大学生と中学教師、その妻と愛人
引き続き日風と眞也のお話です
長くなったので次にもう一話続きます
韻も少し出ます(脇役扱いになってます)
「で、眞也さんはこの先どうしたいのかしら?」
「うん…」
「うん?」
「ハッキリしない男ね!あなた体育教師なんでしょ?もっと声張りなさい」
「ちょっと千春…眞也さんは繊細なのよ。もっと優しくしてあげて」
今日は俺の形だけの妻となった玲奈とその恋人の河口千春が何故か一緒に家に押しかけて来て相談に乗ると称して尋問の様な事をされていた
玲奈とはたまに会って近況などを話したりしていた
お互い周りの誰にも言えない内容の悩みなども言える親友の様な関係だった
韻との関係も知っており、契約を交わして付き合い出した日風の事も話していた
「今更で何なんですが…何で河口さんが一緒にやって来たんですか?」
「この案件を聞きつけて放って置ける私じゃ無いわ!」
河口さんは鼻息荒くハキハキと答えた
「はあ…」
「千春はね…大のBL好きなのよ…」
「そうなんだ…」
以前玲奈から紹介されて会った時にはビシッとした大人のキャリアウーマンって感じだったが…
実際千春は大手出版社で働く編集者だった
「読み漁った数は星の数!頭の中ではどんなカップリングだろうが百戦錬磨よ!さあ、頭の中の経験値だけは豊富なお姉さんに何でも相談なさい!」
千春は謎の自信を持って胸を張っていた
「はあ…」
「じゃあ、眞也さんは今はインくんとは?」
「うん…相変わらず…たまに気まぐれに遊びに来て…関係は続いてる…」
「そう…ニチカくんの所にも?」
「うん…そうみたい…」
「八神韻、恐るべし…」
「眞也さんはまだインくんの事は好き?」
「うん…多分…」
「じゃあ、ニチカくんの事は?」
「うん…ニチカの事も…好きだよ」
「煮え切らない男だなあ…」
「そっか、じゃあインくんとニチカくんに思う好きの違いって何だろう?」
玲奈は国語の教師をしているので俺も良く分からなくなっている事を順序立てて聞いてくれるのが上手い人だなあと思った
「そうだなあ…インは…子供っぽくて無邪気に俺を問答無用に巻き込んでその渦の中に取り込んだ…台風みたいな奴…かなあ。気がついた時には好きになってた…」
「そっか」
「被災者だな、眞也さんは」
「ニチカは…大人で優しく包み込んでくれてボロボロになってた俺を癒してくれる…あったかい奴…かなあ。まあニチカもボロボロになってるからお互い傷の舐め合いなんだろうけど…」
「そっか…」
「スパダリニチカ一択だろ。台風の目八神韻とは破滅エンドしか見えない…ニチカとそのまま被災者友の会を続けろ」
「まあ、今はそう言う友の会の関係だろうなあ…ニチカにとって俺は…」
「ダメな人と分かっていても惹かれてしまう気持ちも分からなくも無いんじゃない?そう言うお話も沢山あるでしょ?千春」
「まあ…確かに。相手は人間を超越した台風…関わったが最後、問答無用に巻き込む破壊神だからなあ…」
「言い得て妙だな…結局あのコウですら巻き込まれたし…インにピッタリの表現かも…」
「インくんは結婚して子供も居るんでしょ?奥さんと不仲な訳?」
「ううん。インが本当に好きで大切なのはマユ…奥さんだけだよ。俺とニチカは男だからセックスしてるだけ…楽しくセックスして気持ちよくなる友達…だから」
「とんだドクズだな…八神韻…」
「あはは、改めて口に出して話してると本当そうだね」
「ニチカくんもこのままでいいのかな?…」
「まあ、ニチカもインの事が好きだから…俺の事は寂しさを紛らわせる身代わりだと思ってるだろうな…」
