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俺と妹の通学風景

ストック尽きた……

「―――――っと、着いたぞ。着替えたらすぐに降りてこいよ? パン焼いとくからな?」


「分かっての。焦がすんじゃねーぞ?」


「ふん、この我を誰だと思っているのだ雑種? この程度の事、王たる我が片手でも成して見せよう」


「いやいや…食パン焼くのに王は関係ねーだろ…っていうか誰でも片手で出来る事じゃねーか…」


「いやー何だかあのキャラ嫌いになれなくてな……」


「あたしはやっぱり騎士王の女の子かなぁ……」


「そういやお前と同じ金髪だもんなー…って、俺の好きな英雄王だって金髪じゃねぇか」


「いや、英雄王はあの天上天下唯我独尊を地で行ってるのが良いんじゃねぇか」


「いや兄貴、天上天下唯我独尊ってさ、自分が最も偉いって意味じゃねーぞ?」


 え? マジで? …いやいやそれは無いだろ……


「そんな訳無いだろ。天上天下(ry って自分が一番偉いって考えを持ってて、傍若無人な行いをする奴の事なんだろ?」


「いや、それは間違ってるんだって!」


「それ誰から聞いたんだ?」


「美咲」


 む、美咲ちゃんか…合って無いとは言い切れんな…


「でもそれが合ってるかは分からないんだろ?」


「あたしもそう思ったからパソコンで調べたんだけど…Wikiでは違うって書いてあったぞ?」


 むむ…それは…むぅ


「そう…なのか……知らなかった………」


「まー他の奴に恥ずかしい所見せる前に分かって良かったんじゃねーか?」


「まぁ、そう思っておくか…」


「じゃあ疑問も解消したし、あたしは着替えるからな」


「おう、じゃあパン焼くとするかー」


  バタン


 背後でドアが閉まる音を聞きながら、俺はリビングへ向かった。




 〇




「さて、それじゃーいただきます」


「いただきまーす」


 ガツガツ アッアニキソレアタシンダゾ!

 イヤコレオレンダカラ! オレノサラニノッテタカラ!?


 というわけで朝食終了。

 まぁただひたすら食ってただけだしね。



 〇



「―――――さて、それじゃあ出発しますか」


「今日はちゃんと余裕持って行けるんだなー」


「昨日はお前先に行っちまったからな……」


「いやいや、あれは兄貴が考え事してたせいで遅れたからだろ? あたしは悪くねーよ」


 ぐっ言い返せない!


「……じゃあ、行ってきまーす……」


「行ってきまーす」


 俺たちがいなくなれば、誰も返事をする事は無い。

 それでも長年やってきた習慣だから、どうしても呼びかけはしないとね。



 〇



 テクテクテク…

 テクテクテクテクテク……

 テクテクテクテクテクテクテクテク………


 話題が無い…。

 流石にこのままずっと無言のままってのは嫌だな……。


「雫よ。可愛い我が妹よ」


「かっかわっ!? …ゴホンッんんっ……何だよ」


「話題が無い。お前の方は何かあるか?」


「えー…そうだなー…、別に何かある訳じゃないけどさ、部活の事でも話すか?」


「部活の話し? それってこの前しただろう。結局現状維持ーみたいな感じでさ」


「いやまぁそうなんだけどよ…やっぱり部員が3人だけってのは少ないかなーってさ! アハハ……。(兄貴と美咲を2人きりにするのが嫌だなんて言えないし…やっぱこの言い方だと違和感あるかな……)」


「まぁお前がそう思ったんならいいさ――――そうだな、俺の友人で、今部活に入って無い奴がいるんだけどな? そいつは性格も悪くは無いし、そいつを部活に入れるってのはどうだろう」


 ちなみに『そいつ』ってのは聡里(さとり)の奴の事だ。

 あいつは護身術部があんなにグダグダだって事も知らないから今まで入るとは言ってはこなかったけど、それでも何度か入りたそうな顔をしていた。たぶん自分の運動神経的に無理だと思ってたんだろう。


「…そいつはあたしの事知ってんのか?」


「ああ、俺の妹も入ってるって言った時、『君の妹…ああ1年のヤンキーみたいな娘だね?僕だって知っているよ。ある意味有名人だし』って言ってたし、知ってるんじゃないか?」


「あたしの悪名を知ってて入ってくるのかよ」


「別に大丈夫だろ。お前の評判は最近良くなってきたし、そもそもあいつは他人から聞いた評価で人を嫌うような奴じゃないしな。」


「そうか…だったら、今日は体験入部って事で来てもらって、それから入部するか様子を見るか……」


「それが良いな。大丈夫だとは思うけど」


 どうせ聡里の事だ、『へぇ、いい部活じゃないか。グダグダ時間を潰すだけなんて僕にとってはいい部活だよ』みたいな事を言うに違いない……。


「これで兄貴の言う奴が入部したら、やっと『同好会』がとれて、『護身術部』になるわけだな!」


「そうだなー…ってか、今まで『護身術同好会』だったんだな…

「やっぱりダサいよなー…何かダサいよなー…」


「ま、申請もあるから正確に『部』になるのは明日だろうけど」


「ってかそいつが入部するかも分からないのに、何で兄貴はもう決定みたいに言えるんだ?」


「俺はあいつを信頼してるんだよ」


「ふーん……そうか……(女だったら注意するべきだけど…兄貴は『僕』って言ってたから男だろうし、大丈夫だな)」


「お、話してたら学校に着いたぞ。やっぱり無言より何か話してた方が早く着いた気がするな」


「んー……(でも今まで私と美咲、兄貴の3人でやってきたんだしな…どうなるかなぁ…)」


 ん? 雫の奴何か考えてるのか? まあいいいか…。


 さて、今日は余裕があるし、HRが始まるまでの時間で聡里に話をするとしますかね。


明日は更新できないと思われる。たぶん。

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