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晏陰  作者: 水嶋
晏陰

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杏と麻由

「ゴメンね無理言って…」


「別に構わないわよ。子供に教えるのは慣れてるから」


「カイがマユにピアノを習ってるって聞いてから私も習うって騒いじゃって…」


今日は韻と麻由の家に照陽を連れて来ていた


「きーらーきーらーひーかーるー」


照陽はピアノを夢中で弾きながら歌っていた


「子供はやっぱり素直で純粋で真っ白だから上達も早いわね…インに教えた時は夏休みが終わる頃にやっと間違えずに弾けるようになったけど…」


「まあインはバカ素直でアホ純粋だけど中身は欲望で真っ黒だからね」


「その事については反論は出来ないわ」


「でも…テルヒは最近家でもずっとこれ弾いてるわよ?ピアニカで…」


「成る程ね…負けず嫌いな所は…アンに似たのかしら?」


「どうだろ?私は別に誰かに勝ちたいとか思った事ないからなあ…強いて言えばトモハルかなあ?柔道とかしてたし」


「まあそうかもね…子供ってね」


「?」


「生まれ持った性質よりも子供の頃に育った環境の影響の方が大きいと思うわ」


「そっか…」


「テルヒはきっと杉田の影響を受けてるのね」


麻由は…恐らく照陽の出生について韻から聞いているのだろう

麻由なりの励ましのつもりなのかも知れない…



「そうね…私に似なくて良かったかもね。イン曰く腹黒らしいから」


「まあそうでしょうね」


「こう言う時には嘘でもそんな事無いよって言う物じゃない?」


「あら、褒めてるのよ?それ位の腹黒さと無神経さがないと万年涼しい顔をして学年1位でその歳で病院の院長なんて無鉄砲な事は出来ないわね」


「マユは今だに昔の事を根に持ってて思った事が口に出る執念深くて上辺のお世辞も言えない思慮浅い人ね…」


「あら、素直で一途って事かしら、有難う」


「いい性格だわ…」


「こんな性格じゃなきゃ長年インとはやってけないでしょ?」


「まあね、確かに…」


「まあ仲良くやってきましょ。セイヤもテルヒと同じ学校に通うママ友なんだから」


「そうね…」



「ただいまー」


「あ、噂をすれば…」


「あ、アンさん、こんにちは」


「こんにちは、セイヤ。お出かけしてたの?」


「はい、まあ天気も良かったから気晴らしに公園へ」


「何か…歳の割にはしっかりしてるよねセイヤは…7歳とは思えない言動なんだけど…」


「生意気で可愛げが無いわよ。今ではインを正論で打ち負かしてるわよ…」


「まあインは…すぐ追い越せるでしょ」


「それではアンさん、ごゆっくり」


「はい…どうも…」


そう言って立ち去った星夜に照陽が声をかけた


「あっ!セイヤ!伴奏して!」


「はいはい…」


そう言って照陽の横に座って一緒に演奏し出した…が…



「何か…超絶テクニックなんだけど…アレ何!?」


「モーツァルトが編曲したきらきら星変奏曲よ」


「7歳児が演奏するレベルじゃ無いと思うんだけど…」


「私の子に加えての3歳からの英才教育だからね。まあ、まだまだだけど」


「そうなんだ…」


素人には分からない世界だった


医師免許まで取得して結局公務員となった韻に見切りをつけて星夜に賭けているのだろうか…


「セイヤはピアニストにでもさせるの?」


「さあ…本人がそうなりたいなら全力で手伝うけど…自分のやりたい様に自由に生きていけば良いと思ってるわ」


「そうなんだ…」


「子供は親の所有物じゃ無いのよ?1人の人間として自分の意志で選択して生きていくべきだと思ってるわ。親はあくまでサポートに徹するものよ」


「そう…ね」


所有物…

色々と少し耳の痛い話だった


「でも…マユは肝が据わってるわよね」


「まあね。あのインと子供まで作って出産したんだから。大概の事には動じない自信だけは付いたわ」


「確かに…母は何とかって奴ね」


「まあね。アンだって出産したんだから同じでしょ」


「そうね」


「でもあなたはもう夢も叶って今は燃え尽き症候群にでもなってるのかしら?」


「いいえ、まだまだよ。私にはまだ理想の世界が有るから…」


「理想の世界…ね」


「マユこそもう夢が叶ってそれこそ燃え尽きてるんじゃ無いの?」


「いいえ。私は今夢に向かってる最中よ。それももうすぐ叶いそうだけど。麻由2ndシーズン、そして伝説へ…新たな世界の第二章幕開け間近よ」


「何だか海外ドラマ並みに壮大なフリなんだけど…ってもうすぐ?」


「そうよ」


「何だろう?まだセイヤも小さいし、インが劇的に変貌して常識人になったとも思えないし…ピアニストとしても活動してるし…」


「まあ秘密よ」


「そう」


「根掘り葉掘り聞かれるのもウザいけど全く興味を持たれないのも何だか癪に触るわね…」


「だって秘密なんでしょ?」


「まあね。あなたの得意なね」


「あっそ」


「1つヒントは…私はタダでは転ばないって事よ」


「無理に言わなくて良いわよ。別に聞いてないのに…本当は言いたくて仕方ないのね…」


「あっそ」





「私もアレ弾けるようになるー!」


麻由の所からの帰り道に照陽が悔しそうに言った


「まあ…多分テルヒには無理ね…」


「むう!」


何だか韻の口癖が移ってる…

あんな風になってしまうと危険だから余り近づけない様にしないと…


しかしあの韻と麻由からどうやったらあんな星夜に育ったんだろう…


照陽と同い年とは思えないんだが…

人生2〜3回繰り返して来たんだろうか



益々謎は深まった



「テルヒは将来こうなりたいとか夢はあるの?」


「うん!お母さんになる!」


「そっか」


そう言って頭を撫でてあげると嬉しそうな顔をした


照陽の夢を聞いて安心していた


私の理想は叶いながら、そして先へ進んでいる…





理想の世界へ向かって…


女同士の口撃のやり合いですが、実は気が合ってるのかな?


しかし杏はやはり今だに不穏…

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