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晏陰  作者: 水嶋
晏陰

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頑固なマコト

「お爺ちゃんはやっぱり選ばれた人間…強運の持ち主だったね…」


そう呟いて病室を出た



あの後云足は朝に病院へ出勤した杏が発見したと言う事となり、杏が119に連絡して救急車で運ばれて宮乃の働く病院に運ばれてそこで手術をし、一命は取り留めた


自室から出てきた薬などから恐らく鬱を患っていて衝動的に屋上から飛び降りたのだろうと言う事になった


死亡していないので僕や杏のアリバイなどと言った事を詳しく調べられる事もなく、やはりあの時杏の言った通り殺さなくて良かったと何だか杏に負けた気がして悔しかったがそう思った


云足は全身骨折と内臓にも損傷がある大怪我だったが、咄嗟に頭は腕で抱え込んで庇っていたらしい


浄化された遺伝子には生き延びる為の本能の様なものが備わっているかも知れない



「やあ、イン」


「マコト?」


云足が入院した病院はマコトも働いていた

病室を出た所でマコトに声をかけられた


「今日はお見舞い?」


「うん」


「じゃあ僕も休憩時間になるから…診察室で話そうか」


「うん」


マコトに促されて診察室に入った


「まあ…まだ意識は戻らないけど…身体は大分回復してきているよ」


「そう…」


「とは言え…意識が戻ったとしても…身体も損傷が激しかったしもう前の様に働く事は難しいかな…それに大分進行してるみたいだし」


「そうだね」


云足はここ最近は病院の方は杏に任せて大体自室や地下施設にも篭っていたらしかった


一緒に暮らしていたマコトは身近に見ていて段々言動などもおかしくなって来ていたのを目の当たりにしていた


最後にマコトに会った時にお爺ちゃんの事を心配していた

一度ちゃんと検査をさせたかった様だが、まだ頭はしっかりしているからと断られていると言っていた

自覚が無いから認めたくないのだろうと困った顔をしながらそう話していた



「お父さんは…睡眠薬は分からないけど抗精神薬は飲んで無かったはずなんだけど…」


云足の自殺未遂騒動で一応事情聴取された様で、マコトは遺書など無いか云足の自室を色々調べて杏が机の引き出しに入れて行った薬を発見した


「その事警察に言ったの?」


「ううん…最近伏せっている事が多かったから飲んでいたのかもって言った…」


「そう…」


あの決行をした日、念の為杏はマコトと櫂にも睡眠薬をお手伝いさんが作り置きして行った食事に混ぜて飲ませていた



「この機会にお父さんを頭部CTとMRI検査したら…恐らく認知症だろうと診断されたよ」


「そっか」


「お父さんの机から出てきた薬は…認知症を誘発させる恐れがあるものだね」


「そうなんだ…」


マコトは精神科医をしているのでこの手の薬には詳しかった


「いつから飲んでいたのか分からないけど…薬の影響も大きいだろうね」


「そう…」


「今日は…お父さんの監視に来たのかな?…」


「そう思う?」


「まあお父さんは意識が戻ったとしても、多分もう良く分からなくなってると思うよ?僕とインの違いも…」


「そっか…」


「あの事件の頃とインは同じ位の歳になったんだなあ」


「そうだね…」


「僕は顔を変えてしまったからあの時から先には行けないけど…インを見て行けばこの先僕がどんな風に歳を取って行くのか分かるね」


「多分行き着く先はお爺ちゃんと同じ顔だと思うよ?皆おんなじ顔なんだから」


「あはは、確かにそうだね」


マコトはそう答えて僕の目を真っ直ぐ見据えた



「これでインの願いは叶えられたのかな?」


「まあ…そうだね。マコトのお父さんを…こう言う結果をマコトは否定する?」


「僕は…前にも言ったけど誰の事も否定も肯定もしないよ?インがそれが正しくてそうしたいって思ってした行動の結果をありのままに受け入れるよ」


「マコトはやっぱり…穏やかな水みたいな人だね…」


そう言ってマコトにぎゅっと抱きつくと優しく頭を撫でてくれた


「マコト…大好き…ねえ、セックスしよ?」


「インとはしないよ」


「むう!」


いつまで経ってもマコトは頑なだった




「お爺ちゃんはね…神の子は自殺など許されないって言ってたよ」


「そう…」


「御月もお爺ちゃんの子だよね?御月が自殺した事に腹を立ててるとか許さないって感じはしなかったけど…」


「お父さんはね…恐らく自分の子供はあの研究室のモノ達だけだと思ってるんだよ」


「でもマコトもお爺ちゃんの子でしょ?」


「物理的にはそうだけどね。多分ドライやフォウ、ツウ達と僕や御月は同じなんだよ」


「どう言う事?」


「八神の使命の為に作ったに過ぎないって事だよ。研究室のモノ達はお父さんに使命とは関係無く望まれて作られた…愛されていたって事だね」


「そっか…」


「御月が自殺した時も、僕が病院を継がずに精神科医になるって言った時も、犯罪に巻き込まれた時も、長年お金をかけてやっとなれた医者を捨てた時も、顔や名前や戸籍を変えた時も…ただ淡々としていてまるで仕事の報告を受けただけって感じだったよ」


「そうなんだ…」


マコトはお爺ちゃんから愛されて可愛がられてると思っていたけど…

どうやら違っていたらしい


「だから…僕は御月みたいな固執や執念とは違う…見返りを求めない無償の、もっと純粋な…誰かを愛する感情が知りたかったんだろうね。」


「そう…」


「結局僕の中にはそう言うものは存在しなかったみたいだけど…僕には分からなかったからアンとインに代わりに見つけて欲しかったんだろうね」


「じゃあ…僕がマコトに教えてあげる…」


そう言ってキスをして胸を触ろうとしたら腕を捕まれた


「インとはセックスはしないよ」


「むう!」





相変わらずいつまで経ってもマコトは頑固で強情だった


名探偵マコトは色々察している様です


そして頑固みたいです…


良いお父さんみたいなセリフを言ってますが、確か以前マコトは愛は連続絶頂の筈とかぬかしてましたが…

(「純水」にそのエピソードが有ります)


身の危険を感じて韻にそれは言わなかったのかな?


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