俺と妹と…ちょっま、やめっ!
える知ってるか、死神は林檎しか食べない。
~前回のあらすじ~
・何故か発動する修羅場
・雫頑張りすぎじゃね?(聡里ェ…)
・危機は去tt…ってない…だと……?
「さて…晩飯つくるかぁ……」
あれから俺は買い物を済ませてから帰宅した。
今日の晩飯は豚キムチにする為、この前使い切ってしまったキムチを買ってきた。
逆を言えばキムチしか買って無いんだけどな……。
ちなみに洗濯物も取り込んである。
食事が終わったら畳むつもりだ。
時間もそこまで余裕がある訳ではないので、さっさと料理を始める事にしよう。
……その前に風呂の掃除と服を着替えないと駄目だけど。
〇
「しっかし何で雫も聡里もあんなに怒ってたんだろうなぁ……」
料理をしながら事は、やはり部活(と言う名のry)で合った事だ。
しっかしあそこまで怖い思いをしたのは久しぶりな気がする。
あの二人があそこまで怒るのは中々無い事…っていうか雫はともかく聡里が本気で怒ってる所を見るのは初めてだったように思う。
本当に何であんなに怒ってたんだろう……。
まぁ雫はすぐ帰ってくるし、聡里にも明日学校で聞けばいいか。
今は料理を完成させよう。
「キムチを投入…っと。後は暫く火を通せば完成だなー」
ガチャッ
「ただいまー」
どうやら雫が返ってきたようだ。
「雫ー? もう晩飯できるから早く着替えてきてくれー」
目を向けずにそう言っておく。
料理から目を離す訳にはいかんからな。
まぁ別に豚キムチなら大丈夫だけど、これがいつもの流れだからな。
雫もこう言えば返事をしてすぐ着替えに行くし、その後で皿の用意とかをお願いする。
そして料理を盛り付けたら、二人で『いただきます』をして食べる…と。
まさに日常! 圧倒的平和な日常風景…! 素晴らしいね!!
「………………」
ん? 雫の返事が無い?
「おい雫? どうし…『ガバッ』うお!?」
一端手を止めて(後は混ぜながら火を通して行くだけ)体ごと振り返った途端雫に抱きしめられた!?
「ねぇあにきぃ…」
「お、おい、どうしたんだ?」
というか近い! 顔近いよ!? 鼻が付きそうだって!!
「キス…しよ…?」
俺\(^o^)/オワタ
じゃねぇ! まだこの危機から逃れられないとは決まった訳じゃない!
狐父やその友人の兎も言ったじゃないか! 「決して諦めるな。自分の感覚を信じろ!」って!!
更に有名なあのバスケコーチも言ってただろ! 「諦めたらそこで試合終了だよ」ってさぁ!!
とりあえず火を止めよう。完全に話す体勢にせねばならん。火事とかシャレにならんからな!
「ま、まぁ落ち着くんだ雫よ。とりあえずこの腕をはなs「やだ!」え゛?」
「離したら兄貴は逃げるんだろ? そうやって時間稼いで有耶無耶にするんだ……」
「いやいやそんな事は無「そんな事ある!」いぃ……?」
「今まではそうだったじゃねーか! でも、今回は逃がさねーぞ兄貴ィ……」
これはヤバい。ヤバいったらヤヴァイ。
「わ、分かった。とりあえずお前は何がしたいんだ? 教えてくれ」
「何がしたいだって? 今言ったばっかりじゃねーか。……キスだよ。あたしは兄貴とキスがしたいんだ」
「いやいや! それは駄m「美咲とはしたのに?」あ、あれは美咲ちゃんが無理やり……!」
「じゃあ、あたしも無理やりならいいんだな?」
―――――瞬間、
俺の体は宙を舞った。
ボスンッ
一瞬の嫌な浮遊感の後、俺の体はソファーにソファーに落ちたようだ。
……台所からここ(ソファー)まで投げたのか!? 俺は結構身長もあるし体重もそこそこあるんだぞ!?
……ってそんな事はどうでもいい! この流れはマズ―――――!?
んちゅうっ…!
「んむぅ!?」
「んっ…んん~♪」
キス…されてしまった…妹に…キス……。
「んあぁ…おにいちゃんっ……ぢゅちゅうっ!」
「んうぅ!? …ちょっま、やめっ! ……んむうっ!?」
マズイ! 雫の奴キスはキスでもディープなキスをしてきやがったぁ!?
しかもかなり強くホールドされていて抜け出せない!
俺を投げた時といい今のホールドといい、こんなに力が強かったのか!?
拙い、マズイまずい! 焦ってちゃんと考えが纏まらないっ。
どうやって脱出すれば……!
「はァ…おにいちゃぁん……愛してるぅ………」ギュー
「うゴぐぐぐぐぐ……」ジタバタジタバタ
今度は顔が胸に埋まって呼吸がガガガガガガガ………
「おにいちゃん…。暫くの間キスは続けるからね? …変に抵抗したら最後まで行っちゃうかもよ……?」
今度こそ\(^o^)/オワタ
そうして俺は暫くの間……体感では1時間くらい、実時間では10分ほどの間キスをされ続けた……。
〇
「……ちゅっ。はぁ…やっぱり兄貴の唇はおいしかったぜぇ……。兄貴、ごちそうさま♪」
あぁ…やっと終わった……。
父さん母さん、息子は完全に穢されてしまいました……。
妹とこんなにキスをするだなんて……。
「言っとくけどな、これからはあたしも兄貴を“兄”としてではなくて“異性”として接するからな? 覚悟してくれよ……?」
「おまっ!? 自分が何言ってるか分かってんのか!?」
「分かってるよ。でもさ、好きだからキスしたんだぜ? ……それだけ本気なんだ。どれだけ言ったって聞かねーからな……?」
そうか…もう、とめられそうにない…か……。
「お前がそこまでいうなr「あ、これからは毎日兄貴と一緒に寝るからな?」ってなんでだよ!」
「あたしは兄貴が大好きだからなァ…えへっえへへへっ」
うわぁ、ヤベェ…。昨日一緒に寝た時既にヤバかったのに、それがこれから毎日だと……?
流石にそんな事が続けば俺の理性がヤヴァイ。何としても阻止せねばならん!
「おい! 流石に毎日は無理だ! せめて何日か置きにしろ!!」
「いいぜ」
え?
「別に毎日じゃなくてもいいぜ?……何日か置きにでも、一緒に寝るのは良いんだろ? だったらあたしはそれで良いからなァ……」
「あ………」
は、ハメられたあぁぁァァァァァァァァ!?
おのれぇ雫ぅ! 本来の目的より少し高めの要求を提示して相手に妥協させ、自分の要求に限りなく近い選択をさせるとは……!
そんな交渉術を頭の残念なお前がどうして……っ!?
美咲ちゃんだァ!? 絶対美咲ちゃんだ! あの娘そういうの強そうだもん! もしかして普段からされてたとかそんな感じか!? ちくせう………。
「えへへ…改めてよろしくな? 兄貴♪」
色々無念である。本気で無念である。
……というかあの交渉術は結構有名じゃん。
なんで俺引っかかったし………。orz
える知ってるか、死神は職業らしいぞ。
「死神代行」っていう職業も存在するらしいからな。
次回でやっと回想に入る前に追いつくっぽい。
まさか回想に2話も使うとは……。
作者が昔家族で飼っていた犬の名前が「える」だったりする。(“エル”か“L”だったかも知れないけど分からん)
シベリアンハスキー…可愛かったなァ……。orz
12/22 誤字等修正