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俺と妹のいつもの(?)朝

デデデデーン…デデデデーンアババババガガガガガガ……オデ、ガンバル!

………ガンバル?イヤ、ガンバレタ……?

 ジャー……


「やっぱり汗をかいた後のシャワーは最高だな」


 まぁ朝って事もあって、湯冷めに気を付けないといけないけど。


「……ふう、さっぱりした。今日も一日頑張りますか!」


 風呂場からでて、出しておいた制服を着る。

 ウチの学校の制服は私立なのでウチオリジナルの制服であり、俺含む生徒の多くが気に入っている物である。

 女子と男子の制服には結構な違いがあり、男子の制服のデザインは学長が、女子の制服のデザインは教頭が担当して作ったとか。

 

 男子の制服は格好良い系で、女子の制服は可愛いと結構な人気があり、デザインの方向性にもある程度の違いがある。

 男子が黒と白の二色だけで、シャープさや格好よさを考えて作られているのに対し、女子は黒を基本とした赤と白という落ち着いた、しかし可憐さが引き立つようなデザインになっている。

 まぁこの説明を聞いただけではそんなにおかしい部分は無いと思うだろう。

 しかし今のデザインに決定する前の……つまりデザインを決める会議をした時には、かなりの論争がまき起ったというのは、この学校では有名な話だったりする。

 どういう事だか知らないが、学長と教頭の作ろうとしたデザインが派手すぎて、学校の制服として機能するような代物ではなかったとか。


 学長は本来もっとカッコいい物を作りたくて、教頭はもっと派手な物が良かったようで、当時の論争を知る学年主任の話を聞く限りではそれはもう酷い物だったそうだ。

 実際にどんなデザインだったのかは知らないが、教頭曰く「二人の作ってきたデザインはそれはもう酷かった。学長のはコスプレにしか見えなかったし、教頭のはアイドルでも着るようなフリフリの付きまくった謎のドレス(?)ってかんじだった。二人も中々譲らないし、正直今のまともなデザインになったのが奇跡だよ」…と言う事らしい。

 ちょっと見てみたいかもしれん。


「よーし、洗濯終了、次は朝飯の用意だな」


 ふっ、実は制服の事を考えている間、洗濯物を洗濯機に入れて起動、洗濯がが終わったら大まかの皺をとってからベランダに干す。

 という事を流れるような手際で行ってきたのだ。

 ……やっぱ俺主婦だわ……。


「えーと…昨日は和食セットだから、今日は洋食セットか…」


 まずはスクランブルエッグから。

 ボゥルに卵を割り、そこに塩コショウ、牛乳等をを加える。

 それをフライパンに流し込み、そこに一口サイズに千切ったチーズを加える。

 雫はこのチーズ入りスクランブルエッグがお気に入りだからだ。

 ある程度固まってきたら火を弱め、軽くかき混ぜながらゆっくり焼いていく。

 

 さて、スクランブルエッグが出来たので今度はサラダ作りだ。

 といっても手の込んだものではなく、レタスを手で食べやすい大きさに千切り、いくつか作ってある茹で卵を半分に切ってレタスの上に並べる。更にシーチキンを上に置いて市販のドレッシングを掛ければそれで終わりだ。実に簡単である。


 まぁここまで出来れば後は食パンを焼くだけなので、焼く前に雫を起こしてこよう……どうせすぐには起きてこないだろうし。


「全く、どうしてあいつは俺を起こす時以外あんなに寝覚めが悪いんだか……」


 昨日のように俺を起こす時は、俺が朝の鍛練をする朝4時なんて時間に起きてきたのになぁ…。

 それなら普通の時間にも自分で起きれるだろうに……。

 一度、「何でお前は普段起こしてもらわないといけないのに、俺を起こす時はそんな朝早くに起きられるんだ?」と聞いた時は「兄貴のためならいくらでも頑張れるんだよ!……それに、兄貴の寝顔も見れるし…」と兄としては嬉しい返答が返ってきた(←後半は聞こえていない)

 まぁつまり、俺の為には頑張れるけど自分の事になると面倒くさくなるという事だろう。

 あまり良い事ではないが、しばらくこの状態でやっていこうと思う……それに、雫の寝顔は可愛いし。


「そんなこと考えてても仕方ない…起こしに行くか……」




 〇




 はい、それでは可愛い可愛い妹の部屋へやってきました!


 ……いや、今日は俺の部屋だけどね……。

 とりあえず

 

  ガラッ


 音が『ガチャッ』ではないのは、俺の部屋の扉が横開きだからだ。……別にどうでもいいか。


「スゥー…スゥー……んー(モゾッ)」


「やっぱり爆睡してるな……」


 しかも俺が滑り込ませた枕に顔をうずめて、たまに深呼吸しているようだが…、寝相にしては意味が分からん…。


 まぁとりあえず起こすか


「おーい雫? 朝飯が出来たから起きろ!」


「……………いやぁ」


 寝言で拒否…だと…?上等ではないか……。


「いいから起きろ! 学校遅れても知らんぞおい! 唯でさえ成績が悪いのに、これ以上成績を下げたら留年に繋がりかねんぞ!」


「うあー…うぐぅ…(モゾモゾッ)」


 ん?後一息っぽいな。


「早く起きないと置いて行っちまうぞコラァ!」(ズビシッ)


 後頭部にチョップをかましてやる。

 流石にこれで目は覚める筈だ……。


「あいたぁ…あに、き? うう…今のは夢だったのか…?」


「何の事か知らんが、とっとと起きなさい。飯が出来たぞ?」


 というか何故そんな大事な物みたいに枕を抱きしめているんだ……。


「ほら、枕を離しなさい。布団片付けるから」


「え?やだぁ……」


 えー………


「…何故に?」


「だって…その…えっと…うぐぅ(兄貴の匂いがするから…何て言えねーよ!)」


 だから何でそんなに大事そうに抱きしめてるんだよ…何か抱きしめる力強くなったし…。


「さっさと離せって……じゃあお前の部屋まで抱っこして運んでやるってのはどうだ?」


 理由は分からんがこう言えばちゃんと起きてくれるし。(普段は雫が着替えてから一階に運ぶ)

 まぁこの手を使うのは月に1度使うかどうかって位だがな。

 今日はすでに俺の部屋(一階)で寝ていたから、一度上の雫の部屋に連れて行かないといけない。

 着替えは雫の部屋だからな。当たり前だけど。


「うー…、嘘じゃないよな?」


「ああ、嘘じゃねーよ。……と言うかお前、昨日一緒に寝た事とか、今の抱っこで言う事聞く事とか、そんなに甘えん坊だったっけ?」


 いや、甘えん坊なのは昔からだったが……こんなに露骨では無かったと思うんだが……。


「な!? う、うっせーよ! 兄貴には関係ねーだろ!?」


「いやいやお前が甘える対象俺だから。どこにも無関係って言える要素ねーから」


「うぐぐぐぐ……兄貴はやっぱり甘えられるのって嫌か……?」


 何を言うかと思ったらバカな事を…


「可愛い妹に甘えられるんだ。嫌なことなどあるものか、寧ろ嬉しいぐらいだよ。……いつまで甘えてくれるのか分からんがな……(ボソッ)」


「そ、そうか…えへへ、なら良いだろ? ほら、早く抱っこしてくれよ! 嘘じゃねーんだろ?」


「はいはい、お嬢様は甘えん坊ですね~」ヒョイッ


 ………全く、本当にいつまで甘えてくれるんだろうな。


ガンバ…れない……俺頑張ったよ…。

もう一話分くらいストックがあるぜよ。

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