「眞也さんもニチカくんにそう思ってるの?」
「俺は…ニチカがそう思ってるならそうしようって思ってる…でも」
「でも?」
「朝起きて…隣にニチカが居ないと…何だか無性に寂しくなるんだ…」
「そっか」
「それもう好きじゃん!今すぐ此処へ呼ぼう!どう思ってるか問い質そう!」
「コラコラ千春、興奮しない」
「でも…幾ら俺がこのまま一緒に居たいって思っても…ニチカはまだ学生だし…俺もうオッさんだから…」
「眞也さんは童顔で可愛らしいわよ?」
「そうそう!まだまだイケる!身体も鍛えてて締まってるし!何より歳下攻めは私の大好物!」
「もうっ、千春…趣味が混同してるわよ?」
ピンポーン
「あっ!誰か来た」
「宅配とかかな?ちょっと出てくる」
騒がしい2人を置いて玄関に向かった
「ハ…イ…」
「あれ?お客さん?」
ドアを開けて固まっていた俺の足元に揃えて置いてある2足のパンプスを指差して日風はそう尋ねた
○○○○○○○○○○
「僕、治った」
「本当に!?」
「うん」
そう言って下着ごとズボンを下げて平常時のペニスを韻くんにみせていた
「わあ!ホントだ!良かったね!」
「うん」
ズボンと下着をまた戻して答えた
「あれからまた少し身体も成長したもんね!自然に治って良かったね!」
「うん、有難う。手術も考えてたから…本当に良かった」
僕は高校の頃よりまた身長も伸びて体格も以前よりもう少し男らしくなっていた
「顔は相変わらず女の子みたいで可愛いままだけどね」
「それ言わないでよ…髭でも伸ばそうかなあ…」
「ふふ、面白いから見たいそれ!」
「僕は大人の男になりました。だから…僕は卒業する事にしました」
「卒業?まだニチカは学生だよね?中退するの?」
「ううん。大学じゃなくて…インくんから卒業します」
「僕?」
「うん。シンヤと付き合って行く事にしたから」
「そうなんだ!おめでとう!」
「有難う。だから…僕は恋人と付き合ってる普通の大学生になります。インくんとはただの友達になります。インくんとはセックスしない」
「えー!何か芸能人の引退の挨拶みたい…寂しい…」
「インくんは…奥さんが他の誰かとセックスしてても平気?」
「それはやだ!」
「でしょ?奥さんも多分同じ事思ってると思うよ?」
「そっか…でもマユは男とならセックスする事は許してくれたよ?」
「男同士でも…セックスは好きな人とするんだよ?セックスするフレンドと言う都合の良いものは漫画やラノベのハーレム厨二オナニーネタエロ作品でしか存在しません。インくんは異世界の幻をみていたのです」
「そっか…僕は今まで異世界の幻をみてたんだね…何かヤケにリアルだったけど…」」
「だから、インくんがされて嫌な事は自分もしちゃダメだよ?」
「うん!分かった!」
「だから…僕はシンヤと付き合うから…シンヤともセックスはもうしないで?」
「うん!分かった!」
「でも…インくんのおかげで僕は色々な事を教えて貰ったし経験出来ました…初めて大切にしたいと思える人とも出会えました…インくんに出会えて本当に良かった…」
「なんだかお別れの挨拶みたいで悲しくなっちゃう…」
「まあ、身体の関係は終わりだけど…普通の友達としてこれからも宜しくお願いします」
そう言ってペコリと頭を下げた
「そっか!お別れじゃ無くて良かった!じゃあ、卒業の記念に…最後にシよ?」
「全然分かってる気がしない!」
顔を近づけて来た韻くんを手で押し退けた
日風は遂に韻と決別します(決別は身体の関係だけですが)
そして眞也の妻の恋人が…
まさかの河口さん登場です
河口さんについては「河口さんと田中くん」を参照下さい




