは家事能力0どころかマイナスの奴に一から教えて、ちゃんと力が付いたのだから成功したと言えるだろう。
そこからすぐに料理にまで手をつけるのはまだ駄目だろう。
別に今すぐ身に付けなければこの家はお終いだぁ!ってな状態でもないし、流石にまた「嫌いになるぞー」と言って言う事を聞かせるような真似はしない。
俺だってあの子を進んで泣かせようと思っているわけでは無いのだ。
何よりそんな連続で新しい事をやらせてもやる気がでないだろうし、強引にやらせてもちゃんと身に付かないだろうしな。
……妹の成長と今後の教育方針を考えている間に料理ができたようだ。
思考に耽っている間にも俺の体は動き続けていたらしい。
流石にここ何年間続けただけの事はある。
我が友人に「君は立派な主夫だな」と言われるのも無理は無いのだろうな……。
あの時は否定したが自分でもそう認識してしまうのはどうなんだろうか……。
〇
さて、料理も完成したし我が愛しい妹を起こしに行くとしよう。
どうせ俺を起こしに来た後二度寝しているに違いない。(そもそも俺は起きていたが)
まぁすることも無いのに4時に起きても寝るしか無いだろうから仕方ないけど。
「おーい、雫ー? もう7時だぞー起きなさーい」
シーン………
どうやら完全に熟睡しているようだ。
まぁ4時に起きてからすぐにまた眠れたとも思えないし仕方ないだろう。
中途半端に起きてから眠るとどうしても起きるのは遅くなるしな。
とはいえ、寝坊させるわけにはいかないし……
仕方ない、直接起こすしかないか。
「雫ー? 部屋入るぞー」ガチャッ
一応声を掛けて部屋に入る。割と大きめの声で言ったがまだ起きはしないようだ。
雫の部屋は普段のヤンキーっぽい雰囲気とは違って、とても女の子っぽい内装をしている。
黄色いクマのぬいぐるみや大きな丸い耳が特徴なネズミのぬいぐるみ、耳の大きなゾウの様な動物のぬいぐるみなど、某夢の国の住人達が多い。
……というのは嘘である。
何かのキャラクターだとか、そもそもジャンルが決まっているわけでも無く、とにかく沢山のぬいぐるみであふれ返っているのだ。
実はあの子に掃除を教えたのは他の家事をしながらこの部屋を掃除するのがかなり大変だからだったりする。
時間が経つとすぐに埃が溜まるし、ぬいぐるみを退けて掃除してもそれを元の場所に戻すのが大変なのだ。
どうやらそれぞれの配置が決まっているらしく、場所を間違えると怒られてしまう。
何とか場所を覚えても雫の気まぐれで配置が変えられたりすると目も当てられない事になるしなぁ。(というかよくこの数のぬいぐるみの配置を覚えられるな……)
これでも昔のように節操無く買い漁ったりしなくなった分まだ楽になった方なのだが、これを機に自分で掃除させようという事になったわけだ。
「やばい、またどうでもいい事を考えて時間が経ってしまった……」
早く起こさないと味噌汁が冷めてしまうしね。
雫のベットに近づいて行く。
「スゥー……スゥー……んー兄貴……」
ん? 俺の夢でも見てるのか? これは気になるな。
妹が兄をどう思っているのか分かるかもしれん。
少し様子を見よう……今日は料理が早く出来たし時間には余裕がある(味噌汁が冷めたらまた火を入れればいい。そんな手間は俺に対する評価に比べればどうという事は無いしな)
「んぅ・・・美咲が兄貴を獲物を狙う野獣の目で見てる……兄貴はあたしが守って……んぅ……あにゅきぃ……うへへ……へ……」
三点リーダーが多いわ! じゃなくて俺に対する評価じゃ無かったようだ。ちょっと残念。
そして後半は聞かなかった事にしておこう……
ちなみに今出てきた美咲というのは雫の数少ない友人であり、俺の後輩でもある女の子だ。
肩まで伸ばした黒髪に口元の黒子が特徴でかなり大人びた子である。
荒っぽい言動をとる雫に恐れずに近づき、あの子の友人になってくれた中々しっかりした子であり、俺は美咲ちゃんと呼んでいる。
美咲ちゃんの御蔭でクラスで浮いていた妹はクラスに受け入れられたらしく、その時は雫も嬉しそうにしていた(実際はかなりツンデレっぽい態度をとっていたが、ある意味分かりやすい)
俺に対する評価では無かったし、いい加減起こすとしよう。
まずは閉まっているカーテンを開けて太陽の光を部屋に入れる。
その後雫が寝るときにいつも抱いているイルカの抱き枕を抵抗を押さえて取り上げながら一言、
「こらぁ! 朝だぞ雫! 起きなさい!!」
まるでお母さんみたいだと自分で思った。
「うぅー後5時間……」
「長いわッそんなに寝てると遅刻するだろうがッ!」
阿呆な事をぬかしたのでぬいぐるみの代わりに掴んでいた掛け布団を強引に奪ってやる。
その勢いで my sister は『ドスッ』と鈍い音を立ててベットから落ちた。
「……何すんだ馬鹿兄貴! ベットから落とす事ねぇだろ! 痣でもできたらどうすんだよ!」
「大丈夫だ、問題無い。というかお前の体に痣を作る様な事を俺はしないし、その高さで痣を作るほどお前の体は軟くない」
「あたしが起きるのが遅くなったのは兄貴を起こすために早く起きたからじゃねぇか。もう少し優しく起こしてくれよ……」
んー……確かにそうだったかもしれない。
いくら雫が阿呆な事を言ったとしてもそもそも悪かったのは昨晩夜更かしをして今朝ちゃんと起きれるか心配させた俺だし、ベットから落とすのは流石にやりすぎだったか……。
「あー、確かにやり過ぎだった。すまん。お詫びに今度何か言う事1つ聞くから許してくれないか?」
「え、マジで? それって何でもいいのか?」
「ああ、俺ができる事なら何でもいいさ。……でも常識的な範囲で頼むぞ?」
「そうか、何でもいいのか……何を頼もうかなぁ……一緒に寝てもらうとか……」ブツブツ
「あー考えるのは後にしてくれ。とっとと着替えて降りてこい、飯食って学校行くぞー」
「はいはい分かったよ、じゃあ着替えるからさっさと出て行けよな!」グイッ
「おっとっと、すぐ出て行くって。そんな押さなくてもいいだろうに……」
さて、とりあえず味噌汁を温め直すとするか、ぬるい味噌汁を飲ませて怒られたくないからなー。
――――こんなぱっと見て日常の些細なやり取りも、また新しい一日が始まったという実感を与えてくれる大切なものなのであった。
相変わらず短いのは仕様。
ちなみに主人公が夜更かししたのは単純にネットで二次小説を読み漁っていたから。
それで寝坊しても自業自得だね。