ミッション・イン・研究室
ややセンシティブな表現が有ります
(純水で書いた物と重複しますが)
「ねえねえマコト!お願いしてた事上手くいった?」
「うん、お父さんに了承して貰ったよ」
「そっか!良かった!」
マコトにお爺ちゃんの研究室にマコトも入れる様に打診して貰っていた
「前に…僕が事件を起こした時に家宅捜査に入る事になって…急いで色々隠した経緯があったからね。また何かあった時、お父さんが動けない時は今度は僕がその役目を担う事になるだろうから…」
「そうだよね…」
「ただ…インにはちょっと見せられないかも知れない…色々…衝撃的と言うか…」
「そっか…ならさ」
「?」
「アンになら見せられる?アンは将来この病院を継ぐんだよね?」
「そうだね…アンなら何を見ても取り乱したりしないだろうからいずれ折を見て…」
「分かった」
何か納得いかない理由だったけどここは大人しく従う事にした
とりあえず一歩前進したぞ!
「と言う事で、マコトはロックを解除出来る様になったよ!」
「まあ上々だな。やはり冷静な判断をする男だな、お前と違って」
「むう…」
後日光太郎に報告していた
相変わらず胸焼けしそうな甘いものばかり食べて飲んでいた
「所でさ、気づいちゃったんだけど」
「何だ?」
「何でコウはマコトが生きてる事知ってるの?僕確か言って無いと思うけど…」
「まあ…それは…アレだな…ぶっちゃけると…」
「何?」
「俺も麻里奈が母親を殺害して八神眞事を嵌めた手伝いをしたからだな」
「何それ!?」
そう言って僕は光太郎の首を絞めてブンブン揺さぶった
「タンマタンマ!ギブギブ!」
光太郎が僕の腕をバシバシ叩いた
「ゲホ…ゲホ…すまんすまん」
「すまんで済んだら警察いらないんだよっ!」
「まあ許せ、元はと言えば八神眞事の患者へのレイプが原因だろ?」
「マコトはレイプなんてしないもんっ!」
「まあ、相手がそう思ったらそうなるんだよ。世の中痴漢にしろセクハラにしろ怖くて拒否できませんでした〜って訴えられたら男が圧倒的に弱い立場だ」
「むう!」
「一応八神眞事の命も助けたし新たな戸籍も用意したし顔も変えたから…その辺でチャラにしてくれよ…」
「命を助けたのは宮乃とアキラだし顔も僕と宮乃の好みの顔にしたんだから!」
「うーん、何か最後の反論は支離滅裂だが…まあお前の話を聞いてちょっと悪い事したかなーって思って罪滅ぼしに協力してやってるだろ?」
「ちょっとじゃない…」
「俺達穴兄弟だろ?仲良くやろうぜ」
「むう…」
「だからさ、これで機嫌直せよ」
そう言って光太郎は何か機械を取り出した
「これ何?」
「小型カメラだ。アンは中に入れるって言ったんだろう?」
「うん」
「ならアンと協力して研究室に仕込め」
「ふむふむ」
「パソコンから映像が見られるから」
光太郎はノートパソコンを取り出して見せてくれた
「わあ!凄い!良く見える!」
「そうだな、お前の鼻の穴の中がくっきり映ってるな、てか俺は何を見せられてるんだ…」
僕は小型カメラを顔に近づけて見ていた
「録画も出来るから」
そう言ってパソコンの操作を教えて貰ってソフトの入ったUSBを受け取った
「まあそこで撮影した映像をどう使うかはお前に任せる」
「うん」
「ただな、警察にってのは余りオススメしないな」
「そうなの?」
「まあ事件にはなるだろうし下手すれば病院は廃業、そうなると八神眞事もアンも困る事になるだろう?勿論お前も」
「まあ…確かに」
僕や杏が困ろうが構わないけどマコトが困るのは嫌だ
「その辺は頭のキレそうなアンと相談するんだな」
「うん、分かった」
杏は腹黒いから何か良い案を出しそうだ
アンなだけに
なんて思いながら光太郎と別れた
○○○○○○○○○○
「アン、これ」
「分かった」
杏に小型カメラを渡した
光太郎との経緯も前もって話していた
「成る程ね…何だかマコトを嵌めるようなその男を素直に信じて良いのか分からないけど…田所とも繋がりがある様だしまあ使える物は使いましょ」
やっぱり杏は腹黒だ
「とりあえず…あの部屋の中の現状把握はしておかないと…将来私がこの病院を継いだ時には必要ない物だしね、そんな病院の危機に陥れるような犯罪になりそうな汚点は。行く行くは綺麗にしておかなきゃだしね」
杏は限りなく腹黒だった
まあとりあえず杏と手を組んでカメラを仕込む事にした
後日杏はマコトにお願いして研究室に入れて貰っていた
「ねえー!マコトー?居ないのー?」
「はいはーい、どうしたー?」
「ちょっと急ぎで聞きたい事が有るんだけどー!」
タイミングを見て僕がマコトの元に訪れて声をかけた
「ちょっと待ってー!アン、ゴメン、ちょっと行ってくるから」
「うん、分かった」
「中の物は触らない様にね。お父さんにバレるから」
「うん、大丈夫」
そう言ってその場をマコトが離れた隙に杏がカメラを仕込んだ
「ちょっとそこで待っててね、イン」
「うん!分かった!」
そう言ってマコトはまた研究室へ戻って杏と出て来て扉を閉めた
「アンも来てたんだー?」
「まあね…」
白々しいやり取りをした
「で、何の用だったの?急用?」
「えっとねー、うんとねー、何かマコトを待ってる間に忘れちゃった…何だったかなあ…てへっ」
「しょうがない子だなあ…」
「マコトの可愛い顔が見られたからそれで良い!」
「何だそりゃ…」
呆れた顔をしたマコトの後ろで杏が無表情で親指を立てて下に向けていた
その後マコトと別れて僕の部屋に杏が来た
「まあ…私は実物見て来たからアレだけど…正直気分の良いモノじゃ無いわよ…」
そう言って杏もパソコン画面を一緒に覗き込んだ
「上手く映ってるわね…」
「何コレ…」
中には丸い大きめの筒状のガラスの容器…中に液体と何かが入った容器が並べられていた
拡大してみると…
目が中央に1つしかないモノ
口しか無く大きく開いた口は歯が生えているモノ
頭が大きく膨らんでいるモノ
おかしな所に耳や目らしき物が配置されているモノ
等がその容器に入っていた




