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晏陰  作者: 水嶋
2人が辿った道

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7/90

杏の複雑な家系

久々にこの家系図…


杏も加わって更にややこしくなってます


「この機会に杏の出生から話しておくわね」


「うん」




「杏はマコトと御月の子よ」


「へえ…そうだったんだ」


私の母は宮乃では無かった

マコトはずっといとこだと思っていたが…

父は亡くなっていると知らされてたけどちゃんと生きていた


そしてあの御月は私の産みの親だったのか

しかし御月は私に対しては母親として接していると言うより…

まるで自分の男に近づく女を牽制している様にみえた



「戸籍上はマコトの姉で杏のいとこだった御月は私とマコトの父で私の兄…叔父さんとの子よ」


「じゃあ…マコトは?」


「マコトは叔父さんと御月の子よ」


「そうなんだ…」


「本来は私は、私の兄で杏の叔父さんと私の母、玉代との子よ」


「ふむ…」


「私の父、杏の祖父に当たる人物の一生は杏の祖母に当たる玉代の父で本来は親子よ。」


「そうなんだね」


中々難しくなって来た…


まとめるとこうだろうか


私から見たら…


(祖父)一生は(祖母・一生の娘)玉代と

(叔父) 云足を作った


(叔父) 云足と(祖母・一生の娘)玉代は(母)宮乃を作った


(叔父) 云足と(母)宮乃は(いとこ姉)御月を作った


(叔父) 云足と(いとこ姉)御月は(いとこ弟)眞事を作った


(いとこ姉)御月と(いとこ弟)眞事は私を作った



母・宮乃から見れば私の祖母玉代は母、私の祖父・一生は本来なら父ではなく祖父だ。戸籍上は母の父親となっている

私の叔父・云足は兄ではなく父だ

御月は父・云足との子で御月の子の私は孫にも当たるのだろうか?



中々複雑だ



とにかく八神の血縁で代々続いている事は分かった


「少々複雑な関係だけど、難しく考える事は無いわ。杏はマコトをいとこだと思って任せておけば良いのよ」





「分かった」





○○○○○○○○○○





夏休みが終わる頃、妊娠が分かり私は悪阻が酷かった


夏休み明けもそのまま学校を休んでいた

もうすぐ中学受験もあるので、家では勉強はちゃんとしていた


マコトが主に勉強を見てくれていた

心配して色々身体を気遣ってくれたり励ましてくれたり優しくしてくれた

父親だと分かると嬉しくて更に大好きになった


宮乃は相変わらずサッパリしていた


「まあ、妊娠中は私もそんなもんだったわ。勉強も大事だけど病気じゃないから学校に行ってなくても規則正しく生活して、部屋に閉じこもってないで外にも出て日光にも当たって適度に運動もするのよ」


流石医者で母親だ

医者らしく、母親らしくそう言っていた



年が明けて漸く落ち着いてきて学校に行き出したが妊娠4ヶ月になっていた


まだ誤魔化せるが中学生になる頃にはお腹も目立つし出産で休む事になる

復帰した後も授業の遅れや友人、人間関係が出来上がっている所に途中から入るのも大変だろう



とりあえず受験はして、合格出来たのでこの際病気療養を理由に1年休学して次の年から始める事にした



検査はマコトの父の産婦人科病院で行っていた

出産もこの病院でする予定だ


途中までは異常もなく順調だった

臨月が近くなっていた頃、検査で言われた



「お腹の子は…心肺停止になってる」


お腹の中で死んでしまっていた

最近動かないなとは思っていた


直接的な原因ははっきりと分からなかったが、20歳未満と40歳以上だとほかの年齢層よりも死産になる確率が高いらしい



死産とは言え、死亡した胎児を出産する必要がある


通常の分娩と同じく数日間入院する事になった


更に死産の場合は身体が出産の準備が自然に出来ないので色々施される


身体に負担も大きかったので、休学にして良かったと思った





入院している時に病室に知らない男の子がやって来た



「その子…マコトの子?」


「うん。そうだよ。死んじゃったけど…」



誰だろう…

お腹の子がマコトとの子だと知っている


歳は私と同じ位

見た目が…



私とそっくりだった



「ふうん…でも…いいなあ…」


「えっ?何が?どこが?」


「だってマコトとセックスして子供作れるなんて…羨ましい」


「そうなんだ」


まあ、男の子なら…

セックスは出来るかもだけど子供は無理か



「何か…あんまり悲しそうじゃないね」


「うーん、まあそうかな?この後の施術を思うと気が重いけど…まあ長い間中で動いたりして重かったお腹がスッキリするかと思うとそこまでは…」



「ふうん…ねえ…」


「なあに?」


「お腹触っていい?」


「うん、良いよ。もう動かないけど」


そう言うとその子は私のお腹を摩ってきた




「君、名前なんての?」


「僕は…韻って言うんだよ…」



そう名乗った韻は私のお腹に頬擦りしていた





添えていた手の指は6本あった


ここで韻と初顔合わせです


杏は韻の存在を知らされていなかったようです


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