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俺と聡里と部活勧誘

毎日更新終了のお知らせ


今日は悪夢を見た。怖い。

「何だって? 僕に部活に入れだなんて…本気かい?」


「いやいや、別に入れとまでは言って無いだろ。ただお前なら良いかなって思ってさ」


「言いも何も君が入っている部活は護身術部だろう? 僕の運動神経じゃ出来っこないじゃないか」


 教室に着いた俺は早速聡里(さとり)を部活に勧誘しようと話している。


 まあまずは護身術部の実態とかを話すしかないな……。


「その事なんだが…実はな…」


「?」


「実は…護身術部ってのはあくまで部活を作るための言い分でしか無くてな? 本当はただ単に俺と妹、妹の友人が集まってグダグダ喋ったりしてるだけなんだよ……」


「え? でも君は凄い強いじゃないか。あの実力は部活で培ったものじゃないのかい?」


「そのトレーニングは毎朝4時にやってるんだよ。護身術部にはそもそも道場すら無いからな」


「そう…なのか…。――――だったら何で今まで僕を誘ってくれなかったんだい? 酷いじゃないか。僕と君の仲なのに……」


「あー…、それは悪かった。でも俺の妹が知らない人間を入れたがらなくてな……」


「ふーん…それで、どうして今になって部員を増やす気になったんだい?」


「それは俺にも分からない。少し前に『部員を増やさないのか』って聞いた時には、『今のままで良い』って言ってたんだがなー」


「ん? 君が部長じゃないのかい? さっき君の言った部員の中では君が2年で後は二人とも1年だろう?」


「そもそも護身術部を作ったのは俺の妹なんだよ。そんでもって部長も妹なわけ」


「ふむ……(まさか護身術部の実態がそんな物だったとは…と言う事は僕が入部しても何ら問題は無く、放課後も十夜と一緒にいられるという事なのかな? 確か話しを聞いた限りでは十夜の妹は中々のブラコンだって話しだし…これは僕が十夜を奪い取るチャンスが来たって事だね? フフフ……)


 なんだか思っていたよりも考える時間が長いな……。

 もっと早めに答えを出すと思ってたんだが……。


「あー…それで、答えはでたか? 俺は入部して欲しいんだが…」


「っ!…君は僕に入部して欲しいのかい?」


「そりゃそうだろ。お前なら何にも問題無いし、3人だけってのも少し寂しく感じてきてな? それで新しく部員を増やすならお前しかいないと思ったんだよ」


「そ、そうかい…(十夜は僕に入って欲しいんだ…フフッ嬉しいなぁ…これは絶対に入らないとね。そもそも入らないなんて選択は元々無かったんだけどね///)」


「で? 結論は?」


「勿論入部させてもらうよ―――――あ、そうだ。もう一人の…えっと、君の妹さんの友人だって言う子の事を教えてくれるかい? 妹さんの方は君から結構聞いてるけどさ、そっちの方はあんまり知らないしね」


 そう言えば美咲ちゃんの事はあまり話題に出さなかったっけ。

 まあ聡里とは何の関係も無かったしなぁ……。


「ああ。その娘の名前は美咲ちゃんって言ってn「ほーらお前ら席につけー。HR始めんぞー」…あー、また昼休みに話すか」


 授業の間の時間は教室移動とかで話をする暇があんまり無いし。


「仕方ないね……(美咲…ね、女の子なのか。その娘も十夜に好意を抱いてるんだろうね……)」


「じゃ、また後でな」


「うん。また後で」


 こうして俺は聡里と別れた――――いやまぁ同じクラスだけど。




 〇




 キーンコーンカーンコーン……


「よし、やっと飯の時間だ……」


「さあ十夜、さっきの話の続きをしようじゃないか」


 随分来るのが早いな…チャイムもまだ鳴り始めたばかりなのに。

 そんなに美咲ちゃんの事を知りたいのかね?


 俺たちはお互いに向き合うように椅子に座り(聡里は無人になった机と椅子を借りて)弁当を出した。


「あ、また卵焼きいるか?」


「勿論貰うさ。…君の弁当には必ず卵焼きが入っているんだね」


「まぁ場所を埋められるしなー。それに、お前にも毎日あげるわけだし」


「え? それってもしかして…僕の為に作ってきてるって事かい!?」


「別にそれだけってわけじゃないさ。ただ、理由の一つではあるってだけだよ」


「フフ…そうか…僕の為に作ってるって部分もあるんだ……(これは嬉しい事を聞いたなぁ…卵焼きもいつもより美味しく感じる…フフッ)」


 何か凄い嬉しそうだな…いつも無表情に近い顔がここまで変わるとは……


「聡里ってさ」


「ん? なんだい?」


「笑顔も可愛いのに、どうしていつも無表情なんだ? そっちも可愛いとは思うけど…笑顔の方が可愛いと思うぞ?」


「っ!? な、ななな…何を言うんだ! ぼ、僕は可愛くなんて……」


「いやいや十分可愛いだろう常識的に考えて」


「まっまた可愛いって言って……そ、そうじゃなくて、美咲って娘の話をするんだろう! 僕の事なんていいから早くその娘の話をしてくれよ!!」


 えー…、まぁ聡里自身がそう言うなら仕方ないか…これ以上言っても聞いてくれなさそうだし…。


「分かった分かった。えーっと美咲ちゃんはな? 俺の後輩で雫の友人…っていうか親友で、荒っぽい言動のせいで浮いてた雫をクラスに溶け込ませてくれた娘なんだよ。」


「雫って言うのは君の妹の名前だったね…最近彼女の悪評を聞かなくなったのはその娘のおかげって事かい?」


「ああ。ホントに良い娘なんだよ…雫も良い友人を持ったなぁ……」


「ふむふむ……それで? その娘は部活で何をしているんだい?」


「別に何をしてるっていうか、唯喋っているだけだけど…あ、昨日は美咲ちゃんがさ、何故か俺に膝枕してくれって言うからしてあげたんだけど…眠たかったんだなー。膝枕したらすぐに寝ちゃったんだよ」


 あの時の寝顔可愛かったなー


「なん…だって…?」


 ん? 何か聡里が凄い驚いてる…どした?


「何を…何をしてるんだ君は!」


「うお! いきなりどうした!?」


 突然叫ぶなんてお前は雫か!


「もしかして君は、その美咲という娘と付き合っているのかい…?」


「え、いや別に付き合ってはいないぞ? というか膝枕は家で雫にもしたし…」


「妹にも…? もしかして君は僕が言ったら、僕にも膝枕してくれるのかい?」


 ブルータス、お前もか。

 お前も膝枕か。

 俺の太腿で寝る事はそんなに楽しい事なのか…?


「ああ、楽しい。とても楽しいよ。だから僕にも膝枕をしてくれ」


「ナチュラルに心を読むな…、まぁ別に膝枕は良いけど…」


「約束だよ? 嘘だったら…フフフッ」


 キャーッまた背筋がアッー!

 …この展開、何か覚えがあるぜ……。


「じゃあこれで話は終わり。弁当を食べよう? 話しに集中していてあまり食べれて無いからね」


「ん、そうだな。時間もあまり余裕ないし、食べる方に集中しますか…」




 ―――――こうして昼休みはすぎていった。

 しかし膝枕はどこでやるんだ?

 まさか…部室、じゃないよな……?



とりあえず一日置きの更新になるかな?


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